ドクロは1つ、バラはたくさん、のはずが
昨年あれだけ人気を集めた作品を、年明けにようやく遊ぶことができた。ルールを読んだだけでは何が面白いのか分からないのに、遊んでみると驚くほど面白いブラフゲームというのは『ごきぶりポーカー』以来だ。さすが『世界の七不思議』を斥けてフランス年間ゲーム大賞に選ばれただけのことはある。
ブラフゲームといっても、面と向かってブラフ宣言をする場面はこのゲームでは出てこない。ゲーム中に誰かがさりげなく仕込んだドクロが、いつめくられるかハラハラドキドキするチキンレースである。勝つためには、ハッタリだけでなく勇気も試される。
まずは仕込みフェイズ。順番に各自、自分の前に丸いタイルを1枚ずつ出していく。タイルはドクロが1枚と、バラが数枚。どちらを出してもかまわない。すでにここから勝負は始まっている。
そのうち、全員が出したタイルから、ドクロをめくらずにバラを何枚めくれるかチャレンジする。枚数を競り上げて、ほかの人が降りたとき一番大きい数字を宣言した人がチャレンジ。
チャレンジする人は、まず自分のタイルを全てめくらなければならない。それから、宣言した枚数に達するまでほかの人のタイルをめくっていく。1枚1枚が緊張の連続。宣言した枚数だけバラをめくることができれば1勝。途中でドクロをめくってしまったら、タイルを1枚奪われてしまう。
めくる際、先ほど誰が何枚宣言したいたかが、大きなヒントになる。枚数を多く宣言していた人は、勝ちにいくためバラを出している可能性が高い。早々と降りた人はドクロを仕込んでいるのだろう……しかしこれは建前。ドクロを仕込んでおきながら、自信ありそうに枚数を多く宣言する人もいるかもしれない。きっとバラしか出していないだろうと思ってめくってみると、ドクロでしたー!とか。
ドクロを仕込んで他人をひっかけるのは快感だが、それだけでは自分はいつまでたっても勝てない。タイルが全部なくなった人は脱落で、先に2勝した人が勝利というのがルール。いつかはバラだけ出して、勝ちにいかなくてはいけない。序盤から攻めるか、他人のタイルを削って後半から攻めるか、プレイヤーの性格で展開がだいぶ変わる。
ぽちょむきんすたーさんがひたすらドクロを出し続け、ほかの人もそれに倣ってドクロをよく仕込むのでチャレンジしづらい雰囲気に。そんな中、hataさんが勇気あるバーンアウト(場のタイルを全部めくって成功させる)を達成しリーチ。しかしぽちょむきんすたーさんはまだ動かない。私は我慢しきれず勝負に出たが、読まれていた。連続ドクロで大ダメージ。最後の最後に勝つチャンスが回ってきたが、あと1枚上げる勇気がなく、ぽちょむきんすたーさんの優勝。
ドクロをめくってしまったときの盛り上がりは『ごきぶりポーカー』以上。ドキドキしながらめくって、あのドクロがドバーンと出てきたときのショックといったら、心臓の弱い方にはオススメできない。その分、宣言した枚数をめくりおおせたときの高揚感もすごいものがある。
Skull & Roses
H.マーリー/リュイ・メーム+アスモデ(2011年)
3〜6人用/10歳以上/30分
ショップ検索:髑髏と薔薇