『人生ゲーム獄辛』発売
タカラトミーは本日、『人生ゲーム』シリーズ55作目となる新作『人生ゲーム獄辛(ごくから)』を発売した。2~6人用、6歳以上、3800円(税別)。初年度8万個の販売を目指す。
『人生ゲーム極辛』(2009年)以上に世知辛い人生ゲーム。ブラック企業や増税、ネット炎上などを反映し、ゲーム内の未婚率も過去最高に設定するなど、ゲームシステムやイベント内容がより辛口なゲーム内容になっている。
マス目の内容も、「始末書のコピペがバレた」「寂しいわぁ…深夜帰宅の独りゴハン…」「SNSが乗っ取られてブログが炎上」「涙がこぼれないように上を向いて歩いたらドブに落ちた」など、世知辛い世の中を生きる上で避けることができない心労や出費が多くなっており、給料が半額になる「パニックカード」や、いたるところに仕掛けられた「落とし穴」が負の連鎖を生み出す。
一方、「甘神様」を味方につければ、トラブルの大半を回避でき、地獄から一気に極楽人生へ変わることもできる。しかしほかの人が「甘」のマスに止まると、甘神様はその人へ移動してしまう。トラブルだらけの人生の中、クモの糸ほどの運をつかんで幸せになるのは誰か。
・タカラトミー:人生ゲーム獄辛
アブルクセン(Abluxxen)
かすめ取られる前に
たくさんカードを出して手札をなくすカードゲーム。数々の大賞作品を世に生み出したW.クラマーとM.キースリングの作品で、ルールを聞いただけではわからない奥深い展開が待っている。オーストリアゲーム賞で大賞、国際ゲーマーズ賞でノミネート、ドイツゲーム賞では金の羽根賞に選ばれている。タイトルは「Abluchsen(くすねとる)」をもじったもので、カードのイラストはキツネ。
『大富豪』のように、前の人と枚数が同じで数字の大きいカードを出していくが、共通の場に出すのではなく、自分の前に出す。しかも、枚数フォローの義務はなく、枚数を減らして出してもよい。あくまで枚数が同じ人同士で数字を比べるだけで、枚数が同じ人がいなければそのままである。このため、選択肢は意外にたくさんある。
より大きい数字のカードを出した人は、同枚数のカードを「くすねとる」ことができる。これで手札を増やして、得点を伸ばそうという魂胆だ。くすねとられた人は場札か山札から補充。くすねとられなかったら、自分が引き取るか、捨て札にして場札か山札から補充する。最終的には自分の前に出しているカードが得点になるので、この競り負けは得点が減るわけだが、チャンスは広がることもある。手札に戻してもっと多くの枚数で出すもよし、場にいいカードがあれば補充して次に期すもよし。再び自分の番が回ってきたとき、新しいカードを出せば前に出したカードはもう奪われない。
1枚で出しても、すぐに上回るカードを出されてしまうだろう。しかしあえて数字の弱いカード1枚出しておいて、誰かが上回ったときに場札のいいカードを補充するという手もある。みんなそれを狙って謎の競り下げが始まることも。
とはいえどんどんカードを出したほうがいいので、後半には数字を揃えて一気に出し、ほかの人が追随できないことを狙う。いつまでも出さないで貯めこんでいると、誰かに上がられて大失点になってしまうだろう。ほかの人の手札枚数もよくチェックして、終了のタイミングを見図りたい。
5人で3ゲーム遊んで40分ほど。最初は何をしたら良いか分からず、ワイルドカード「X」を集めつつ、1枚ずつちびちび出していたが得点が小さい。そこで次は貯めこむ作戦にいったが、早上がりで大失点。3ゲーム目もこれを取り返せずブービー。「次はもっとうまくやれそう」という感覚がこのゲームにはある。カードが出るたびに、同じ枚数を出していた人が一喜一憂するのが楽しかった。
Abluxxen
W.クラマー、M.キースリング/ラベンスバーガー(2014年)
2~5人用/10歳以上/20分
メビウスゲームズ:アブルクセン