住みよい惑星を作ろう!『リワールド』日本語版、1月中旬発売
ホビージャパンは1月中旬、ドイツの宇宙開拓ゲーム『リワールド(Reworld)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・W.クラマー&M.キースリング、2~4人用、12歳以上、50~90分、6000円(税別)。
『ティカル』『トーレス』などドイツ年間ゲーム大賞を数多く受賞しているクラマー&キースリングのコンビによる新作で、今秋にエッガートシュピーレ(ドイツ)から発売された。惑星エウリュビアへの「リワールド」計画を遂行する。先遣隊としてこの惑星に到着したプレイヤーたちは、これからやってくる移民船団に備え、エウリュビアを居住可能な惑星にして、名声をあげよう。
ゲームは2つの章にに分かれ、第1章はエウリュビアを居住可能にするために必要なモジュール(地球化ロボット、衛星、シャトル、建設チーム)を手に入れる。そのモジュールを母艦にドッキングさせてラインを作る。第2章は開拓で、モジュールを逆順で発艦させて都市を設立したり、防衛網を構築したり、入植者を集めたりする。多くの入植者を集めることで得点が入り、勝敗を決める。
長期と短期の戦略が噛み合わなければ勝つことはできない。ストーリー性もあいまって没入感を楽しめる作品だ。
内容物:ゲームボード1枚、母艦4枚、船員カード30枚、モジュールタイル100枚、都市標識20枚、移民船14枚、最終移民船1枚、得点マーカー4枚、布袋1つ、スタートプレイヤーマーカー1つ、ラウンドマーカー1枚、ルールブック1冊
飛騨古川(Hida-furukawa)
古くて新しい街づくり
香港のゲームデザイナーが映画『君の名は。』を見て作ったというオークション&ブラフゲーム。今年秋のエッセンに出展された。情緒あふれる街並みを作るには、狡猾でなくてはならない。
建物カードを握り競りで競り落とし、それを自分の前に9×9になるように並べていく。最後に各建物が得点になるほか、縦横斜めに同じ数字や連番のセットになっていればボーナスが入り、合計点を競う。
毎ラウンド、競りにかけられる建物カードを全部公開して確認した後、シャッフルして各プレイヤーに1枚ずつ配る。配られたカードを自分だけ確認して競りスタート。まず手番プレイヤーが値付けをした後、全員一斉の握り競り。バッティングすると次点に権利が移り、しかも勝っても負けてもビッドしたお金は返ってこないというシビアなオークションだ。
手番プレイヤーとしては、どれくらいの値をつけるか悩ましい。安値ではほかのプレイヤーに取られてしまうし、高値ではそれ以上出されたときに大損となる。このとき、今回のラウンドで出てくる建物カードを全部確認しておいたのが効いてくる。これからいいカードがまだ出そうな状況ならば、わざと安値をつけて大したカードでないことをアピールし、ほかのプレイヤーを油断させるというブラフもありだろう。
建物の中には、これから競りにかけられる裏向きの建物カードを見られる「ピーク」、臨時収入が入る「リファンド」、山札から建物が追加される「ドロー」、終了時ボーナスが増える「コンボ」、3×3マスの外側に置ける「エクステンド」、建物カードを場所交換できる「エクスチェンジ」があり、競り落とした人が効果を使える。これらのカードも皆が欲しがるところだ。
競り落とした建物カードを自分の前に置いて次の人の手番。こうして1枚ずつ一巡する。ラウンドの最後は、誰にも配られなかった建物カードの競りを一斉に行う。ここまでお金を残しておくべきか、その前に使い切ってしまうべきか、駆け引きのしどころである。
これを6ラウンドまたは4ラウンド(ショートゲーム)行って、自分の前に対べた建物カードの得点計算する。今回は4人で40分ほど。毎回1金ビッドでカモフラージュするオオツカさん、欲しいカードはストレートに大金をビッドしてくるhataさんと、ビッドの仕方に性格が出る。私は弱気なビッドでみんなのやる気を削ぐ作戦を取り、コンボ2枚でボーナスを増やして勝利した。
競りゲームが少ない昨今、小箱ながらヒリヒリした競りを楽しめる作品。和風の渋いイラストだけでなく、「喫茶店」「おもちゃ屋」「浴場」など建物名が日本語になっていて遊びやすい(江戸時代にあったかは分からないが)。できあがった街並みを見せあって「すべり台と風呂屋ばっかり(笑)」とか感想を語るのも楽しい。
飛騨古川
ゲームデザイン・H.チュ/イラスト・K.チェウン+J.ラム
キャップストーン(2017年)
2~5人用/8歳以上/30分
ゲームストア・バネスト:飛騨古川