スシゴー!(Sushi Go!)
スシ食いねェ!
回転寿司で美味しいお寿司を食べるオーストラリアのカードゲーム。『ダンジョンレイダース』『考古学カードゲーム』のアドベンチャーランドゲームズから発売され、今年ゲームライト社(アメリカ)からも発売されることになっている。
配られた手札から好きな1枚を選び、残りを全て左どなりの人に渡す。同時に右どなりの人から渡されたカードから1枚を選び、また残りを左どなりの人へ・・・これを繰り返してカードを集める、いわゆるカードドラフトというシステムである。1つのカードセットが、1枚1枚取られながら何周かすることになる。これが回転寿司のようで楽しい。誰も取らないまま、また回ってくるようなお寿司はたいてい美味しくないところまで再現されている。
回ってくるのは握り寿司、巻き寿司、天ぷら、刺し身、餃子、そしてプリン。握り寿司は単独で点数になるが、イカが一番得点が高い。さらにワサビを加えると得点が2倍になる。巻き寿司はたくさん集めた人だけ得点。天ぷらは2枚、刺し身は3枚集めて初めて得点になる。餃子はたくさん集めるほど得点が増える。プリンはラウンド累積で、一番多く集めた人にボーナス、一番少なかった人にペナルティ。このように、ものによって得点パターンがいろいろあるのがバラエティに富んでいる。
面白いのは、全員の手札が1周回ってくるまで、今回出回っているカードの傾向がつかめないこと。例えば、刺し身は3枚集めないと得点にならないが、場に3枚あるのかどうか、はじめは分からない。その中で、初手から刺し身を取っていくのは勇気のいることである。しかし、全体を見てからでは手遅れになるので、一か八かで取らなければいけない場面がある。ほかの人が選んだカードも判断材料となる。
その悩ましさを解決してくれるのが箸カード。これがあると1回取るのを休んで次に1つのカードセットから2枚一気に取れる。これをつかってセットを一気に作れると美味しい。ただし早めに使っておかないと、残り物ばかりになってしまう。
長女と長男と3人でプレイ。長女はプリンを貯めこむという長期的な作戦(単に食べたいだけかも)、長男はワサビと握り寿司のコンボで得点を増やす作戦である。私は2人とも見向きもしなかった巻き寿司を集めてボーナスゲットし、プリンのペナルティを長男と分けあって無事逃げ切った。
美味しそうな寿司を手当たり次第に取っていくというのもいいが、ほかの人が選んだカードと、回ってくるカードを見比べて方針を考え始めると、もっと深く楽しめる。「お寿司のカワイイ顔が和む」というのは、長女の評。
Sushi Go!
P.ウォーカー・ハーディング/アドベンチャーランドゲームズ(2013年)
2~5人用/8歳以上/15分
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京都(Kyoto)
京都でジレンマ
タイルには池・コケ・紅葉・砂利という4つの地形がさまざまなパターンで描かれている。『カルカソンヌ』のように手札として1枚をもち、場のタイルに隣接して配置する。そして同じ模様でつながっているタイル枚数が得点になる。模様が複数のタイルにわたってずっと続いていれば、その分だけ得点。
各自、4つの地形から1つが得意分野となっており、得点が2倍になる。得意分野の地形が途切れないように広げていき、2点、4点、6点、8点と手番ごとに得点を増やしていくが基本。一方、ほかのプレイヤーが伸ばしているところはタイルを置いて地形を切り、それ以上得点できないようにする。
『インジーニアス(頭脳絶好調)』のように、ほかの人が伸ばしているところに便乗して伸ばしてもいいが、相手は得点が2倍なので差は開くばかり。そのため、あまり伸びないうちに途切れさせる作戦が有効なようだ。
とはいえ、ゲームが進むにつれて庭園は広がり、自分も相手も得するようなWin-Winのパターンも現れる。相手を潰すだけなら、自分を伸ばすほうが得なことも多い。あちら立てればこちら立たずで、自分が持っているタイルで一番得する場所が決めにくいというジレンマ。
長女と長男と3人でプレイ。目先の利益で長女が伸ばしていた池に便乗したら、高得点を与えてしまったので妨害路線に変更。それだと自分の得点が伸びない。その間に長男がいくつかの島を作り、いろいろなパターンで伸ばせる布石を打ってきた。しかしその布石が生かされる前にゲーム終了となり、あちこちで池を伸ばしまくった長女が100点を超える得点で勝利。タイルの置き方についてゲーム中にいろいろな発見があった。
京都
R.クニツィア/メビウスゲームズ(2013年)
2~4人用/8歳以上/20~30分