シュピール15:パールゲームズ
★血の宿屋(The Bloody Inn)
N.ロベール作、1~4人用、14歳以上、60分。
1831年フランス。アルデシュ県の端、ペイルベイユの村はたくさんの旅人が通っていきます。欲張りな田舎の農家の一族がこれを利用して、悪魔のような策略を練りました。それは宿屋を作り、そこで旅人から強奪して、警察の疑いをかけられないように金持ちになるという計画でした。その計画がうまくいくかどうかに関わらず、確かなことがあります。全ての客が宿屋から生きて出てこられるわけではないということです。
プレイヤーはライバル同士の宿屋の主人となり、富を築きます。残念なことに、倫理観があると客から強奪できません。ただしそれも彼らが生きているうちの話。殺人に対しては、幸いなことに良心の呵責はありません。もちろん、遺体はどこにでも捨てておけるわけではありません。遺体を隠すのは大変な仕事ですし、警察もやってきます。客の中から、共犯者を雇うこともあるかもしれませんが、費用がかかります。
毎ラウンド、夕方に客カードを引いて自分の宿屋に置きます。そして夜にはその客を殺害したり、遺体を埋めたりといったアクションを行います。遺体を埋めたときに収入が入ります。朝になると警察の捜査が入り、殺されなかった客が宿代を払って出発します。こうして客カードの山札が2回なくなったらゲーム終了で、お金を最も多く稼いだプレイヤーが勝者となります。
アンケート:不可解なルール
Q100:ルールブックが理解できず遊べなかったことが・・・
A.何度もある 41票(25%) | ![]() |
B.たまにある 89票(54%) | ![]() |
C.ない 36票(22%) | ![]() |
11月のゲームマーケットも近づく中、8月に当サイトのエントリー「ルールライティングのチェックポイント」には大きな反響がありました。ルールライティング経験のあるI was gameさん(ボードゲームのルールを書くための5つの tips)、The Game Galleryさん(ルールライティング時のチェック項目)でもより詳しいアドバイスが掲載され、制作者は参考になったのではないかと思います。
アンケートは、読む方の立場から、ルールブックが理解できなかったことはどれくらいあるかお訊きしました。それによると、8割の方が遊べなかった経験をお持ちだということが分かりました。何度もあるという方は4人に1人になります。折角買ったのに遊べないというのは悲劇的なことだと思います。
『ゲーム探検隊』(草場純、2007年)では、「正しいルール」にたどり着くための方法として4つの立場が挙げられています。私もルールの解釈に迷ったとき、参考にしています(特に合理主義と功利主義)。細かい部分が分からないだけだったら投げ出してしまわず、自分なりの解釈で遊んでみてはいかがでしょうか。
- 現地主義
作者・実際に遊んでいる人に教えてもらう - 合理主義
ほかの部分との整合性から推定する - 功利主義
面白くなりそうなほうを採用する - 文献主義
文字通りにやってみる
10月のアンケートは、日本語版ボードゲームの日本語ロゴについてです。日本語のロゴは、普段遊ばない人がゲームを手に取るには不可欠なものでありますが、ボックスアートのデザインを著しく損なうという意見もあります。キッズゲームでは輸入玩具であることを強調するために、あえて日本語ロゴを入れないでほしいという要望もあるそうです。みなさんがお好みのレイアウトはどれか、お答え下さい。