メイフォローの攻撃的トリテ『シュティッヒルン』日本語版、2月上旬発売
数寄ゲームズは2月上旬、『シュティッヒルン(Sticheln)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:K.パレーシュ、イラスト:O.フロンデンライヒ、3~6人用、10歳以上、30分、1980円(税込)。1月23日より先行販売される。
オリジナルは1993年にアミーゴ社から発売されたトリックテイキングゲーム。国内では輸入版が流通し、ロングセラーとなってきた。今回の日本語版デザインは2012年のNSV版に基づく。
手札から1枚ずつ出して一番強いカードを出した人が総取りし、1枚1点。ただし最初に選んだ1枚の色については数字の分だけ失点になるというルールだが、何色を出してもよい(メイフォロー)と、最初に出した色でないほうが強いというひねりが最大の特徴。これによって壮絶な失点の押し付け合いが始まる。
失点を回避しつつ、得点を取れそうなところで思い切って取りに行く度胸も必要。失点を避けてカードを出すコツもあり、習得するほどによりシビアな戦いが楽しめる。また、現版にはない作者オリジナルのバリアントルールも付属する。
数寄ゲームズのトリックテイキングゲームシリーズは『知略悪略』『トランプ、トリックス、ゲーム!』『地下迷宮と5つの部族』『ブードゥープリンス』『乗り間違い』『パーラ』に続いて7タイトル目。ラインナップにまた名作が加わった。
シュティッヒルン(Sticheln / Palesch / NSV, 2012)
来月日本語版が出るメイフォローのトリックテイキング。最初に各自1枚カードを出した色はマイナス。下家のプレイヤーが失点になるカードをぶちこんでくるので、フォローしなくても良いがフォローしたほうがよいという微妙な立ち回りが求められる pic.twitter.com/kyrW1Qp0u7— Table Games in the World / ボードゲームニュース (@hourei) January 15, 2023
エカテリーナ2世(Katharina)
同時進行でサクサク国作り
このボードとカードを見れば、90分クラスのボードゲームと思うかもしれない。しかし一斉カード選択&プレイによって、30分程度という高速プレイが楽しめる。1761年にロシア皇后(ツァリーツァ)に即位したエカチェリーナ2世の参事官となって皇后に気に入られることを目指す。
最初に各自、3枚のカードを自分の前に並べてスタート。これが最初の「アクション列」となる。手札から1枚をカードを「アクション列」に加え、もう1枚を今回アクションをしたいカードの下にセットして一斉オープン。そのアクションを実行する。この時点では互いに干渉するものはないため、同時プレイでアクションを実行できる。
- 資源(アクション列にあるカードのアイコンと、ゲーム中に獲得したチップ)でカードを引く
- 資源で寵愛マーカー(王冠)のレベルを上げる
- 資源で勝利点を得る
- 指定された都市に建物を建てる
- さらに条件を満たせばボーナス
これを4回行って1ラウンド終了。アクション列にある大砲や本の数を他プレイヤーと比べてボーナスをもらい、建物や寵愛マーカーのレベルに応じた得点を受け取る。今回アクションをしたカードは捨て札になり、残った3枚から次のラウンドを始める。他プレイヤーとのインタラクションはここだけだが、ボーナスが大きいので、カードの選択ではお互いの状況をよく見ることになる。
3ラウンドでゲームが終了となり、最後に残った資源のセットコレクションや、盤面でつながっている自分の建物のボーナスを得て勝者を決める。
寵愛マーカーのレベルを上げると得点が増えるだけでなく、手札上限や、ゲーム終了時の建物連結ボーナスの倍数が上がる。このレベル上げが大事だが、それと同時に建物も建て、資源も集めなくてはならない。次第に必要なアクションが限られてくる上に、アクションを発動するには同じ色のカードが必要で、ほしいカードを引けるかどうかのドキドキポイントもある。そこに大砲と本の数の競争もあるので、スピーディながらカード選択は大いに悩む。
ボード上は現在のロシア、ウクライナ、バルト三国が共存しており(このゲームの発売は、ウクライナ侵攻の後である)、大砲の数比べはあっても戦争はおろか、陣取りすら起こらない。地域一帯への平和の祈りが感じられた。
Katharina: Die Städte der Zarin
ゲームデザイン:J.シュミッダウアー=ケーニヒ/イラスト:C.シュテファン&A.シュテファン
dlpゲームズ(2022年)
2~4人用/8歳以上/30~45分
ゲームストアバネスト:エカテリーナ2世:皇后の都