ドイツで年代・国籍を問わないボードゲームイベント
ドイツ国内で世代を超えたボードゲームのイベントを開催する社団法人シュピーレカフェ・デア・ゲネラツィオーネン(Spielecafé der Generationen e.V.)は、27日、ドイツ南部プファルキルヒェンにて、ボードゲームイベント「ボードゲームを遊んで寛容になろう(Spielend für Toleranz)」を開催する。ポスターはドイツ語のほか、英語やアラビア語でも作られ、世代・国籍を超えた参加を呼びかけている。
2015年以降、人口の1%を超える100万人以上の難民・移民を受け入れたドイツでは人種差別や排外主義が表面化しており、これに反対してボードゲームジャーナリストであるU.バルチ氏が「ボードゲームを遊んで寛容になろう(Spielend für Toleranz)」のスローガンを呼びかけている。
イベントでは「ボードゲームは人を結ぶ! テーブル上ではみな平等!」をモットーに、出身地を問わず、言語依存のないボードゲームをプレイするほか、出身国のボードゲームの持ち込みも歓迎。食事や飲み物の持ち込みも歓迎で、さまざまな国籍の料理も楽しめる。
このイベントはドイツ年間ゲーム大賞選考委員会が後援しており、ボードゲームの自宅無料貸出も行う。アミーゴ社も『シリメツレツ』の体験会や、『アイスクール』の全国大会予選を開催する。
・Spielend für Toleranz im Spielecafé der Generationen
パッチワーク・エクスプレス(Patchwork Express)
先の先を読んで狙ったピースをゲット
今や2人用ゲームの定番となった『パッチワーク』(2014年)を作者がリメイクした。プレイ時間を短縮し、タイルのサイズを大きくしたのは、小学生やシニアをターゲットにしたという。とはいえ先の先を考えてパズルピースを選択する悩ましさは健在どころか、かえってフォーカスが当てられていて面白さがダイレクトに伝わってくる。
自分の手番には、テーブル上に並べられたタイルから1枚取って自分のボードに置くか、時間マーカーを進めてボタンを取る。タイルの多くは、取るのにコストとしてボタンを支払い、時間マーカーを進めなければならない。
手番は常に時間マーカーが進んでいないほうで、連続手番もありうる。ボタンの在庫と、時間マーカーの進み方によって、どのタイルが取れるかある程度先が読めるので、欲しいタイルが取れるように画策する。「私がこのタイルを取ると、相手はパスするしかないから、次にこのタイルが取れるでしょ。そうすると相手は…」
時間マーカーが進むと、途中でボタンを補充できたり、早いもの勝ちで1マスのタイルをもらえたりするところもアクセントになっている。時間マーカーが最後まで進んだら終わりで、最後は手持ちのボタンの数から、自分のボードの空きマス×2点を引いて合計を競う。
『パッチワーク』との違いは、マス目の少ないタイルは最初から並んでおらず、場の残りが5枚になってから補充する点。これによって、後で大きなタイルが余って置き場に困るということが少なくなった。また、7×7マスを先に埋めるともらえるボーナスタイルなどの要素がなくなっている。
ルールが絞られただけ、空きマスがないように埋めていくことに集中でき、相手との駆け引きも先鋭化する。プレイ時間は短くなったが、ライトになったという感じはしない(ルールも決して少なくはない)。1枚1枚のピースをめぐる攻防が熱い作品である。
Patchwork Express
ゲームデザイン・U.ローゼンベルク/アートワーク・K.フランツ
ルックアウトシュピーレ(2018年)
2人用/6歳以上/10分