独エキスパート大賞『アイル・オブ・スカイ』日本語版、4月下旬発売
ホビージャパンは4月下旬、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞を受賞したタイルオークション&配置ゲーム『アイル・オブ・スカイ:族長から王へ(Isle of Skye: Vom Häuptling zum König)』日本語版を発売する。デザイン・A.プフィスター &A.ペリカン、アートワーク・K.フランツ、2~5人用、8歳以上、60分、4500円(税別)。
オリジナルはルックアウトシュピーレ(ドイツ)から2015年に発売された作品。デザイナーは『ブルームサービス』と同じコンビで、この作品によって2年連続でドイツ年間エキスパートゲーム大賞を受賞することになった。国内では『スカイ島』『スカイアイランド』などの邦題で輸入版が流通している。
舞台はスコットランド北西部にあるスカイ島。やわらかな砂浜、なだらかな丘、美しい山脈といった美しい景色の島ではかつて、5つの部族が覇権をめぐって争い、領地を奪い合っていた。プレイヤーは1つの部族を率いて、領地を巧みに広げ、不要な土地は大金で売り払い、交易で儲けて、勝利点を獲得し、スカイ島の王になることを目指す。
『カルカソンヌ』のようにタイルを配置して領地を広げていくが、そのタイルは各自が値付けして、プレイヤー間で売買する。ほかの人のタイルを見て、ほしいものを買っていくが、誰からも買ってもらえないとその値段で自分が引き取らなければならない。ほかのプレイヤーがほしいタイルと所持金を考えて、絶妙な値付けをしよう。
さらに勝利点の条件はゲームのたびに組み合わせが変わり、これによって毎ゲーム異なる展開が楽しめる。1時間以内で終わるため、繰り返し遊べる話題作、ついに日本語版での登場だ。
アイル・オブ・スカイ(Isle of Skye / Pfister & Pelikan / Lookout, 2015)
袋から引いたタイルに値付けして、プレイヤー間で売買し、タイルをつなげ今回の得点条件で稼ぐ。売れなかったら自腹買い取りになるのも含め、お買い物ごっこのような楽しさがあるが、需要を見た値付けはシビア pic.twitter.com/tNyGmwnNtU— Table Games in the World / ボードゲームニュース (@hourei) February 27, 2025
兵庫・姫路のボードゲームカフェ「B-Cafe」を訪問
昨年8月にオープンした兵庫・姫路のボードゲームカフェ「B-CAFE」を訪問した。ゲームマーケット神戸の会場に近い三ノ宮駅からJR新快速で約40分。新幹線なら新大阪から30分ほどで到着する。
姫路駅から徒歩7分。商店街を抜けた裏通りの2階にある。外では子どもたちが道路でスケボーの練習をしていた。窓からの眺めが素晴らしい明るい店内に入ると、奥の方で1卓ゲーム立っていた。カフェラテとミックスナッツを注文してしばらくくつろぐ。
「ドイツゲーム喫茶」と名付けられたこのお店は、ポッドキャスト「豚の鳴き声 」や『知ったか映画研究家』の制作で知られる「豚小屋」の「酢豚」こと黒田尚吾氏(グループSNE所属)がオーナー、同じく「アタック」こと大坪尭央氏が店長を務める。ロゴのデザインはタンサンファブリークと、ボードゲーム愛好者には馴染み深い。
大坪氏らはもともと姫路で毎月オープンゲーム会を開き、15人ぐらいでボードゲームを楽しんでいたという。しかしもっと間口を広げ、いろいろな人にボードゲームを知ってもらいたいという思いから、カフェを開いた。店内にある500種類以上のボードゲームの大半は個人所有で、初心者向けからフリーク向けまで幅広い。
「豚の鳴き声」ではいじられているが、実はイケメンの大坪店長
その目論見通り、ボードゲームをあまり知らない人がお客さんの半数以上を占める。一人で来店する人も多いので、そういうお客さんには相席を勧めている。実際、インタビュー中にアメリカ人の女性2人組が来店したが、一人は『カルカソンヌ』をちょっと知っているくらいで、もう一人はほとんど知らない様子だった。大坪店長は食事の提供をしながら、手が空いていればゲームのチョイスの相談に乗ったり、ルール説明もしたりと忙しそうだ。
英語教師だというアメリカの方が何か遊ぼうというので、ほかに来店していた日本人の男性2人をお誘いして『ボーナンザ』を遊んだ。お互いに初対面というだけでなく、こういうカフェでなければ会うこともないだろう組み合わせである。豆といえばコーヒー豆にもこだわりがあって、来客の1割はカフェのみの利用だという。カフェを飲みながら、壁にぎっしり並んだボードゲームを眺めていれば、遊ばないまでも気になるゲームは出てくるだろう。
現在は月末の土曜日に「B-Cafe Bar」というイベントを行っているほか、地元商店街のお誘いで出張実演も展開し始めた。徒歩でわずか2分のところにイエローサブマリン姫路店があるため物販は行っていないが、今後コラボも考えているという。
東京・大阪近辺にはもはや飽和状態とも言われているボードゲームカフェだが、地方都市にはまだまだ可能性を感じる。ボードゲームを知らない人にいかにして継続的に遊びに来てもらうかという別の課題もあるが、B-Cafeがひとつのモデルとなって、まずは政令指定都市、そして県庁所在地と広がっていけばいいなと思う。
ドイツゲーム喫茶 B-CAFE
〒670-0924兵庫県姫路市紺屋町80千葉ビル2F(JR姫路駅徒歩7分)
平日13:00~23:00、土日祝11:00~23:00/火曜休
30分250円、平日1日1200円、土日祝1日2200円
ウェブサイト
カフェだけの来客もある明るい店内。奥の方に段差があって秘密基地感もある。