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ポンテ ヴェッキオ(Ponte Vecchio)

高くふっかけるべきお
ポンテ・ヴェッキオ
イタリア・フィレンツェにあるヴェッキオ橋には、橋の上に宝飾店が建ち並ぶ。ここにお店を出し、通りかかったお金持ちに立ち寄ってもらって、お金を儲けるゲーム。デザイナー、メーカーともにイタリアである。この橋への思い入れの強さからか、橋もお店も立体の造形である。
さて、始めはみんな1軒ずつしかお店を持っていない。毎ラウンドお店の建設と、金持ちの移動を交互に行う。まず競りをして勝った人が、その分のお金を払って店を建てる。それからカードで入札して、一番安いカードを出した人が、金持ちを移動する。金持ちが止まったところにあるお店は、移動した人が出したカードだけ収入を得る。使ったカードは捨て札にして、また競りで建設、入札で移動。これを橋が店で埋め尽くされるまで繰り返す。
金持ちは前に向かって何マスでも移動できる。全部の店をスキップして端から端へと駆け抜けてしまってもよい。もちろん、移動する人が自分の店の前に止めるわけだ。
この移動にはちょっとしたパターンがあって、橋の3分の1の両端まで来ると、移動した人は向きを変えてもよいというルールがある。向きを変えないと、端のほうにある店はチャンス。でも向きを変えれば、端のほうにある店は立ち寄ってもらえない。こうして中央の店はいつも立ち寄ってもらいやすく、端にいくほど一か八かになる。
それにマスの両側に店を建てられるので、誰と相乗りするかも重要。このように店を建てる場所はよく考えないといけない。
金持ちを移動する権利は、交渉してほかの人に売ることができる。高額な入札をした人は、移動できればその額の収入が入るから、高く買ってくれる。相乗りしているとおこぼれをもらえることも。お店の並びを見て、金持ちがどこに止まりそうか考え、自他共にほどほどに儲かるよう金額を決める。もっとも、裏切って別のお店に止まるかもしれないが。
5人でプレイ。お店の競りが高止まりしていて買うことができないまま終盤へ。その代わりバッティングの読みが冴え、権利を売って収入を得ることができた。対照的にお金を費やしてがんがんお店を建てたますみさん。途中で大金を手にし、それを元手にさらにお店を建てる。相乗りしまくりで、誰が収入を得ても手に入るような状況である。最後にダメ押しの収入でダントツ1位。おこぼればかりの私だったが、お店を建てるのにお金を使わなかった分で2位。
お金がオープンなので、足元を見まくった競りや交渉が濃密である。シンプルな流れだが、お店が1軒増えるたびに考えることも増えて、重量級のゲーム感があった。
Ponte Vecchio
S.アルベルタレッリ/egシュピーレ(1996年)
3〜5人用/12歳以上/90分
(絶版・入手難)
これが本物のヴェッキオ橋(Wikipediaより)。紀元前、エトルリア人の時代からあったと言われる。現在の橋は1345年に再建されたもので、それでももう600年以上経っている。
ポンテ・ヴェッキオ

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平日ゲーム会

ぽちょむきんすたーさんが10年に1度のリフレッシュ休暇という絶好の機会を見つけ、至急アレンジして自宅ゲーム会を開催。しかもお泊りつき。鴉さんもお招きし、家事や育児で何度も中断しつつも、いつもはできない長時間ゲームを3人でじっくり遊んだ。
遊んだゲームは以下の通り。少しずつレポートする予定。今回はすぐそばにパソコンがあったので、ツイッターで始まりと終わりをつぶやいたところ、インスト時間とプレイ時間が分かってよかった。
ゴッズ・プレイグランド(God’s Playground)[PG]
M.ワレスが昨秋に発表した新作は、四方からロシア・プロシア・トルコなどに蝕まれるポーランドを舞台にした3人専用ゲーム。協力しないと外敵は撃退できない、でも協力しすぎると相手を利することになってしまうという難しい舵取りを迫られた。それでいて戦闘の解決はダイスと清々しい。150分。
キクラデス(Cyclades)[BGG]
ギリシャ神話を舞台に神々に捧げ物をして、島にメトロポリスを作るゲーム。一昨年『ジャイアンツ』を出したマタゴーの注目の新作である。捧げ物の競りはトコロテン方式。17種類あるクリーチャーの能力を使いこなせるかがカギ。メトロポリスは建設するだけでなく、ほかの人が作ったのを占領することもできるので、奪ったり奪われたり。90分。
三頭政治の終焉(Das Ende des Triumvirats)[PG]
『アグリコラ』でブレイクする前のルックアウトゲームズの3人専用ゲーム。カエサル、クラッスス、ポンペイウスが3つの勝利条件のいずれかをめざして争う。どの勝利条件も一筋縄ではいかず、特に軍隊の勝利条件は一番難しいと思っていたらぽちょむきんすたーさんが中盤であっさり達成して勝利。迂闊であった。30分。
タク・タク・タクシー(Tuk Tuk Taxi)[BGG]
交通標識をあちこちに置いて妨害しまくるフィンランドのレースゲーム。通行禁止とか、一方通行とか、ネズミ捕りとか、新しい標識で上書きとか、もうハチャメチャで大笑い。相手の妨害でふさいだ道を、あとあと自分が通らなければならなくなったりして泣く。45分。
スルーザエイジ(Through the Ages)[PG]
評判は高いのに日本ではほとんど遊ばれていない本格的なボードゲーム。何しろ紀元前から現代までの文明の発展を描くのだから壮大この上ない。アクションポイントを使って13枚の場札から選んで取り、その効果でパラメータを上げるというのが基本システム。毎手番考えることがすごく多いのに、戦争とか競りとかあるものだからダウンタイムは長くない。これは傑作。日本語版を強く希望。240分。
よく3人だと遊ぶゲームが少ないというが、そんなことはない。3人専用のゲームもあるし、4人と比べてすぐ手番が来るからだれにくく、ほかの人の動向が読めるから戦略を練りやすい。3人で遊んでみることをオススメしたい。