マヤ(Maya)
広がる都市、つながる作物
『マヤ』というボードゲームは何タイトルもあり、有名どころではアイゼンシュタイン+アバクスシュピーレ版(2003年)がある。既存のタイトルとかぶらせてくるのは自信があるからだろうか。現代においてもピュアユーロを作り続けるイギリスのデザイナーコンビ作品。
自分の手番には手札から作物タイルをボード上に配置する。タイルは既存のタイルに隣接して置くことができ、同じ種類の作物なら何枚でも置ける。そして同じ種類でつながっている自分の色の作物の数だけ得点。
タイルを補充するには、手持ちの作物タイルを裏にして配置しなければならない。手持ちの選択肢が多いほうが得点しやすいが、選択肢を増やすにはタイルを1枚犠牲にしなければならないというジレンマ。
こうして裏にして置かれたタイルと、盤上のところどころにある神殿がつながったところが「都市」と呼ばれ、周囲が全部埋まるとエリアマジョリティの得点計算がある。その都市を囲む作物タイルの多い順に1位と2位に得点が入る。都市が広いほど得点も大きい。同じ作物タイルが、反対側の別の都市にも使えるところが深い。
作物タイルの連続による短期的な得点を見据えつつ、可変的な都市の中長期的なマジョリティ争いをする。その2つを軸にして、どこにタイルを置き、どこで補充するか考えるのはとても悩ましく面白い。さらに誰かがタイルを使い切ったらゲーム終了なので、終盤は他の人の動向も注意しておかなければならない。
短期的な得点と中長期的なマジョリティ争いのどちらにも効く「絶妙な一手」はゲーム中何回かある。その一手を打てたとき、他プレイヤーを唸らせたときが気持ち良いゲームである。同じ種類の作物なら何枚でも置けるというルールによってダイナミックになり、一気に形勢が変わるのもよい。
Maya
ホワイトゴブリンゲームズ(2019年)
2~4人用/8歳以上/30~45分
通販:ゲームストアバネスト
『オルレアン』5人プレイ用拡張、プロモタイルセット日本語版、12月9日発売
Engamesは12月9日、『オルレアン5人プレイ用拡張(Orléans: 5th Player Expansion)』と『オルレアンプロモタイルセット(Orléans: Promo Tiles Set)』を日本語版で発売する。ゲームデザイン・R.シュトックハウゼン、イラスト・K.フランツ、1~5人用、12才以上、90分、各1100円、2200円(税込)。
5人プレイ用拡張は、4人までだった『オルレアン』を5人でも遊べる内容物一式。予備の随行者タイルも含まれている。TMG社の5人プレイ用拡張に含まれていたシナリオボードは付属していない。
プロモタイルセットは「新しい場所タイル(Neue Ortskarten)」シリーズ1~5と、「プロモ場所タイルシリーズ(Promo Ortskarten)」シリーズ1~3で計24枚の場所タイルを同梱したもので、ワンパックで発売されるのは世界初となる。
『オルレアン』はフランス中部の都市オルレアンを舞台に、有力貴族となって街の発展に貢献することを目指すバッグビルドゲーム。2015年にアークライトから、2021年にEngamesから日本語版が発売されている。