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名作交渉ゲームをリメイク『ウォーターフォールパーク』日本語版、10月上旬発売

waterfallparkJホビージャパンは10月上旬、『ウォーターフォールパーク(Waterfall Park)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:K.ハルトヴィヒ、イラスト:U.ラヴァーズ、3~5人用、10歳以上、45分、7700円(税込)。

ルポ・プロドゥクシオン(ベルギー)の今秋の新作は、名作交渉ゲーム『チャイナタウン』(1999年)のリメイクだ。建設業者となって海に浮かぶまっさらな遊園地にアトラクションを建設・拡充していく。

ゲームは同時に進行し、準備、交換、建設、収入の4つのフェイズを行う。準備フェイズでは引いたカードから選んだ場所を確保し、交換フェイズではアトラクションタイルを引いて交渉を行い、成立すれば交換する。建設フェイズでは自分のアトラクションタイルを自分の所有している空き場所に置き、規定の枚数隣接すると完成。収入フェイズでは建設済みのすべてのアトラクションから収入を得る。

4ラウンドで最も多くコインを集めたプレイヤーが勝利。自由度の高い交渉がこのゲームのメインで、場所、アトラクション、コインを自由に組み合わせられる上に、将来の約束(守らなくてもよい)も可能。他のプレイヤーが欲しがる物件をいかに高く買い取ってもらうか、あるいはお互い出費を抑えてWin-Winな取引ができるかが勝敗を分ける。

インタラクション濃厚な交渉ゲームを、一新したアートワーク・テーマで楽しもう。

内容物:ボード1枚、カード78枚 、タイル72枚、マーカー1枚、プレイヤーエイド1枚、土台120個、コイン100枚、ルールブック1冊

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オープン(Open)

読めそうで読めないドラマ

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『ラマ』『スカウト』『ナナトリドリ』など、ゴーアウト系のカードゲームは盛り上がるものだが、大富豪(大貧民)との差分は重視したいところだ。『ヘイヨー』『トリックと怪人』の作者によるゴーアウト系で、ゲームマーケット新作評価アンケート評価数最多・評価平均9位の実力やいかに。

まずは手札公開。タイトルが示す通り、手札6枚のうち4枚(配られたままなので自分で選べない)が公開という状態ゲームを始める。手札の3分の2、カウンティングすればそれ以上がわかるため、中盤以降はアブストラクト風味が強くなる。どのカードから始めるか、どのカードで受けるか、あるいはパスするか、最善手がわかってくる。先にカードをなくした人から得点が入る。

次に1位予想。手札の強弱もまるわかりなので、最初に誰が勝つか(最後まで残るか)を予想し、当たっていれば自分が勝てなくても得点できるようになっている。とはいえ最初は見えない手札もあり、またこの予想によって他プレイヤーのカードの出し方も変わる(勝たせたいプレイヤーをアシストする)可能性もあるため、不確定要素が高い。得点は当てた人数が少ないほど高い。

絶妙なのはカード構成。全体でたった26枚しかないが、赤黒2色あり、色・数字によって枚数が異なる。これで数字の強さに傾斜がつけられ、見通しを良くするとともに、確率の低い勝ち方でドラマを生み出す。

ただ盛り上がるだけでも楽しいのだが、上記のような工夫が凝らされ、考えどころあり、駆け引きありの面白いゲームとなっている。

Open
ゲームデザイン:斎藤隆/イラスト:QURAGE
BrainBrainGames(2022年)
2~4人用/8歳以上/15分