オープン(Open)
読めそうで読めないドラマ
『ラマ』『スカウト』『ナナトリドリ』など、ゴーアウト系のカードゲームは盛り上がるものだが、大富豪(大貧民)との差分は重視したいところだ。『ヘイヨー』『トリックと怪人』の作者によるゴーアウト系で、ゲームマーケット新作評価アンケート評価数最多・評価平均9位の実力やいかに。
まずは手札公開。タイトルが示す通り、手札6枚のうち4枚(配られたままなので自分で選べない)が公開という状態ゲームを始める。手札の3分の2、カウンティングすればそれ以上がわかるため、中盤以降はアブストラクト風味が強くなる。どのカードから始めるか、どのカードで受けるか、あるいはパスするか、最善手がわかってくる。先にカードをなくした人から得点が入る。
次に1位予想。手札の強弱もまるわかりなので、最初に誰が勝つか(最後まで残るか)を予想し、当たっていれば自分が勝てなくても得点できるようになっている。とはいえ最初は見えない手札もあり、またこの予想によって他プレイヤーのカードの出し方も変わる(勝たせたいプレイヤーをアシストする)可能性もあるため、不確定要素が高い。得点は当てた人数が少ないほど高い。
絶妙なのはカード構成。全体でたった26枚しかないが、赤黒2色あり、色・数字によって枚数が異なる。これで数字の強さに傾斜がつけられ、見通しを良くするとともに、確率の低い勝ち方でドラマを生み出す。
ただ盛り上がるだけでも楽しいのだが、上記のような工夫が凝らされ、考えどころあり、駆け引きありの面白いゲームとなっている。
Open
ゲームデザイン:斎藤隆/イラスト:QURAGE
BrainBrainGames(2022年)
2~4人用/8歳以上/15分
呪文を習得してパワーアップ『宵と暁の呪文書』日本語版、9月下旬発売
ホビージャパンは9月下旬、『宵と暁の呪文書(SpellBook)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:P.ウォーカー=ハーディング、イラスト:C.バーティン、1~4人用、12歳以上、45分、6600円(税込)。
スペースカウボーイズの今秋の新作で、ウォーカー=ハーディングがデザインした。年に一度開催される大儀典で、呪文を作って最強の魔術師を目指すエンジンビルドゲーム。
手番は「朝」「昼」「夜」に分かれ、「朝」はアクリル製の質料(マテリア)トークンを獲得し、「昼」にはマテリアを魔ボードにストックして得点を獲得、「夜」にはマテリアを消費して呪文を習得する。呪文の能力によってできることが増えていき、さらに大きな得点と強力な呪文をもたらす。
呪文は各色全員同じ組み合わせで臨むが、どの色の呪文を習得し、レベルアップしていくかで戦略が問われる。クレバーなコンボを組んで他のプレイヤーと差をつけよう。また呪文カードは各色3種類あり、ゲームごとに異なる組み合わせで展開も変わる。多人数プレイと同じ感覚でハイレベルなチャレンジができるソロモードも付属。
内容物:呪文カード 84枚・質料トークン 105個・祭壇タイル 1枚、使い魔ボード 4枚・早見表カード 4枚・大渦袋 1つ、開始プレイヤートークン 1つ・廃棄箱 1つ・ルールブック 1部