Posted in シュピール23

シュピール’23:3日目にプレイした新作/エッセンのボードゲームショップ

土曜日は会場の混雑を避けてホテルのロビーに集まってボードゲームを遊んだ。ホテルのロビーはこの時期、多くのボードゲーマーが夜遅くまで買ったばかりのボードゲームを楽しんでいる姿が見られるが、昼間に会場を歩き回った上に夜も遊ぶのは、時差ボケも手伝って体力的にきつい(ドイツでの午後8時は、日本時間で午前3時にあたる)。

その点、昼間に会場に行くのをパスしてホテルで遊ぶと、移動・卓待ち時間もなく、ほとんど人もいないので集中できる。ドイツでそんなことをしているのは勿体ないという人もいるかもしれないが、だらだらおしゃべりしながら、英文ルールを読んで、あーでもないこーでもない言いながらのんびり遊べる楽しさは、ドイツにいるからこそ非日常感がある。

5つの塔(5 Towers / K.ラップ / ディーププリントゲームズ)
場にカードを5枚並べて、その中から何枚取るか1周競りを行い、一番多い枚数をビッドした人が引き取る。引き取ったカードは全部自分の前に置かなければならない。5色の塔は『ケルト』方式で降順に置くルール。山札がなくなったら塔の大きさで得点を競う。

カードの出方は運だが、どこまで大きい数字のカードを待ち、どこから小さい数字にしていくかの駆け引きがあり、早く建てすぎても、遅く建てすぎてもいけない。他の人に取られないように1枚多くビッドすることもあり、その余計な1枚をどう処分するかも悩ましい。

5towers
5つの塔

ザ・グレード(The Glade / R.ブリーズ / R&Dゲームズ)
8枚のタイルからセットを作ってマイボードに配置。タイルには動物・葉・実がそれぞれ4種類異なる組み合わせで描かれており、「1つ以上共通し、あとは全部異なる」ものがセットになる。3枚セットができると、4枚セットができるのに必要な残り1枚が手配中となり、そのタイルを中央の表にキノコを置いてマークする。マークしたタイルがあったら(引いたら)、出してキノコをもらえる。マイボードではクロスワードのようにタイルのセットを並べていき、囲みを作ってそこにもらったキノコを置くと得点アップ。

どのタイルがセットになるかわかりにくくて手こずるが、慣れてくると戦略的な配置ができるようになる。

theglade
ザ・グレード

スコア5(Score 5 / ? / ブルーオレンジゲームズ)
場のカードに対し、手札から何枚でも出して一斉公開競りで獲得。2位以下の人は競り落とした人が出したカードをもらえる。場のカードはどんどんインフレするが、最終的に1色につき1枚しか得点できないため、欲しい色のカードがプレイヤーによって異なってくる。

1位は手札を失うので、2位をうまく取って手札を温存しつつ、ここぞというところで競り落とせるかがカギ。

score5
スコア5

告発!(Accuse! / R.タータ / ラ・マムゲームズ)
犯人・凶器・犯行現場のカードから1枚ずつ抜かれているものを当てる推理ゲーム。他のカードは全員に配られ(余りは場にオープン)、1枚ずつ対応する場所にプレイして消去法で絞り込んでいくが、『クー』のように全部裏にして出していくところがポイントで、嘘をついてもよい(バレると1枚渡さなければならない)。特定できたと思ったら宣言。外れると他のプレイヤーは「何枚オープンしたら当てられるか」をビッドして少ない順に当てに行く。

手札の中には「トラップ」が1枚ずつあり、誰が嘘をついていないか見破るのはほぼ不可能だが、前の人の宣言と、その前までに置いたカードがヒントになる。

accuse
告発

エッセンにしばらく来ないうちにボードゲーム専門店ができていたというので見に行ってみた。

ブレットシュピールラガー(ボードゲーム倉庫)は、同じゲームを山積みにして安売りしているという今までに見たことがないタイプのボードゲームショップ。今年8月にオープンしたばかりである。「2個買ったら1個無料」など、まとめ買いの業者向け量販店という感じで、種類は少なめで定番が置いてあるというわけでもない。見たことがないゲーム、話題にならずに売れ残ったゲームを再発見しようという方向き。

場所は地下鉄・トラムの集まる「ベルリナー・プラッツ」駅(中央駅から地下鉄2駅)を降りて、巨大ショッピングモール「カールシュタット」を抜けて旧市街に入ったところにある。

https://brettspiel-lager.de/

SONY DSC
ブレットシュピールラガー
brettspiellager2
ブレットシュピールラガー店内

ホワイトラビットはTCG・ミニチュアゲーム・TRPGも扱うボードゲームショップで2019年オープン。品揃えはよく、今秋の新作(会場でも買えるけれども)から、ラセルダの大箱まで幅広く揃えている。プレイスペースがあり、平日夜にはボードゲームイベントもあり。

