第2回アグリコラ世界選手権、チェコ代表が優勝
今月9日、ウィーン・ボードゲーム祭(オーストリア)の会期中にアグリコラ世界選手権が行われ、チェコ代表のD.カノフスキー(David Kaňovský)氏が優勝した。日本からは9月に行われた代表選考会から4名が参加し、Yoshizu Ryousuke氏が9位に入った。
主催代表で『アグリコラ』のイラストレーターでもあるK.フランツ氏と握手するカノフスキー氏。賞品としてルックアウト社の新作『カヴェルナ』が贈られた。
前回の14カ国を超える16カ国からエントリー。世界選手権には各国4人まで代表が参加でき、46名が参加した。前回同様「世界選手権デッキ」(英語かドイツ語)23枚から7枚を使用。順位別にテーブルを組み直すスイス方式。4人卓の場合は1位から8,5,3,1点、3人卓の場合は7,4,2点が与えられ、3ゲームの総合得点で競った。
優勝したカノフスキー氏は3戦全勝で23点。2位はイギリス、3位はオランダ、4位はオーストリア代表。前回チャンピオンとして参加したR.ダム氏(デンマーク)は2戦全勝で最終卓に進んだが、3点差で沈み5位となった。初参加の日本代表はYoshizu Ryousuke氏が17点で9位、Yanagisawa Yuuka氏が14点で19位、Akiba Masatoshi氏が11点で31位、Asano Michiko氏が9.5点(端数は順位タイのため)で34位。参加者によれば、参加者レベルに差が大きかったため苦労したようだ。
第1回は2年前の2011年に行われたが、第3回の日程は未定となっている。
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ペントス(Pentos)
夢のメガロス
Tric Trac: Pentos, de la partie
魔法の素材を集めて役を作るフランスのカードゲーム。手札0枚から始めて、カードを取っていって、結局0枚を目指すという哲学的な作品を作ったのは、B.カタラである。
自分の番には場からカードを取るか、役が揃ったカードを出して呪文を唱えるか。カードの取り方は、場札に補充して1枚取るか、補充しないで複数枚取るかのいずれか。役ができたら、そのカードを捨てて呪文を唱える。
呪文は3つしかない。一番簡単なのは「ミクロス」。同じ色の連続か、同じ数字で3枚あればよい。この呪文は、場札のスペシャルカードを取り、ワイルドカードになったり、残りの手札を捨てたり、場札から好きなカードを取ってきたりする。どのスペシャルカードにするかは、さらに大きな呪文を狙うか、手札を減らしてラウンド終了に備えるか次第。
「ペントス」は同じ数字5枚で唱えることができ、これでラウンド終了となる。このときほかのプレイヤーは手持ちのカードだけ失点。だから、5枚揃いそうにないときは「ミクロス」などでどんどん手札を減らしていくのがよい。山札がなくなったときには、誰かが手札をなくすとラウンド終了となる。
そして最後の「メガロス」は、1色全部を集めたら唱えることができ、そのプレイヤーがゲームに勝利する。麻雀の役満のようなもので、1ゲーム中に1回チャンスがあるかどうかというレアぶり。カードを集め始めたら警戒されるのでなおさらやりにくい。
同じ数字3枚のミクロスは、もうちょっと頑張ればペントスになる。ミクロスを打つか、もう少し待ってみるかは悩ましいところ。でも欲張ってはいけない。あと1枚引けばとか、どちらでもペントスできるように2種類集めてなんて粘っているうちに、ペントスを打たれて大失点になってしまう。集めていくか、減らしていくかの駆け引きがスリリングである。
攻めるときは一気にたたみかけ、守るときは素早く減らしたふうかさんの勝利。メガロスの欲望に負けた。
Pentos
B.カタラ作/アシンクロンゲームズ(2013年)
2~5人用/7歳以上/30分
ゲームストア・バネスト:ペントス
ふうかのボードゲーム日記:ペントス