ゲームマーケット:サークルベスト10
ゲームマーケット2013秋(11月4日)の出展サークルが発表になった。春に続いて東京ビッグサイトでの開催となる今回は、一般ブース216、企業ブース41の合計257団体が出展する。もちろん過去最高だが、春の223団体から15%も増加し、7時間という短い時間で見て回るのはますます難しくなっている(1サークルあたり2分弱の計算)。
どの団体に注目するか考えていく上で、過去の作品の評価の高さがひとつの参考になる。そこで、当サイトで2005年から毎回行っている「ゲームマーケット新作評価アンケート」を集計し、4回以上ランクインしたところから、順位の平均でサークルベスト10を挙げてみた。サークル名が変更になったところも、作者で分けている。
1位:骨折ゲームズ
2000年の第1回ゲームマーケットから参加している古株サークル。bone5氏。『大量絶滅(2007)』と『ドナドナ(2010)』で1位を獲得。また『パレード』の英語版が発売されるなど、安定して高い評価を得ている。残念ながら不参加が続いており、復帰が大いに期待される。
2位:操られ人形館
常時次人氏が作品を発表しているサークル。斬新なシステムのカードゲームが多い。『王宮の歩き方(2012秋)』で1位。今回のブース番号は230。
3位:カワサキファクトリー
川崎晋氏が作品を発表しているサークル。『R-ECO』をはじめ作品の多くが海外で発売されている。『カウントダウン2005(2005)』、『クイズ!いいセン行きまSHOW!(2008)』、『シガラミ(2011春)』で1位。ブース番号は319。
4位:OKAZU Brand
林尚志氏が作品を発表しているサークル。Hammer Works時代から活躍しており、海外でも評価が高い。『9Tours(2011秋)』、『Sail to India(2013秋)』で1位。ブース番号は301。
5位:ワンドロー
木皿儀隼人氏が作品を発表している有限会社。『7つの島』『グリモワール』など。ヤポンブランドでいち早く出展したり、ほかのデザイナーや出版社とコラボしたりするなど、フロンティア的な存在となっている。ブース番号は15。
6位:Hammer Works
Hammer氏がユニークなテーマで作品を発表しているサークル。『ほんのきもちです』『シティープラン』など。ブース番号は302。
7位:カナイ製作所
カナイセイジ氏が作品を発表しているサークル。1位を獲得した『ラブレター(2012春)』は海外でも高い評価を得ている。杉浦のぼる氏による版画調のイラストにもファンが多い。ブース番号は619。
8位:みさき工房
美麗なイラストと一風変わったテーマの作品を発表しているサークル。『貴族の時代〜メイドパラダイス〜』『セブンフォース』ほか。ブース番号は19。
9位:遊星からのフリーキック
寺島由人氏が作品を発表しているサークル。意欲的でオリジナリティの高いメカニックの作品が多い。『テラフォーマー』ほか。ブース番号401。
10位:高天原
田邊顕一氏が作品を発表しているサークル。『Guild』ほか。ゲームマーケットの前身であるテーブルゲームフェスティバルで発表された『伊能大図』は英語版が発売されている。ブース番号は229。
海の通路(Tsuro of the Seas)
大怪獣に救われる
ボードから落ちないようにタイルを並べてルートを確保する生き残りゲーム『通路』(2004年)の第二弾。今回は盤面を荒らしまわる「大怪獣(Daikaiju)」が現れる。
盤面は7マス×7マスで『通路』から一回り大きくなった。ここに最初から大怪獣が何頭かいる。各自、自分の船をボードの端にセットしてスタート。手番にはまずサイコロを振り、出た目によって大怪獣が移動する。その動きはランダムであり、自分の近くへ来ないことを祈るばかりだ。
次に手持ちのタイルを1枚、自分の船の前に置いて、そこに書かれた通路に沿って船が移動する。盤外につながっている通路や、大怪獣につながってしまったら脱落。近くにほかの人の船がいると、その人が置いたタイルによって脱落させられることもある。
手札を補充して次の人の手番へ。こうして最後まで生き残った人の勝ちとなる。
大怪獣の移動先にタイルがあると、そのタイルは除去される(そこに船がいる人は脱落)。そこからさらに移動すると、タイルのないマスが生まれる。そのマスがあるために、盤外に出ないで助かることもあって、大怪獣はいつも悪者というわけではない。
大怪獣の動きはランダムで、盤外に出て行ってしまうこともある。規定数より減ると、新たに盤上に出現することになっている。サイコロで決められた座標に出現するので、たまたまそこにいていきなり脱落ということも。大怪獣にはいつもヒヤヒヤさせられる。
7人プレイ。ケイコさんがいきなりとなりにいたツカモトさんの船を盤外へ。近づくと危険である。その後も小競り合いが続き、大怪獣に突っ込んで行ったり、目の前に居座った大怪獣を避けられなかったりしてどんどん脱落していく。ケイコさんは大怪獣が出現しない周縁部を堅実に周って生き延びた。最後はbashiさん、ケイコさん、私の一騎打ちとなり、bashiさんが大怪獣に食べられた穴で助かって1位。
タイルを置けるところはあと4枚だけ。手番順と手持ちのタイルが勝敗を決める
大怪獣が襲いかかる恐怖で、サイコロを振るたびに一喜一憂が湧き起こり、スリルのある展開が楽しめた。
Tsuro of the Seas
T.マックマーキー、J.ワイズマン/カリオプゲームズ(2012年)
2~8人用/8歳以上/30分
国内未発売