1万円超のボードゲームが増えている
ボードゲームの価格高騰を印象付けるものとして、1万円を超えるボードゲームの存在がある。8千円で高いと思われていたのはもう10年も前の話。今は輸入版・日本語版とも1万円を超えるボードゲームが珍しくなくなってきた。
当初は記念限定版だったものが、キックスターター発のミニチュア入りボードゲームが加わり、円安・コロナ禍・ロシアのウクライナ侵攻による原材料と運送費の高騰により、8千円ぐらいだったハイエンドのボードゲームが1万円を超えるようになった。
税込定価1万円を超える日本語版ボードゲームのタイトル数を調べてみると、2022年に急増していることが分かる。2023年も4半期が終わって2022年の半分くらいになっており、このままのペースならば過去最高になるだろう。この他に日本語版でない普通の輸入ゲームも1万円を超えるものが出てきた。
毎年20万円近くのボードゲームを購入しているコアな愛好者でも(ボードゲーム消費金額2022、平均は31万2千円)さすがにこの価格はためらう。今は金に糸目をつけない熱狂的なファンが買い支えているが、高価格傾向が続いて新作購入を諦める人が増えると、メーカーの在庫が圧迫され、ボードゲーム市場の縮小にもつながりかねない(ボードゲーム市場微減、活況のTCG市場と対照的)。
輸入代理店も、愛好者もゲームプレイ前の悩ましい日々が続く。
【2022年に発売(受注)された1万円超ボードゲーム(価格順)】
1.ネメシス ロックダウン 27500円
2.エクリプス 25300円
3.オース 22000円
4.アリーナ:ザ・コンテスト 19800円
5.コーヒートレーダーズ 16500円
6.スリーピングゴッズ 14000円
7.カーネギーDX 13250円
8.アンファゾマブル 13200円
8.タイム・オブ・エンパイア 13200円
10.フレイムクラフトDX 11990円
11.エイリアン・フロンティア 11880円
12.兵馬俑 11000円
12.ビヨンド・ザ・サン 11000円
14.マグレヴ・メトロ 10780円
14.オルトレー 10780円
14.美徳 10780円
17.マーチャンツコーヴ 10780円
【2023年に発売(受注)された1万円超ボードゲーム(価格順)】
1.ウェザーマシン 25850円
2.リスボア 22000円
3.マーベルゾンビーズX-メン・レジスタンス 18500円
4.アグリコラ15周年記念BOX 17600円
5.イーオンズ・エンド:レガシー 14080円
6.村の人生BIG BOX 13200円
7.リバイブ 11000円
7.モニュメンタル 11000円
私が分けてあなたが選ぶ『グレートスプリット』日本語版、4月下旬発売
ホビージャパンは4月下旬、『グレートスプリット:華麗なる分配(The Great Split)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:H.アック&L.シルヴァ、アートワーク:W.サンティアゴ、2~7人用、8歳以上、45分、7150円(税込)。
オリジナルはホリブルギルド(イタリア)から2022年に発売された作品。高級品コレクターたちが宝石、黄金、美術品、書物をコレクションするドラフトゲーム。「私が切って、あなたが選ぶ」メカニクスを同時プレイで多人数で遊べるようにした。
各自、手札を2グループに分け、どちらも財布に入れて左隣のプレイヤーに渡し、1グループだけ自分のところに戻してもらう。左隣から戻ってきたカードと、右隣から獲得したカードでプレイヤーボードのパラメータを上げ、ボーナスを獲得する。使ったカードを手札に戻し、新しいカードを加えて次のラウンドへ。6ラウンドでゲーム終了となる。
得点計算では、各パラメータの進度に応じて得点が入るが、カードに含まれる「記章」によって「契約」しなかったジャンルは無得点になってしまう。相手のコレクションをよく見てどの富を必要としているかを理解し、お互いにWin-Winになるような(そして自分が少しだけ得するぐらいの)分配をしよう。
内容物:プレイヤーボード 7枚、中央ボード 1枚、財布 7つ、トークン 14枚、人物タイル 7枚、木製駒 84個、ラウンドマーカー 1個、カード 78枚、ルールブック