ボードゲーム十大ニュース2019
今年もあと1週間となったところで、今年の主なニュースをまとめた。当サイトの記事になっていないものもあるが、今年を特徴づけるものという観点で管理人の独断でランキング。
1.アニメ『放課後さいころ倶楽部』放送開始
ボードゲームをテーマにしたコミック『放課後さいころ倶楽部』のアニメ版が10月2日からABC朝日・TOKYO MX・BS11の深夜帯にTV放送。9月に『ゲッサン』で発表されると作者のツイートは1日で3000を超え、ボードゲームファンとコミックファンの両方から広く注目された。ブルーレイは来年1月8日と3月3日に映像特典や特製ボードゲーム『犯人は踊る』『赤ずきんは眠らない』付きで発売予定となっている。
2.ゲームマーケット先行体験会「フォアシュピール」スタート
ゲームマーケットで発表される新作創作ゲームを一同に体験できるイベント「フォアシュピール」が5月、東京渋谷で開催された。ゲームマーケットは新作が急増し、会場内で遊びにくくなっていることから大盛況。11月には2日間にわたって開催された。体験会による前評判の形成が重要となってきており、「盤祭」「北海道ボドゲ博」「World Word Game Festival」など、サテライト的なイベントが賑わった一年だった。
3.マーダーミステリー専門店連続オープン
殺人などの事件が起きたシナリオで、参加者が物語の登場人物となって犯人を探し出す(犯人役の人は逃げ切る)正体隠匿推理ゲームジャンル「マーダーミステリー」の専門店「Rabbithole(ラビットホール)」が8月に新宿、11月に渋谷、12月に池袋と立て続けにオープン。台湾や中国で制作されたシナリオだけでなく、オリジナルの作品も次々と発売された。年明けには大阪梅田にも専門店「Who Done IT?(フーダニット)」が開店する。
4.NON STYLE井上裕介氏がYoutube番組「NONSTYLE井上365」開始
若手芸人とボードゲームをプレイしながらトークを繰り広げる番組が9月からスタート。毎日更新されており、登録者数は2万5千人を突破。コミュニケーション系ボードゲームのポテンシャルを最大限引き出した内容となっている。井上氏は動画配信だけでなく、マーダーミステリーをプレイしたり、ゲームマーケットに参加したりしており、愛好者内に限られていたボードゲーム文化が外に広まり始めている。
5.シュピール来場者、初の20万人超え
ドイツ・エッセンで10月24~28日にかけて開かれたメッセ「シュピール’19」は、来場者が209,000人となり史上初めて20万人を突破した。シュピールは長らく15万人前後をキープしていたが、5年前から毎年約1万人ずつ増加。今年は昨年の190,000人から2万人近く増加した。出展者53カ国1200団体、新作タイトル数1500、会場面積86000㎡も過去最高。ドイツだけでなく世界的なボードゲーム熱の高まりが反映されたようだ。
6.カードゲームの海賊版続々
アマゾンのマーケットプレイスやメルカリなどで、人気カードゲームの海賊版が出回っている。主に中国で製造されており、価格が異様に安い、発送元や問い合わせ電話番号が国外、カードや箱の紙質が粗悪(特に内箱の裏面)、印刷がずれている、誤字脱字が多い、中国語にしかない漢字が使われているなどの特徴がある。愛好者はツイッターで出品者情報を交換して自衛している。
7.中国のボードゲームが話題
BGGにも登録されていない中国・静言思桌游のボードゲーム『海洋公園』『平遥』『敦煌』『徽州』が愛好者の間で面白いと話題になった。双六小僧氏が北京や上海がわたり、情報を集めて輸入し始めたもので、「小僧ゲームズ」というレーベルでオンライン販売・ゲームマーケット出展・卸売も行っており、安定供給され始めている。
8.連作ボードゲームプロジェクト「KAIJU ON THE EARTH」始動
アークライトは5月、連作ボードゲームプロジェクト「KAIJU ON THE EARTH」の立ち上げを発表した。総合ディレクションは渡辺範明氏で、毎ゲームごとに別のゲームデザイナーが担当する。ゲームマーケット2019秋に発売された第1弾『ボルカルス』を上杉真人氏のデザインで、先行予約のクラウドファンディングが殺到したことから、当日は一般発売分がなくなるほどの人気。来年には金子裕司氏による第2弾、林尚志氏による第3弾が予定されている。
8.ゲームマーケット大賞終了
2014年に始まったゲームマーケット大賞が、発表されるボードゲームの急増などの理由により第5回で終了。ゲームマーケット来場者による投票で選ばれる「ゲームマーケットセレクション」、識者がお気に入りの新作を自由にコメントするコーナー、アークライト社が製品化を保証する「アークライト・ゲーム賞」の三本立てで引き継がれることになった。最後の大賞には、『FOGSITE(SolunarG)』が選ばれた。
