追悼・高野豪氏を偲んで
ボードゲーム雑記サイト「Rule~色褪せない日々~」などを開設していたボードゲーム愛好家の高野豪(すぐる)氏が1月13日にお亡くなりになった。
2000年代前半より関東各地および名古屋周辺のボードゲームサークルに参加。『たほいや』『アップルトゥアップル』『こんなものどんなもの』などコミュニケーションゲームに早い時期から着目し、普及に貢献した。
またゲームマーケットでは「Peace-Kraft」「紳士服のたかの」というサークル名で出展し、「サムライ」という架空の漫才コンビによる台本同人誌を頒布した。風刺が効いたネタが満載で今でも読んで楽しめる。
2003年に発行されたインタビュー同人誌『Talking Blues』では、ゲームストア・バネストの中野店長、カワサキファクトリーのカワサキ工場長と共に、当サイトの管理人も登場している。以下はその中からの抜粋である。
おの 組み立てみたいなのはあります? ゲームを続けていくつもするときに、その順番っていうか…
たかの あんまり考えてない。ただ、似たようなゲームはあまり続けない。よほどのことというか、なにかネタになるようなものでもない限り続けないですね。
おの ああ、わかります。それは基本的なところでしょうね。
たかの 逆にコミュニケーションゲームだと、実はたたみかけることができるんですよ。これをふまえて、じゃあこれいきましょうか、みたいなね。
おの なるほど。ステップアップか。いいですね。
たかの コミュニケーションゲームって人を知るゲームなので。そうすると、そこからさらに次に行くこともできるし、そこから交渉ゲームにいくこともできるんです。
おの その組み立て方は、非常に斬新に聞こえます。いい、いい。
たかの なんかピッチングの組み立てみたいですね。バッターによって、直球一本で押すこともできるし、ちょっと外角に落としてからとか。
この対談収録のときのレポートを読むと、やはりコミュニケーションゲームが主体となっている。高野氏は、コミュニケーションゲームを通して非常にたくさんの人と接し、笑い合ってきた。あまりに早い旅立ちとなってしまったが、その姿はたくさんの人の記憶に残っていくことだろう。
この機会に、高野氏の遺した同人誌をもう一度じっくり読んでいるところだ。
R.クニツィアのエジプトゲーム『アメンラー』日韓国語版発売
テンデイズゲームは9日、R.クニツィアのエジプトを舞台にした名作ボードゲーム『アメンラー(Amun-Re)』日本語・韓国語版を発売した。イラスト・K.モワニュ、3~5人用、12歳以上、90分、8000円(税別)。
2003年にハンス・イム・グリュック社から発売され、ドイツ年間ゲーム大賞候補、ドイツゲーム賞1位、オーストリアゲーム賞エキスパート部門賞、国際ゲーマーズ賞ノミネート、日本ボードゲーム大賞フリーク部門2位など輝かしい受賞歴のあるゲームが帰ってきた。今回のリメイクはスーパーミープル社(フランス)によるもので、質感のあるピラミッドコマやエジプト調のミープルが同梱されている。
エジプトを舞台に、競りによる土地獲得とピラミッドの建設により、2つの時代にわたって高い得点を獲得することを目指す。
土地の獲得では押し出し式の競りが採用され、より高い金額を提示されるとほかの土地に移らなければならない。また、中間決算が起こると土地はすべてリセットされ、再び競りが行われるが、前半に建てたピラミッドが残るため、土地の価値に差が出てくる。
エジプト文明の長い歴史をゲームシステムに絶妙に落とし込んだゲーマーズゲーム。競りゲームを得意とするクニツィアの渾身の作品を豪華コンポーネントで楽しもう。
・play:game評価コメントリスト:アメンラー