場所はこちらも「ベルリナープラッツ」駅から北に徒歩7分、イケアの駐車場入口の先にある。
https://www.whiterabbit-cgs.de/

SONY DSC
ホワイトラビット
whiterabbit2
ホワイトラビット店内
Posted in シュピール23

シュピール’23:2日目にプレイした新作/中古ブース

2日目は木曜日よりも会場が混んでおり、空き卓を待つのも時間がかかる。他にもハバの現状を伺ったり、デザイナーのサイン会に行ったり、「暮しとボードゲーム」のツイキャスに出演したりして遊べたゲームは少なかった。

湿原/モールランド(Moorland / S.ボーゲン / ディーププリントゲームズ)
カードと植物をボード上に配置し、湿原に豊かな植生と動物を増やす。手番にはカードを場から1枚取り、今回のラウンドで指定された植物を1種類ボード上に配置する。カードの条件に合う植物の組み合わせができたらカードを配置。そこにあった植物は得点になるものを除いて川沿いに他のマスに流れていき、そこにまた新しいカードを置いていく。

インタラクションはカードドラフト「取られた~!」と、最後に「アメンボ」の数を競うぐらいで、各自が戦略的パズルに取り組む。

SONY DSC
湿原

サンライズレーン(Sunrise Lane / R.クニツィア / ホリブルギルド)
ボードのスペースと同じ色のカードを出して、自分の建物を配置すると得点。つながっているマスの色を出せれば、連続して建物を配置できるほか、同じ色を揃えれば建物を積み上げることもできる。最後に街区によって高さと広さのマジョリティ。

高得点のマスに高い建物を建てようとして、手番に建物を配置せず2枚補充を選ぶと、狙っていた場所を先に取られるかもしれない。貯めて一気に建てるか、小刻みに広げるかのジレンマ。

SONY DSC
サンライズレーン

完熟の島(Reif für die Insel / R.クニツィア / ツォッホ)
人数分のバナナを袋から引いて並べ、その下にカードを置いてところてん式オークション。バナナは熟れ方によって得点になるラウンドが異なり、最初から腐った黒バナナや、同じ色のバナナを食べてしまうオウムもいて、それはみんな取りたくないので競りが熱くなる。また雷雲が出ると、オークションは一斉公開になる。

カードは10枚で、競りは計15回。0のカード以外は使い切りで、それ以外のカードは最後まで残せば得点になるため、どこまで温存しておくかも試されるのが苦しくも楽しい。

SONY DSC
完熟の島

光の大群(Schwarmlichter / C.E.ランツァヴェッキア / ハバ)
4個のダイスで指示された魚がちょうどになるように、同時プレイでカードを組み合わせて取る。できたと思ったらストップをかけて、過不足した分が失点となり、合計失点の少ない人が勝つ。ストップを掛けて揃っていないとペナルティ。

一度取ったカードを返すことができず、辻褄をあわせるのが大変。

SONY DSC
光の大群

ショーダウン(Showdown / B.シュヴェア / ハバ)
プレーリードッグの西部劇ゲーム。プレイしたカードのアイコンにより、ダイスを振ってお金を稼いだり、他のプレイヤーから奪ったり、コマを移動して金庫から盗んだりする。保安官が展望台に来たとき、岩陰に隠れていないとお金を没収されるが、そのときヒゲかサングラスをもっていると没収されない。

スペインの代理店の方がいらして、このゲームが子どもたちにとても評判がいいと褒めちぎっていた。

SONY DSC
ショーダウン

エッセン・シュピールの醍醐味である中古ゲームショップは2件しか見つけることができなかったが、なかなかいいものを安価に取り扱っていた。ゴルトジーバーの名作『ピーナッツ』、おはじきゲーム『カラバンデ』の拡張、電動のゴキブリを使ったシリーズ『ゴキブリループ』『ゴキブリ城』をゲット。

SONY DSC
中古ショップ

中古ショップの減少と関係あるかもしれないのが、ユーザー同士の中古交換会である。予め連絡を取り合っておき、空きホールに集まって札をかかげてお互いを探し、見つかったら交換するというシステム。お金のやり取りがあるのかわからないが、安価に入手できるのは間違いない。

SONY DSC
中古交換会

ディーププリントゲームズで行われたS.ドラとR.ツァリンデのサイン会に行き、2人とファントークしてきた。ドラと会ったのは初めてだったが、シュピールには毎年来ているという。「あなたのゲームはほとんど持っています」というと「『パシャ』は?」と聞かれ、「あれはコンテナがロストして200個しか世の中にないんです」という。

SONY DSC
ドラ&ツァリンデ