Posted in さ行

酒侍(Sake & Samurai)

飲み過ぎに注意

侍たちが、酒を飲みながら殺し合いするイタリアのカードゲーム。生き残った中で、一番多く酒を飲んでいる侍が勝つが、酒を飲むと能力が奪われるから飲み過ぎてもいけない。

登場人物は宮本武蔵、柳生宗矩、柳生三厳、伊東一刀斎、伊達政宗、竹崎季長、北条政子、巴御前。この中から各自1人を選んで担当する。それぞれHPや特殊能力が異なる。女性も鎧を着て参戦(写真)。

酒侍
鎧姿も艶っぽい巴御前

手番にはカードを2枚までプレイして、移動、攻撃、酒飲みを行う。となりのプレイヤーとの間にはコマが置いてあり、これが間合いを示している。攻撃は武器によって有効な間合いが異なり、一番望ましいのは相手がもっていない武器の間合いに、自分がいるという状態である。攻撃すれば相手はカードを出して防御し、差し引いた分だけダメージを与えられる。第一の目標は生き残ることなので、守りを固めたら相手をどんどん攻撃しよう。

酒を飲むと、酒カウンターをアイテムカードの上に置いて、そのアイテムが使えなくなる。序盤から酒は飲むと、攻撃も防御もできなくなるので危険だ。死者が出始めて、ゲームが終盤に向かい始めたときに一気に飲むのがよいだろう。

HPがなくなってもゲームからは脱落しない。「呑鬼」となって酒を集める。ゲーム終了時に、呑鬼の集めた酒が、生き残っている侍の酒より多ければチームで勝利となる。酒の量は限りがあるので、呑鬼が現れるとゲームが一気に収束に向かう。

鴉さんから再三の「握り飯投げ」攻撃で手札を減らされたが、それがかえってマークを外される結果になり、神尾さんの柳生三厳が最初に死亡。私は始終手札が足りず危うかったが、最初に手札が引けるという巴御前の特殊能力で乗り切り、最後に酒を一気にかっくらって勝利。同じイタリアのカードゲーム『斬―サムライソード―』と比べると、手続きは煩雑なものの攻撃の仕方が多彩である。

同じメーカーから昨年、『ビールとバイキング(Beer & Vikings)』というゲームも発売された。同じテーマで舞台を変えたものだが、拡張セットとしても遊ぶことができるという。

Sake & Samurai
M.サントゥス/アルベ・パーヴォ(2011年)
3~8人用/13歳以上/45分
ゲームストア・バネスト:酒侍

Posted in さ行

四天王(Shitenno)

先生、お願いします!

渡辺謙徳川四天王と呼ばれる本多忠勝、井伊直政、榊原康政、酒井忠次が兵力を駆使して全国各地の支配権を争うフランスのゲーム。作者は『捧げ物(Offrandes)』のルフェブヴル。シンプルな要素で悩ましい場面を多く生み出すドイツゲーム的なデザインが魅力だ。なお、箱絵の渡辺謙みたいな人(右)は榊原康政である。

ボード上には北海道から九州まで、7つの地域がある。それぞれの地域を石高か兵力(武士や僧兵など)で落とすと勝利点がもらえ、その合計を競う。石高も、兵力も、その地域で必要なだけ揃えれば落とすことができ、自分の旗を置くことができる。このゲームの特徴は、その石高と兵力の分配方法にある。

四天王

毎ラウンド、石高と兵力を分配するが、ここで用いられるシステムは、分ける人と選ぶ人が違う「ケーキの切り分け問題」。各プレイヤーは大名、小名、先生(笑)、旗本の称号タイルをもっており、まず大名が石高・兵力・次の称号を自由に組み合わせて1人前のセットを作成、小名の人に渡す。小名の人は受け取るか拒否し、拒否したら先生へ。先生も拒否したら旗本に行き、全員に拒否されたら大名が自ら受け取らなければならない。1人受け取ったら、残った人で一番称号の高い人が次のセットを作成して受け取るかどうか諮る。

こうして全員分のセットが作成され、誰かに分配される。魅力的なセットはすぐ取られてしまうし、ショボければ自分に回ってくる。匙加減が難しいが、ほかの人が絶対ほしいものを読めれば、足下を見た分配ができるだろう。

大名は地域を征服できると+2勝利点、小名は+1勝利点。先生は自分の旗を2枚分にでき(ゲーム終了時、地域ごとに旗の数が多い人にボーナスが入る)、旗本は兵力が1枚増える。征服はこの順番で行うので、せっかく兵力を揃えたのに前の人に征服されて終わりなんてことも。

序盤は地域を征服するとボーナスチップがもらえ、これまた兵力を増強できる。征服できるところからどんどん落としていきたいが、あまりいろいろな地方に手を出すと、どこでも地域ボーナスが入らなくなるかもしれない。終盤は、一手差で征服できるかどうかの瀬戸際になり、ゲームが緊迫する。

神尾さんがエリアを固めてボーナスをものにし1位。悩んで悩んで、これは自分しか取る人がいないだろうというセットを作ってもあっさり取られてしまったり、逆に大盤振る舞いしたつもりでも誰も取らなかったりと、分配には少々慣れが必要なようだが、ほかのプレイヤーが悶絶するような微妙な組み合わせを作れたときは気持ちいい。

Shitenno
C.ルフェブヴル/ルドノート(2011年)
2~4人用/12 歳以上/60 分
ショップ検索:四天王

四天王
大仏がいる九州と、岸壁にお城がある四国