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ビットイーン・ベット(Gamble 7: Between Bet)

ぴったりの快感
場に並んだカードの数字を見て、中間になるようチップを張るゲーム。今年のゲームマーケットでカワサキさんが発売したギャンブルゲーム集のひとつだ。『いい線行きまSHOW!』にも通じるところがあって面白い。
場に並ぶカードは7枚。このうち4枚は伏せられている。3枚のカードを見て、競りを行う。一番高い競り値をつけた人は、伏せられた4枚のうち2枚を見て、さらにチップを積み増してもよい。残りの人は、伏せられたカードを見ないまま、このチップを見て自分のチップを決める。そしてカードをオープン。
中間値の決め方がクレバーだ。まず一番数字の小さいカードと大きいカードを1枚ずつ落として5枚にする。そして小さいほうから2枚の合計を最小値、大きいほうから2枚の合計を最大値とする。この間が中間値で、賭けたチップの数が収まっていれば2倍、その中で最大ならば3倍の配当を得る。それ以外は、賭けすぎても賭けなさすぎてもダメ。
数字は1〜7があり、たいてい1や7は落とされるから最小値は(2と3で)5くらい、最大値は(5と6で)11くらいになるはずだが、同じ数字が入っている上に偏ることもあるのでこの限りではない。さらに「0」と「00」のカードが入っていると、最大値も最小値も2枚ではなく3枚の合計となり、中間値は上方修正される。
したがって最初に伏せられた2枚を見るのは非常に重要だし、見られなかった人は、見た人が賭けたチップの数が大きな手がかりとなる。より多くのチップを賭けて3倍を狙うか、少し下げて安全にいくか悩みどころだ。
「0」が入っている場で10〜13という狭い中間値を制して調子付いたかに思われたが、後半は1差で外すなど調子が狂って負け。よく練りこまれたゲームで、推理と度胸が試された。
賭博英雄伝セブン
川崎晋/カワサキファクトリー(2009年)
3〜5人用/9歳以上/15〜180分

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考古学カードゲーム(Archeology)

山師泣かせの砂嵐と泥棒
エジプトのお宝を集めて博物館に売りつけるカードゲーム。オーストラリアゲーム賞を受賞した作品を、アメリカのズィーマンゲームズが版権を取って出版した。ズィーマンゲームズはほかにも東欧や日本のゲームなど、非ドイツゲームの発掘に力を入れている。
このゲームも、遊んでみると非ドイツゲーム色が濃いことが分かる。山札からカードを引いて場札と交換し、同じ種類の宝物を集めれば集めるほど得点が高くなるという骨格はドイツゲーム風。しかしこの営みをスリルあふれるものにする仕掛けがある。
山札から出てくる泥棒と砂嵐、そして地図カードがそれだ。泥棒カードを引いた人は、好きな人からカードを1枚抜き取れる。砂嵐は全員手札が半減。これらのカードがたくさん入っているために、地道に集めるという戦略が成り立たない。なくなる前に出したいが、セットができないうちに出せば得点が低いというジレンマ。
一方、地図カードを山札から引いてきたらしめたもの。ピラミッドの発掘で大量の宝物カードが手に入る。砂嵐で半減したところに泥棒に奪われて涙目になっているところに、突然やってくる大量のお宝。山と谷の高低差が激しい。
ピラミッドの最後のお宝は一気に7枚も手に入るが、地図カードも3枚集めなければならない。手札が2枚引いては1枚なくなるくらいのどうしようもないペースだったが、最後に放出された地図カードで3枚集めて最下位脱出に成功。
考古学の希望絶望を手軽に味わえるゲームである。
Archeology
P.ハーディング/ズィーマンゲームズ(2009年)
2〜4用/8歳以上/20〜30分