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フラワーマーケット(Flower Market)

借金で仕入れても売れ残るリスク

flowermarket

ダッチオークションで仕入れたお花をセットにして花屋さんに届けるセットコレクションゲーム。初期資金はなく、仕入れはすべて借金というところがかわいい見た目とは裏腹にシビアなゲームである。

最初に店長カードを並べる。各店長カードには、どの花をいくつ届ければ収入+勝利点がもらえるかが書いてあり、このラウンドのだいたいの需要がわかる。

これを見ながら、市場にある花を仕入れる。仕入れ値は、一番下の段は1で、上に行くほど上がる。順番に何周でも仕入れて、全員がパスしたらラウンド終了。残りを下に詰めてから次のラウンドを行うので、売れ残った花は値段が下がるというダッチオークションになっている。

仕入れるたびにその値段の借金トークンを取り、上限はないので何枚でも仕入れられるが、利益は店長カードの収入だけ。しかも店長カードは、他のプレイヤーに取られる可能性もある。他のプレイヤーの動向を見ながら、絶対取れそうな店長、あわよくば取りたい店長、最悪のケースでも取れる店長というようにリスク分散しておきたいところだ。

3ラウンドで出荷フェイズになるが、店長カードを取る順番は「宣伝力」で決まる。宣伝力は花のカードの中に混じっており、借金をして上げる。そこそこ上げておかないと、狙っていた店長がどれも残っておらず借金を返せないなんてことも。

店長からの収入と、借金トークンを差し引いて、マイナスになってしまったら失点。プラスの多い順に勝利点が入る(つまり手元にお金は残らない)。再び仕入れから始めて、店長に届けたらゲーム終了。

店長のセット指定がシビアでm狙っていたものが他のプレイヤーに取られると、どうしようもないことがある。そのため「宣伝力」が重要なのはもちろん、次善の策も考えておかなければならない。花の色によってレア度が違うのがにくいところで、レアな花を独り占めできれば安泰になることも。無駄な仕入れはしたくないけど、次善の策用の花も用意しておきたいというジレンマが楽しい。

フラワーマーケット
ゲームデザイン:佐藤敏樹/アートワーク:ことり寧子
さとーふぁみりあ(2023年)
2~4人用/10歳以上/40分
通販:Amazonボドゲーマ

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シュピール’23:dlpゲームズ

今年のエッセン・シュピールは10月5~8日、昨年に続き対面で開催される予定となっている。そこで発表される予定の新作を出版社別に紹介。邦題は直訳で、国内販売されるときに変更される可能性がある。

オルレアンの大聖堂建築士(Die Kathedralenbauer von Orléans)
ゲームデザイン:R.シュトックハウゼン&W.ディシャール&M.ミュラー、イラスト:K.フランツ、2~4人用、8歳以上、30分。

『オルレアン』シリーズ最新作はバッグビルドメカニクスを用いたファミリー向けの協力ゲーム。1598年にみんなで力を合わせて大聖堂を建設する。全員共通の袋からキャラクターチップを引いてアクションを行うが。袋は2つあり、必要なキャラクターを獲得するにはどちらの袋から引き、どちらの袋に戻すかが問われる。3ラウンドの間に大聖堂を完成させることはできるだろうか?

kathedralbauerorleans

オルレアン:ペスト(Orléans: Die Pest)
ゲームデザイン:R.シュトックハウゼン、イラスト:K.フランツ、2~5人用、12歳以上、90分。

『オルレアン』の拡張セット第3弾。オルレアンの街をペストが襲う。序盤はネズミカードによってゲームに登場する僧侶の数が少なくなったり、場所カードに歯車が置けなかったり、商館の建設に追加コインを支払わなければならなかったりする。さらにイベントで「死体トークン」がラウンド終了時にバッグに入ってくる。バッグから引いた時市場の貴重なスペースを占有するため、巡礼や寄付などで除去しなければならない。これらで免罪符カードを満たせばゲーム終了時に勝利点をもたらす。新しいキャラクター「疫病医」の使い所がカギになるだろう。

プレイするためには『オルレアン』基本セットが必要。

 

ブーンレイク:アーティファクト(Boonlake: Artefakte)
ゲームデザイン:A.プフィスター&M.ロッシ、イラスト:K.フランツ、1~4人用、14歳以上、40~160分。

『ブーンレイク』の拡張セット。新しいマップにトレジャーハンターを送り込んで、宝物やアーティファクトを探す。ツボには「ヴァリアブル・アトミック・システム・エナジー」、略してV.A.S.E.が詰まっており、発見した壷を新しいアーティファクトに挿入すれば勝利に近づく。

プレイするためには『ブーンレイク』基本セットが必要。基本セットとのセット販売も行われる。

マラカイボの海賊(Pirates of Maracaibo)
ゲームデザイン:A.プフィスター&R.ヘンドリクソン&R.ビーナート、イラスト:フィオーレ社&O.スタモグロウ、1~4人用、14歳以上、30~120分。

『マラカイボ』のスタンドアローンのシリーズ作品。3ラウンドの間に、海賊たちがカリブ海の多くの島々を船で訪れ、味方を雇い、ライバルの船を拿捕し、探検を行い、財宝を埋める。適切なカードを獲得し、サイコロを巧みに使い、艦隊を拡大しよう。

イブンフォール(Evenfall)
ゲームデザイン:S.ディ・シルヴィオ、イラスト:M.モテット、1~4人用、14歳以上、30~120分。

『クラウドエイジ』と同じナノックスゲームズ(オーストリア)の製品。現実の境界が裂け、超自然が目覚める時、魔術師たちは未知の世界への光り輝く門を開く。一族の魔女を派遣して新たなパワースポットを発見し、儀式を行って、魔法石の寵愛を得る。ひとつしかない魔法の玉座を射止めて、世界を新時代へと導くことはできるだろうか。

カードドリブンのエンジンビルドで、リソースを管理し、効率的な順番でアクションを実行し、高得点のシナジーを発見しよう。