マジョリティパーティー(Majority Party)
多数派だと思ったら・・・
「すべての異性に好かれる。しかし、すべての同性に嫌われる」「ランダムに五ヶ国語を習得する。しかし、母国語を忘れる」「毎日2万円を手に入れる。しかし、毎朝ラーメンを食べなければならない」などの設問に、アリかナシかを答えて多数派になることを目指す国産コミュニケーションゲーム。ゲームマーケット2016神戸で蜜健会から発表された。作者のライチ氏は、当サイトのボードゲーム川柳大賞で大賞を受賞した方でもある。
お題カードには表裏合わせて4つのお題があるので、親がその中から1つ選んで発表。嬉しいことと悲しいことが同時に起こるボタンを押すか、押さないかをみんなで考える。「うーん、これは悩ましい・・・」「いや、あれしかないでしょ!」みんなでしばらく考えてから、ボタンを押すか押さないかを一斉にカードで表明する。
多数派だったら1点獲得、少数派だったら親に1点を支払う(親が少数派だったら1点を場に返す)。同数なら親のいる派の方を多数派とみなす。すなわち、多数派と少数派が拮抗するのが一番親の得点が大きい。これを見越して、メンバーの顔ぶれを見ながらお題を選ぶのが楽しいのだ。
もちろん、親の目論見通りに行かないのがゲームの醍醐味。予想を大きく裏切られたり、少数派になったりすると思わず叫んでしまう。「それ、本心?」「お前ら見損なったよ!」絶妙なお題が多くてひとつお題を終えるたびに話が尽きない。「何につけても誰よりも運が良くなる。しかし、何につけても誰よりも実力がなくなる」・・・ときには人生観や哲学的な話まで深まることもあった。ルールを最小限にして、究極の選択に悩むところをクローズアップしたゲームである。
Majority Party
ライチ/蜜健会(2016年)
3~10人/10歳以上/15分
ボードゲーム愛好者の喫煙率
【拡散希望】TRPG・ボドゲ愛好者の方々タバコは吸われますか?
— たえ@TRPG&ボドゲ沼の住人 (@TRPGtae0828) 2016年3月5日
ボードゲーム愛好者はタバコを吸う人が少ないように感じているが、ツイッターのアンケートでもそのような結果が出た。成人男性の全国平均喫煙率が30.3%、成人女性の平均喫煙率は9.8%であるから(JT全国喫煙者率調査)、ボードゲームの愛好者が男性8割・女性2割だとして、平均的には26%(30.3%*0.8+9.8%*0.2)ぐらいいくはずが、このアンケートでも10ポイント以上低い(ツイッターのユーザーの偏りという可能性もある)。
ボードゲーム愛好者には喫煙者が比較的少ないとすればそれはどうしてか。「ボードゲームをしながらタバコを吸えない」というのは理由ではないように思われる。というのも、休憩時間に外に行けばタバコを吸うことができるからである。この点はほかの趣味、例えばスポーツと変わらない。
世界的に、学歴が高いほど喫煙率が下がることを示す統計研究がある(マイナビウーマン:禁煙と学歴の相関性とは?「高卒の禁煙率48.8% 院卒80.7%」―米調査/日本における喫煙率の学歴格差-東北大学)。先日、アメリカを中心に2400人のボードゲーム愛好者アンケートが行われ、回答者の約3分の2が大卒以上、残り3分の1も多くは大学中退や短大卒などだったという(The Daily Worker Placement:SURVEY RESULTS #1: WHO ARE WE?)。日本にもこの傾向があるとすれば、ボードゲーム愛好者は高学歴者が平均より多く、喫煙率が低いといえるだろう。
さらに喫煙者の男性は非喫煙者の男性よりIQが低いというイスラエルの研究がある(Gigazine:タバコを吸う若い男性は非喫煙者に比べIQが低い傾向が明らかに)。これを裏返せば、学歴と関係なくIQが高い人は、自身の健康に気を遣ってタバコに手を出さないということになる。ボードゲームは、それなりのIQを要求するものであるので、自然と非喫煙者が多い趣味になると考えられる。
どちらも論証としては弱く、ボードゲームという趣味と学歴やIQを直接結びつけるものではないが、ボードゲームをしているから喫煙しないのではなく、喫煙しない層がボードゲームをより好むというべきかもしれない。ほかに喫煙率が低い理由が考えられないか、再考していきたい。
一方、ニコチンには脳波覚醒度を高め、注意の集中を増大させ、情報の処理時間を短縮する効果もあるという(喫煙科学研究財団:喫煙と精神機能・パーソナリティ)。喫煙者にとってはタバコがボードゲームを楽しむのに役立つともいえる。この記事は弱い関連があるのではないかという趣旨であって、ボードゲームを愛好する喫煙者個人を差別・排除する意図は全くない。