Posted in は行

ポートロイヤル(Port Royal)

過ぎたるは及ばざるが如し
ポートロイヤル
ジャマイカの港町で、船から収入を得て人物を雇い、名声を高めていくカードゲーム。『ザヴァンドールの鉱山』のプフィシュターがデザインし、『アグリコラ』のイラストレーター・K.フランツがイラストを担当した。2013年にオーストリアで行われたボードゲームデザイナーコンテストの優勝作品。クイーンゲームズのトリックテイキングゲーム『ポートロイヤル(2000年)』とは別作品である。
基本はバーストゲームで、同じ色の船が出ない限り、好きなだけ山札からカードをめくっていく。好きなタイミングでめくるのをやめて、めくった船の数に応じてカードを取る。残りのカードは、ほかのプレイヤーが手番プレイヤーにお金を払って取れる。
カードには船と人物と探検と増税があり、船カードを取ったら収入が入り、その収入で人物カードを雇って、人物カードを集めて探検を達成するという流れ。たまに出る増税では、12金以上もっていると半減させられる。人物カードと探検カードが得点になり、誰かが12点以上取ったラウンドで得点の多い人が勝つ。
収入はマーカーを用いず、山札のカードを裏のまま取って自分の前に並べることによって表す。このため、狙っているカードがお金として場に出てしまうことがあって読めない展開となるのが面白い。
人物カードは得点になるだけでなく、それぞれいろいろな特殊能力を持っている。今回役に立ったのは「総督(取れるカード枚数が+1)」と「船員(戦闘力が上がる)」。戦闘力が高いと、同じ色の船が出てバーストしそうになったとき、その船を撃退してバーストを回避できる。増税のときに戦闘力の一番高い人にボーナスが入るのも嬉しい。
5人プレイで30分ほど。バーストを恐れて早めに取る展開が続き、みんながほとんど1枚しか取らない。そこに中盤「総督」を取ったBumiさんが1手番に2枚取れる強さを発揮。船カード2枚で大金を手に入れたり、船カードで入った収入で即人物カードを雇ったり、人物カードを揃えてすぐ探検命令を達成したり。これで一気に勝負を決めた。私は序盤リードしていたのに痛恨のバーストで後手に回り、ぽちょむきんすたーさんは序盤に大枚をはたいて雇った「ひょうきん者(場に1枚もないと1金もらえる)」がほとんど回収できず。
収入の高い船がなかなか出てこないとき、もう1枚めくるかどうかは悩ましい。残りのカードをほかのプレイヤーに取ってもらうとお金が入るので、1枚でも多くめくって魅力的なラインナップにしたいところだが、欲張りすぎると大きな罠が待っている。
Port Royal
A.プフィシュター/ペガサスシュピーレ(2014年)
2~4人用/8歳以上/20~40分

Posted in 海外ニュース

『冷たい料理の熱き戦い』、今秋再版

フランニョス社(ドイツ)は今秋、A.ランドルフの名作双六ゲーム『冷たい料理の熱き戦い(Die heisse Schlacht am kalten Buffet)』を再版することを発表した。テーマは変更になり、イラストは『アグリコラ』などを手がけたK.フランツが担当する。
食卓をまわってご馳走を集めるゲーム。今年、没後10周年を迎える巨匠A.ランドルフ(1922-2004)の作品で、オリジナルは1974年に遡り、『カンガルー(Känguruh)』というタイトルで発売された。1990年に料理の奪い合いをテーマにしてリメイクされ、ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされている。
サイコロを振ってその数だけ食卓をまわり、ゴールに着いたら食卓の上のご馳走をもらえる。サイコロは3つまで振ることができるが、合計が7を超えるとバーストして1歩も進めない。またゆっくり進んでいるとほかのプレイヤーに上に乗られて踏み台にされてしまうという、ダイスレースの楽しさが凝縮された作品として定評がある。
もとは2~6人用だが、リメイクにあたって8人まで遊べるようにする予定だという。
franjos Neuigkeiten
Tric Trac:Rückkehr: Die heiße Schlacht am kalten Buffet