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ニュルンベルク’20:ニュルンベルガー・シュピールカルテン出版

ニュルンベルク・シュピールヴァーレン(玩具)・メッセが1月29日から5日間に渡って行われる。ドイツ市場では、エッセン・シュピールと共にボードゲームの新作が発表される二大イベントとなっている。ここで発表される予定の新作を、出版社別に紹介しよう。
コンタクト(Contact)
ゲームデザイン・S.ベンドルフ、2~5人用、8歳以上、10分。
宇宙冒険をテーマにした協力ゲーム。内容もどこから来たかも分からない信号をもとに、ある惑星に向かう。そこで受信できるのは空間座標ではなく、宇宙船の飛行指示だけ。本当に目標とする惑星を見分けることはできるだろうか? そして到着したとき、何を発見するだろうか? 変更可能なセッティングと、新しい情報伝達方法によって、これまでにない協力ゲームの経験が楽しめる。
テーブル上に惑星チップをランダムに配置し、指示役のプレイヤーに今回の目標惑星がカードで指示される。指示役はテーブルに手を置き、テーブルからちょっと離して、再び手を置く。この離している時間が飛行時間ということになり、この時間をもとにほかのプレイヤーはどの惑星に向かっているかを推理する。直線でしか移動できないため、いくつかの惑星を経由することもある。当たれば次の惑星へ。外れれば燃料を失う。こうして燃料が切れる前に12の惑星をめぐることができれば全員の勝利となる。
間合いを見極める『ザ・マインド』に続く静かで熱い伝達ゲームだ。

ザ・ゲーム:クイック&イージー(The Game – Quick and Easy)
ゲームデザイン・S.ベンドルフ、2~5人用、8歳以上、10分。
カードを昇順・降順に置いて置ききることを目指す協力ゲームのシリーズ最新作。今度は1~10の数字しかなく、色が5色ある。順番に手札から1~2枚のカードを出し、手札が2枚になるように補充する。1つの場は10から降順、もう1つの場は1から昇順に出していかなければならないが、同じ色のカードは数字を無視して出すことができ、これで巻き戻すことができる。タイトルとは裏腹に、ゲームに勝つのは決して容易ではない。

ぼくたちロボット(Wir sind die Roboter)
ゲームデザイン・R.シュラウペ、2~6人用、5歳以上、15分。
ロボットがどこまで進んだかを、ブザー音で伝えるゲーム。1人のプレイヤーが、今回のロボットの速さと、目的地をカードで指示され、ブザー音を口で言ってスタートから頭の中でロボットを動かし、目的地に着いたら再びブザー音で知らせる。この2つのブザー音の間隔から、ほかのプレイヤーはどこまで進んだかを推理する。正解すればチップ3枚、隣なら2枚、2つ隣なら1枚を受け取り、11ラウンドで成績を競う。個人戦ルールもあり。

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ナンバーワンダフル(Number Wonderful)

55種目のミニゲームを収録し、何回連続で勝てるかを競うパーティーゲーム。『ドロッセルマイヤーさんのなぞなぞ気分』『同・法廷気分』に続く「ゆるゲー」シリーズ第3弾として、ゲームマーケット2019秋に発売された。
スタートプレイヤーが時計回りに次の挑戦者から挑戦を受ける。基本的に1対1のゲームで、勝利したらさらに次のプレイヤーの挑戦を受ける。勝ち続けている限りポイントが入るが、負けるとポイントは失われてしまう。その前に「引退」してチャンピオンを譲ることでポイントが確定する。カード裏には「パワー/スピード/テクニック/運/センス」など競技のジャンルが表示されているので、それを参考にして続けるか引退するか選ぶとよい。
今回盛り上がった/印象に残った競技は次の通り。

  • 全員が財布の小銭を数え、一番多い人が勝利。このキャッシュレスの世の中、1000円を超えた強者がいた。その方は、後のゲームで「どっちがお金持ちに見えるか」でも勝利。
  • 1枚の紙を時間内に手で破って一番長い人が勝利。多くはジグザグにちぎったが、最後にもう1列長かった人が勝利した。
  • 有名人のサインを書いて、それっぽい人が勝利。その直前に出た芸能人クイズで二宮和也さんが出てきたので、そのサインで対決。ひらがなはないでしょ!
  • 手相で特定の線の長さ対決。生命線とか比べると思ったよりもガチになる。
  • 嘘をついて、より本当っぽい人が勝利。嘘だとわかっているのに本当っぽいというのは意外と難しい。
  • 曲をスマホなどで流して、ほかの1人だけが知っていれば勝利。同じ趣味だと知っているメンバーがいるかどうかが分かれ目。

ポイントを競うという勝利条件はあるものの、ひとつひとつの競技を楽しむものなので、途中で入ってきても、途中で抜けてもあまり影響はないし、何か食べながらでも飲みながらでもかまわない。「くだらねー!(笑)」とかいいながら気が付けば8人で小1時間くらい遊んでいた。
ナンバーワンダフル
ゲームデザイン・渡辺範明/イラスト・大山功一
ドロッセルマイヤーズ(2019年)
3~人用、16歳以上、プレイ時間自由