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ニュルンベルク’12新作情報:アバクスシュピーレ

ドイツゲームの今年1年の動向が明らかになるニュルンベルク国際玩具見本市が、2月1日(水)から6日間にわたって行われます。
このページでは、新作情報を各メーカーのウェブサイト、ニュースサイトから翻訳し、どのような新作が出るかを見ていきたいと思います。日本に比較的入りやすく、よく知られているメーカーを中心に紹介しています。ゲーム名は直訳で、後で輸入販売されるときには別になるかもしれません。
アフリカーナアフリカーナ(Africana)
M.シャハト作、2〜4人用、8歳以上、60分。
アフリカを探検して、いろいろな目的地に早く着くことをめざします。お金を稼ぎ、冒険カードを購入して、貴重な古美術品を手に入れましょう。
『ヴァルドラ』で用いられた、本をめくるようにしてカードを選ぶシステムが使われていますが、『ヴァルドラ』よりもスピーディーな展開が楽しめるファミリーゲームです。

ズーロレットダイスズーロレットダイス(Zooloretto Würfelspiel)
M.シャハト作、2〜4人用、7歳以上、15分。
年間ゲーム大賞作『ズーロレット』のシステムで手軽に遊べるダイスゲームです。自分の番にはサイコロを2個振ってトラックに振り分けるか、トラック1つに積まれているダイスを全部取ってスコアシートに記入します。スコアシートはワニ1頭からライオン5頭まで5種類の動物を書き入れるようになっていて、そこにちょうどよく入るようにダイスを選ばなければなりません。はみ出してしまった動物は失点になりますが、コインを集めれば失点を回避できます。

小さなフォトサファリ小さなフォトサファリ(Kleine Fotosafari)
T.トリミネック作、2〜4人用、6歳以上。
動物カードの並びを入れ替えて、手持ちの写真カードに合うパターンを作る子供向けのカードゲームです。となりあう動物を交換したり、山札と入れ替えたりして場の動物を並べ替えます。配られた写真カードに指示された3匹が並んでいたら達成です。3匹の写真カードを全て達成したら、4匹の写真カード、5匹の写真カードへと進み、最初に5匹の写真カードを終えた人の勝ちです。

アンノドミニ・サッカー(Anno Domini Fußball)
U.ホシュテトラー作、2〜8人用。
史実を年代順に並べるカードゲームシリーズにサッカーが登場しました。

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髑髏と薔薇(Skull & Roses)

ドクロは1つ、バラはたくさん、のはずが
昨年あれだけ人気を集めた作品を、年明けにようやく遊ぶことができた。ルールを読んだだけでは何が面白いのか分からないのに、遊んでみると驚くほど面白いブラフゲームというのは『ごきぶりポーカー』以来だ。さすが『世界の七不思議』を斥けてフランス年間ゲーム大賞に選ばれただけのことはある。
ブラフゲームといっても、面と向かってブラフ宣言をする場面はこのゲームでは出てこない。ゲーム中に誰かがさりげなく仕込んだドクロが、いつめくられるかハラハラドキドキするチキンレースである。勝つためには、ハッタリだけでなく勇気も試される。
髑髏と薔薇
まずは仕込みフェイズ。順番に各自、自分の前に丸いタイルを1枚ずつ出していく。タイルはドクロが1枚と、バラが数枚。どちらを出してもかまわない。すでにここから勝負は始まっている。
そのうち、全員が出したタイルから、ドクロをめくらずにバラを何枚めくれるかチャレンジする。枚数を競り上げて、ほかの人が降りたとき一番大きい数字を宣言した人がチャレンジ。
チャレンジする人は、まず自分のタイルを全てめくらなければならない。それから、宣言した枚数に達するまでほかの人のタイルをめくっていく。1枚1枚が緊張の連続。宣言した枚数だけバラをめくることができれば1勝。途中でドクロをめくってしまったら、タイルを1枚奪われてしまう。
めくる際、先ほど誰が何枚宣言したいたかが、大きなヒントになる。枚数を多く宣言していた人は、勝ちにいくためバラを出している可能性が高い。早々と降りた人はドクロを仕込んでいるのだろう……しかしこれは建前。ドクロを仕込んでおきながら、自信ありそうに枚数を多く宣言する人もいるかもしれない。きっとバラしか出していないだろうと思ってめくってみると、ドクロでしたー!とか。
ドクロを仕込んで他人をひっかけるのは快感だが、それだけでは自分はいつまでたっても勝てない。タイルが全部なくなった人は脱落で、先に2勝した人が勝利というのがルール。いつかはバラだけ出して、勝ちにいかなくてはいけない。序盤から攻めるか、他人のタイルを削って後半から攻めるか、プレイヤーの性格で展開がだいぶ変わる。
ぽちょむきんすたーさんがひたすらドクロを出し続け、ほかの人もそれに倣ってドクロをよく仕込むのでチャレンジしづらい雰囲気に。そんな中、hataさんが勇気あるバーンアウト(場のタイルを全部めくって成功させる)を達成しリーチ。しかしぽちょむきんすたーさんはまだ動かない。私は我慢しきれず勝負に出たが、読まれていた。連続ドクロで大ダメージ。最後の最後に勝つチャンスが回ってきたが、あと1枚上げる勇気がなく、ぽちょむきんすたーさんの優勝。
ドクロをめくってしまったときの盛り上がりは『ごきぶりポーカー』以上。ドキドキしながらめくって、あのドクロがドバーンと出てきたときのショックといったら、心臓の弱い方にはオススメできない。その分、宣言した枚数をめくりおおせたときの高揚感もすごいものがある。
Skull & Roses
H.マーリー/リュイ・メーム+アスモデ(2011年)
3〜6人用/10歳以上/30分
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