シュピール’13新作情報:イスタリゲームズ
徹底的に作りこんだゲーマーズゲームを発表しているフランスの出版社です。今年は『キーフラワー』のブリースデールとクニツィア、そして『ケイラス』のアティアを起用しました。
★スパイリウム(Spyrium)
W.アティア作、2~5人用、12歳以上、75分。ホビージャパンが取り扱ってすでに日本で発売されています(5670円)。
パラレルワールドの大英帝国において、工場を建設し、工員を雇って「スパイリウム」という新物質を製造します。「スパイリウム」は希少で高価であるため、わずかでもかき集めなくてはなりません。
建物やキャラクターが9枚並んだ場に工員コマを配置します。工員はカードとカードの間に配置し、活性化することでカードの購入や、工場の稼働ができます。配置から活性化にどこで切り替えるか、どれだけの行員を動員してどのアクションを行うか、そしてそのアクションを使ってどれだけ「スパイリウム」を獲得できるかという選択に悩まされます。
★プロスパリティ(Prosperity)
S.ブリースデール&R.クニツィア作、2~4人用、13歳以上、60分。
現在発展中の大国の指導者となり、70年間という期間に繁栄を競います。インフラと産業を整備し、エネルギーと資金を用意します。しかし繁栄は後代に公害などのツケを残します。どこまで制御できるでしょうか。
手番には、タイルを引いて全員が指示に従います。エネルギーがプラスなら収入、マイナスなら支出か公害が悪化します。エコロジーならば公害トラックのマーカーを増減し、資金なら手持ちのタイルによって収入を得ます。研究が出ると研究度が上がり、繁栄が出ると手元のタイルによって得点が入ります。ただしこのとき、公害が限界を超えていると得点できません。その後で、収入、公害マーカーの除去、研究度アップ、タイルの購入から2アクションを行います。タイルはエネルギーとエコロジーのレベルによって購入価格を下げることができます。
購入したタイルを置く場所は限られており、場所がなければ前のタイルを除去しなければなりません。高速道路や鉄道を整備することでタイルを置く場所を広げることができますが、公害の悪化を招くこともあります。タイルがなくなったら得点計算をして、繁栄ポイントの最も多い人が勝ちます。
『ナゲッツ』日本語版発売
ニューゲームズオーダー(東京・立川)は27日、柵を置いて黄金のナゲットを取り合うボードゲーム『ナゲッツ(Nuggets)』日本語版を発売した。C.コンラート作、2~4人用、8歳以上、30分、2500円。
大手ファーストフードチェーン・ナゲットキングの新作ナゲットを、動物たちが取り合う。柵を置くか、自分のチップを裏向きに置いて陣取りをし、高価なナゲットを獲得することを目指す。シンプルながらブラフの要素もあり、さまざまな展開が楽しめる作品だ。読み合いの熱い2人プレイ、漁夫の利を取り合う3人プレイ、2対2のチーム戦が楽しめる4人プレイと、人数によってプレイ感が変わるところも面白い。
オリジナルはウィニングムーヴズ社(ドイツ)が2003年に発売した金鉱掘りゲーム。安価・手軽で奥の深い「コンパクトゲームシリーズ」として発売された。ドイツ語版は地味なコンポーネントだったが、今回のリメイクでは『ファブフィブ』のリメイクを手がけたタンサンファブリーク(京都)がアートワークを担当。コミカルなコンポーネントに生まれ変わっている。ニューゲームズオーダーはこれからボードゲームを始める人にオススメの、ベーシックかつ面白いボードゲーム「さいしょのいっこ」と位置づけている。
ちなみにブラックロック出版(フランス)も、舞台をファンタジー世界にしてリメイクし、『アルマデーラ(Armadöra)』というタイトルで今秋発売する。いずれも10年ぶりのリメイクだが、この作品が時代を経ても色あせていないことを示すものだろう。
・ニューゲームズオーダー:ナゲッツ
・B2FGames:ナゲッツ。ボードゲームの「さいしょのいっこ」にどうぞ。
・play:game評価コメントリスト:ナゲッツ