ドイツ年間キッズゲーム大賞に『フビを捕まえろ!』
ドイツ年間ゲーム大賞選考委員会は11日、ハンブルクにてキッズゲーム大賞の発表と授賞式を行った。先月21日に発表されていた3タイトルから『フビを捕まえろ!(Schnappt Hubi!)※』が大賞に選ばれた。
受賞したデザイナーのS.ボーゲン氏。©Spiel des Jahres e.V.
『フビを捕まえろ!』は迷路の中で、目に見えない幽霊のフビを探し出す協力ゲーム。手がかりは付属の電子コンパスが指示してくれる。対象年齢は5歳からだが、電子コンパスがドイツ語でしゃべるので外国人には遊ぶのが難しい。電子機器のついたゲームが受賞するのは、同じラベンスバーガー社による『誰だったでしょう?』(2008年)に続き4年ぶり2回目となる。
本賞とエキスパートゲーム賞の発表と授賞式は7月9日、ベルリンで行われる。
・Spiel des Jahres:”Schnappt Hubi!” ist das Kinderspiel des Jahres 2012
※先日のニュースでは『取ってフビ』と翻訳していましたが、ゲーム内容にしたがって変更しました。
ハイク(Hyke)
和風ディクシット
『スタンプス』『アダムとイブ』と話題作を制作しているドロッセルマイヤーズ(東京・中野)が今年のゲームマーケットから発売した多人数コミュニケーションゲーム。五七五の句でお題を当てるという、国産ならではのゲーム内容となっている。
はじめに配られるのがお題用紙数枚。ここに好きなお題と名前を書き、折り曲げて箱に入れる。混ぜてから引き、そのお題で一句。「このメンツ ぼくもあなたも 伊達じゃない」(くさのまさん・答え:メガネ(ドラッグすると見られます))
ほかの人も同時進行で句を作っているが、誰かが「ハイク!」といって手をあげたら一旦中断して句を詠み、お題を当てる。順番は関係なく、思いついた順。お題はいったい何だろう?と頭をひねる。
いきなり1人目が当てると、当てた人に1点。句を作った人は0点。2人目が当てると、当てた人・句を作った人・お題を作った人みんなに2点。3人目も以下同様。一番いいのは最後の人が当てた場合で、8人で遊んでいれば8点にもなる。したがって、あからさまな句でも、意味不明な句でもいけない。メンバーを見て、どこまでぼかすか考えるのは句心を大いに刺激される。
当て終わったらまたそれぞれの句を読む。句を発表した人も、次のお題カードを引いてまた読む。どんどん作って、どんどん詠もう。
お題カードがなくなったらゲーム終了。最後に完成した句を並べて、気に入った句に投票する。これも得点になり、合計得点の多い人が勝ち。
学生の頃、メモ用紙を折り曲げながら、一つ前の上の句だけを見て下の句をつなげていくというゲームを飲み会で遊んだことがあった。この経験が生きたのかすらすらと句が出てくる。大事なのは、形式とか季語とか考えないこと。それでもなかなか句ができなくてお地蔵さんになってしまう人もいた(自分で作れなくても、当てまくれば勝つチャンスはある)。
「あたたかい あなたのムラに いまもなお」(答え:原子力)は残念ながら当ててもらえなかったが、「五月晴れ 憎い涙の 業平橋」(答え:東京タワー)を当ててもらえたのが気持ちいい。大量得点もできて1位。djさんが詠んだ「あいうおお テルマオロマオ サザオさん」(答え:笑顔)が笑いのツボに入って、その後の仕事中に吹き出しそうになったのは内緒である。
Hyke
渡辺範明/ドロッセルマイヤーズ(2012年)
4〜8人用/8歳以上/20〜30分
ドロッセルマイヤーズ:Hyke