モーツァルトの遺作を完成『ラクリモーサ』日本語版、7月25日発売
CMONジャパンは7月25日、『ラクリモーサ(Lacrimosa)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:G.アセンシ&F.レナリアス、イラスト:J.ブランド&E.コロミナス、1~4人用、14歳以上、90分、11000円(税込)。
『種の起源ボードゲーム』のデザイナーコンビがデヴィル社(スペイン)から2022年に発表した作品で、ゴールデンギーク賞の中量級ゲーム大賞にノミネートされた。35歳で他界したモーツァルトが未完で遺した『レクイエム(鎮魂歌)』を、パトロンたちが有能な作曲家に依頼して完成させる。タイトルは『レクイエム』第8曲「涙の日」のことで、最初の8小節でモーツァルトが絶筆し、その後は別の作曲家が補筆したことが知られている。
ゲームはカードプレイで進行する。カードは上下に分かれており、手番には2枚をプレイヤーボードのスロットに差し込み、1枚はアクションとして、もう1枚はリソースとして使う。アクションはモーツァルトの生前に遡り、楽曲を購入してヨーロッパ各地の演奏旅行で収入を得る部分と、死後に『レクイエム』の未完部分を後継者に作曲させる部分がある。ゲームボードの譜面上では楽章ごとに2人の作曲家による陣取りが繰り広げられており、どの作曲家を後援するかで勝利点が変わってくる。
プレイするカードは新たに購入して既存のものと置き換え、アクションやリソースを強化することができる。リソースとお金を最大限活用して、優れた作品を後世に残すのに最も貢献したパトロンとなるのは誰か?
内容物:ルールブック 1冊、メインボード 1枚、個人ボード 4枚、早見表タイル 4枚、スタートプレイヤーマーカー 1個、勝利点マーカー 4個、1ドゥカートコイン 20枚、5ドゥカートコイン 10枚、物語点コマ 45個、モーツァルトの旅コマ 1個、中立レクイエムマーカー 4個、コンスタンツェカード 5枚、コンスタンツェカウンター 10個、開始時カード 40枚、作曲家の肖像画タイル 4枚、プレイヤー用コマ 48個、ソリストカード 11枚、作曲家タイル 60枚、都市タイル 15枚、思い出カード 34枚、、作品カード 46枚、ピリオドボーナスタイル 15枚、宮廷タイル 16枚
書籍『ゲーム理論の〈裏口〉入門 ボードゲームで学ぶ戦略的思考法』6月1日発売
講談社は6月1日、書籍『ゲーム理論の〈裏口〉入門 ボードゲームで学ぶ戦略的思考法』を発売した。著:野田俊也、B6判208ページ、1980円(税込)。
東京大学講師を務める経済学者による、ボードゲームのプレイ体験を軸としてゲーム理論を学ぶ入門書。第1章「パズル」を極める:1人プレイゲーム、第2章 じゃんけんの均衡を探す:同時手番ゲーム、第3章 詰将棋を攻略する:完全情報の動学ゲーム、第4章 ポーカーを解体する:不完備情報ゲーム、第5章 ボードゲームをゲーム理論で攻略する、第6章 ボードゲームで社会をハックするという章立てで、『カタン』、『インカの黄金』、『コリドール』、『カルカソンヌ』、『キャントストップ』などを例に解説する。
どうして賭け金はゲームをおもしろくする?、「ブラフ」の隠れた効果とは?、ゲームの必勝法はどう求める?、相手の手札はどう読めばいい?、このゲームは相手と協力すべきか相手を裏切るべきか?など、ボードゲームをより楽しむヒントも。
抽象的で面白みのないゲーム理論を具体的なボードゲームに落とし込み、ボードゲームのプレイだけでなく実社会・実生活上の戦略的思考の応用まで視野に入れた意欲的な論考だ。