『サイズ-大鎌戦役-』の作者が考えるボードゲーム人気10の理由
『サイズ-大鎌戦役-』のデザイナーであるジェミー・ステグマイアー氏が、同氏が経営するストーンマイアーゲームズのウェブサイトにて、ボードゲームが今、どうして人気になっているかを考察している。「業界にいるなら、ここ2,3年で聞かれたことがあるだろう」この質問に対し、ステグマイアー氏は答えは1つではないという。読者とシェアして、アップデートしたいということで挙げられたのは次の10の理由である。アメリカの状況ではあるが、日本で当てはまるものも少なくない。
1.『マジック:ザ・ギャザリング』
ここ30年、世界的に大流行しているトレーディングカードゲームが、ボードゲームにプラスの影響を与えた。
2.次世代の相乗効果
30年前に200万人いたゲーマーの多くが、自分の子供と遊ぶようになり、その子供たちがゲーマーになり、さらにその子供たちへというように続いている。
3.キラータイトル
数百万セットを売り上げた『カタン』と『チケットトゥイライド』。これらを遊ぶボードゲーム会に誘われて楽しい時間を過ごす人がねずみ算式に増えていった。そのほとんどの人は『カタン』だけでなく、その他のモダンボードゲームも探し始めた。
4.キックスターター
キックスターターと中国生産によってゲームを出版する障壁が大きく下がり、たくさんのボードゲームが作られるようになって、新しい愛好者を呼び込んだ。
5.ゲーム文化の一般化
スマホゲーム、ビデオゲーム、ボードゲームを問わず、ゲームを遊ぶ人が圧倒的に増えており、デジタルゲームがボードゲームの入り口になっている。
6.ソーシャルメディア
ゲームなど趣味について関心をシェアしやすくなった。
7.脱スクリーン
デジタルゲームやソーシャルメディアも含めて、モニター画面の前にいる時間が長くなり、ボードゲームはそこからの避難場所になっている。
8.ボードゲームショップやカフェ
お店を中心にしてボードゲーム愛好者のコミュニティが作られ、成長し、維持されている。
9.インドア生活
アマゾンやネットフリックスで外出する必要がなくなり、自宅でほかの人とできる活動が求められた。
10.オタク文化のクロスオーバー
さまざまなジャンルにまたがるマニアが、Youtubeなどを通してほかのジャンルからの橋渡しをしている。
最後にステグマイアー氏は「これらは私見」として、下記リンクのコメント欄でみんなの意見を募っている。2016年に当サイトで考察した10の理由はこちら 。
・Stonemaier Games:Top 10 Reasons for the Rise in Popularity of Tabletop Games
クニツィアのW陣取りゲーム『ブルーラグーン』日本語版、5月9日発売
アークライトは5月9日、『ブルーラグーン(Blue Lagoon)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・R.クニツィア、イラスト・T.ラレク、2~4人用、8歳以上、30~45分、3800円(税別)。
オリジナルはブルーオレンジゲームズ(フランス)から2018年のジェンコンで発表された。ポリネシアの部族たちが、新しく発見された美しきブルーラグーンの島々を開拓する陣取りとセットコレクションのゲーム。
ゲームは探索フェイズと開拓フェイズに分かれ、それぞれの最後に得点計算を行う。六角形のマスで区切られたゲームボードには8つの島があり、プレイヤーは順番に部族コマを置いて各島に散らばった資源を集める。探索フェイズでは海ならどこにでも置くことができ、あるいはすでに自分の部族コマを置いたところからつなげて部族コマを配置する。
フェイズの最後に各島のマジョリティー、いくつの島をつなげられたか、資源のセットをどれくらい集められたかといった得点計算を行った後、部族コマを全て除去して開拓フェイズへ。開拓フェイズでも再び部族コマを配置していくが、今度は探索フェイズ中に作った村から村から部族コマを配置していく。
ヘックスマスでのエリアマジョリティーは『砂漠を越えて』『サムライ』などのクニツィアの得意とするジャンルで、村だけ残すのは『アメンラー』を彷彿とさせる。開拓フェイズでの位置取りを考えて、探索フェイズで布石を打っていくところに戦略性があり、それでいて複雑な手続きがなくシンプルに楽しめる作品だ。
内容物:ゲーム盤1枚、村コマ20個、袋1つ、資源コマ24個(ココナッツ、オヘ、飲み水、ペリドット各6個)、ティキ像コマ8個、部族コマ120個、得点シートの束1束、ルール説明書1冊