10.QuizKnock、オリラジ中田敦彦氏がオリジナルゲーム発表
謎解きやクイズを手掛ける東大発の知識集団QuizKnockが11月、オリジナルボードゲーム『VENN’S CODE(ベンズコード)』と『限界しりとりパーティー!』を発表。オリラジ中田敦彦氏が10月にオリジナルカードゲーム『ゼノ』を発表し、ボードゲーム愛好者以外からも注目を集めた。ボードゲーム愛好者の著名人はこれまでにも多く知られていたが、かつての糸井重里氏のように、制作に回る人も出ている。
ほかにも、「暴力団やマルチ商法への対抗策進む」「ゲームマーケットに小沢健二氏来訪」「無断リメイクやルール借用で議論」「アメリカ・テーブルトップ賞創設」「全世代向けゲネラツィオーネン・シュピール認証」「ドイツ・ボードゲーム評論の日開催」「ハニーカット氏、性的虐待で業界追放」「台風被害者にボードゲームを無償提供」「米ゲームコンベンションで日本ボードゲーム出品プロジェクト」「18XXシリーズの生みの親F.トレシャム氏逝去」「大阪でキッズゲームをテーマにしたボードゲームシンポ」「ゲームストア・バネスト20周年」などのニュースがあった。みなさんにとって、インパクトの大きかったニュースは何でしたか?
過去の十大ニュース:2010年|2011年|2012年|2013年|2014年|2015年|2016年|2017年|2018年
重量級ゲームの到達点『グルームヘイヴン』日本語版、1月23日発売
アークライトは1月23日、『グルームヘイヴン(Gloomhaven)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・I.チルドレス、イラスト・A.エリチェフ&J.T.マクドウェル&A.ネボット、1~4人用、14歳以上、30~120分、30,000円(税別)。
オリジナルはセファロフェアゲームズ(アメリカ)から2017年に発売された作品。ゴールデンギーク賞で大賞・協力・イノベーティブ・ソロ・ストラテジー・テーマチックの6部門に輝き、現在もボードゲームギークで『パンデミック・レガシーシーズン1』や『テラフォーミング・マーズ』を抑えて総合ランキング1位に君臨している。ドイツ語版はフォイヤーラント、フランス語版はアスモデから今年発売された。
そこは文明世界の果て。傭兵は気楽な稼業とはほど遠い。それでも彼らは冒険や富や名声を求めて、比較的安全なグルームヘイヴンから防壁を超え、闇深き野性の森、雪深き山の洞窟、そして永らく忘れられた地下聖堂へと、蛮勇を武器に赴いていく。だがどんな依頼だろうと前金は期待するな。諸君が無事戻ってくるなどとは、誰も信じていないのだから。
進化するファンタジー世界を舞台とする協力ゲームで、各プレイヤーは、百戦錬磨の傭兵となり、それぞれ固有の目的をもち、装備を購入し、レベルを上げながら一致団結して戦う。キャンペーン・シナリオは、各プレイヤーの行動に応じて分岐し、見つかる財宝や冒険者の引退、未来を左右する選択によって変わる。どのシナリオでも、高度に戦術的な決断が要求されるだろう。
ダイスを廃したスタイリッシュな戦闘システムを採用し、適切なタイミングで適切な能力を使えるかどうかが、勝敗の分かれ道。これまでに見たことのない大きさのボックスにびっしり詰まったコンポーネントで、ボードゲーム史に残る大作のエンディングを迎えることができるだろうか?
内容物:シナリオ冊子 1冊、カード 1600枚以上、キャンペーンボード 1枚、キャラクターボード 17枚、キャラクター封入箱 35箱 、キャラクター・コマ 18体、モンスターコマ 236体、モンスターデータシート 47枚、モンスターデータスリーブ 6枚、ルール説明書 1冊、街の記録帳 1冊、タイル 185枚、コマ立て 24個、元素ディスク 6個、元素注入ボード 1枚 、ラウンドマーカー 1個、トークン 295個、HP/XPダイヤル 4つ、記録用紙 18冊、封書 3セット、ステッカー・シート 4枚
(写真は英語版)
【業務連絡】『グルームヘイヴン』の一般発売が決定しました。2020/1/23(木)です。本日より直接お取引のある問屋さま小売店さまから受注を開始いたします。受注締切は12/27(金)正午です。緊急のご案内の為、Twitterで先にお知らせいたします。注文多数の場合は出荷数を調整いたします。
— アークライトゲームズ (@ArclightGames) December 24, 2019