絶妙なヒントと1mmの調整
「東←→西」「熱い←→冷たい」といった対立する軸の微妙なところを、ヒントから当ててもらうチーム戦コミュニケーションゲーム。『ザ・マインド』のヴァルシュの作品で、パルムコート(アメリカ)から「波長(Wavelength)」というタイトルで昨年発売され、ドイツ語版が「パーフェクトマッチ(Perfect Match)」というタイトルでシュミット社から出ている。ゲーム箱にはめ込む妙に大きい特製回転盤が目を引く。
2チームに分かれ、1人ずつ親を務める。回転盤のカバーを閉じて適当に何度か回した後、今回のテーマカードを選び、親だけがカバーを開けて今回の得点ゾーンを確認する。
親はその得点ゾーンを当ててもらえるように、ヒント(単語か短文)を言う。テーマカードの類義語、数字、時刻、パーセント、非実在のものを言ってはならず、ヒントを言ったらチームメンバーとのコミュニケーションは取れない。
チームメンバーは親のヒントをもとに議論して、赤い針の位置で予想する。相手チームは正解がその予想より左か右かを予想する。予想したらカバーを開けて、予想が当たっていれば得点(0~4点)。チーム交替して10点先取。
例えば「大人←→子ども」というテーマで、得点ゾーンは真ん中。18歳ぐらいの時期にやりがちなものと考えて「スポーツ」というお題を出した。ところが相手はあまり運動しないボードゲーマーである。「大人はスポーツやらないでしょう」といって、子どものほうに近づけて0点。
ゲームが進むにつれてチームメンバーを見て、このヒントならこの辺という感覚が整ってくる。だんだん「それは絶対当たる」という確信が持てる絶妙なヒントが出てくる。「もうちょっと左かな」とか言って1mmぐらいずらしたのが見事4点ゾーンに入るのも気持ちいい。
Wavelength
ゲームデザイン・A.ハーグ&J.ヴィッカーズ&W.ヴァルシュ
アートワーク・N.N.フヴァス&S.ハンニバル
パルムコート(2019)