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シュピール’19:プレビューナイト

エッセンシュピールでは今年初めて、新作の体験会「プレビューナイト」が開かれた。ゲームマーケット開幕の前夜に、協賛する出版社が新作を持ち寄り、午後6時から夜中の1時まで好きなだけ遊べるというもの。年々新作も来場者も増える現状、混雑する会場内で遊べるボードゲームはそれほど多くない。その中でこのようなイベントへの需要が増しているのだろう。食事もつかない有料イベントだったにも関わらず、多くの参加者で賑わった。
その中で遊べたゲームは、軽いゲームを中心に6タイトル。
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キッチンラッシュ(Kitchen Rush/D.トゥルツィ&V.バリアルタキス/ペガサス)
アーティピアゲームズ(ギリシャ)が2017年に発売した同タイトルの作品をペガサス社がリメイク。プレイヤーが分担して料理を作り、制限時間(4~5分)内にお客さんに提供する協力ゲームである。アクションは砂時計で管理され、砂が落ちきらないと次のアクションに移れない。その砂時計を1人2本もち、注文を取り、食材を揃え、調理場で料理する。慣れるにつれて調味料を取ってきたり、皿洗いをしたりといった仕事が増える。
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多重塔(Tajuto/R.クニツィア/アバクスシュピーレ)
クニツィアの日本ゲーム。袋からパーツを取って六重の塔を積み上げていく。パーツを置くたびに瞑想ポイントが得られ、その瞑想ポイントで追加アクションを行ったり、タイルを購入してアクションや得点を増やしていく。ゲームの中心は袋からパーツを取るところで、六重の塔は大きい順に積み上げなければならないため、瞑想ポイントが高い小さいパーツほど失敗するリスクが高い。くじ引きのような感じだが、1つはキープしておけるので少し先を見越した行動もできる。
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ハウスフリッパーズ(House Flippers/J.ビットナー&A.セドタル/スィットダウン)
『マジックメイズ』のスィットダウン社による砂時計を使ったスピードゲーム。砂時計が落ちるたびに手に入る資材を使ってカードを手に入れ、そのカードに描かれた資材でさらに上級のカードを手に入れていく。こうしてレジャーを規定枚数、手に入れたら勝利。砂時計はどんどん増えていき、落ちるたびにすかさず逆さまにしていくため、ほかのプレイヤーのことなどかまっていられないくらい夢中になるゲームである。
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アートボックス(Artbox/A.リス/ラヴカゲームズ)
お題を4つのダイスで指示された△□○/で表現するお絵描きゲーム。みんなが描き終わったらランダムに並べ、皆からお題カードを集めダミーを追加してシャッフルし、どの絵がどのお題かを当てる。『ぽんこつペイント』よりもさらに不自由だが、慣れるにつれて意外と伝わる絵が描けるものである。
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アウトバック・クロッシング(Outback Crossing、ミュッケシュピーレ)
オーストラリアの動物タイルを袋から引いてボード上に並べ、得点が高い列の所有権を争うタイル配置ゲーム。自分が所有権コマを置いた列に、同じ動物がたくさんいるか、全部違う動物ならば得点になる。タイルの位置を交換したり、所有権コマを移動したりできるアクションタイルが結構入っていて逆転要素が多い。得点の高いタスマニアデビルの行方が勝敗を分ける。
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アヌビックス(Anubixx/F&H.オルトレップ/NSV)
ダイスを振って出た色の石に印をつけ、ピラミッドやオベリスクを建設するロール&ライトゲーム。4つのダイスから親が2つまで選び、残りをほかのプレイヤーが使える。色が合わなければ石切場から取ってくることもできるが、石切り場では石の色に制約がある上に、使えば使うほど得点が減るので悩ましい。
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25時発で中央駅に行くシャトルバスもあったが、そんなに遅くまで遊んでいてはさすがに翌日に響くので地下鉄の終電で帰宅。明日からが本番だ。

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シュピール’19:開幕

10月24日(木)、ドイツ・エッセンにて、世界最大のボードゲームメッセ「シュピール(Spiel)」が開催される。日曜日までの4日間で20万人(前年比+1万人)の参加を見込む。
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36回目を迎え、ボードゲーム・カードゲームメインとしては世界最大のイベント。出展者数も昨年の1150団体から1200団体(53カ国)に増え、新作は昨年の1400タイトルから1500タイトルに増加。会場面積も80000㎡から86000㎡へと拡大し、2006年と比べて2倍になった。この間、出展団体数は倍増していないが、これは面積の大きいブースを取る団体が増えているためである。
新作の急増を受けて今年初めて、新作を試遊できるイベント「プレビューナイト」が行われる。65団体が参加し、開幕前日の18時から25時まで行われる。また金曜日を「教育者の日」として教育におけるボードゲームの可能性を探るフォーラムが開かれ、教師を始めとする教育関係者や専門家が議論を行う。
ほかにも土曜日には図書館など公共施設でのボードゲーム、イランのボードゲーム事情(関係者は入国許可が降りなかったが決行)、ユーチューブやポッドキャスト、ポータルゲームズの20年、ボードゲームは世界をいかに豊かにするかという5つのテーマでパネルディスカッションが開かれる。
innospiel2019.jpg革新的なボードゲームを顕彰する「イノシュピール(innoSPIEL)』は3回目。『マジックメイズ』『クールランニングス』に続いて今年選ばれたのは『壁をぬけて』。ツォッホ社の製品で、ゲームボードを回転させ、下にある磁石によって盤上を変化させることができる。メビウスゲームズで取り扱い中。ノミネートは『ディテクティブ(Detective)』『キーフォージ(Keyforge)』。


さらに今回初めての試みとして、4日間にわたってストリーム配信が行われる。専用の会場を用意し、ダイスタワーのT.ヴァーセル氏などが新作を紹介する。撮影で使われる特製ボードゲームテーブル(5000ユーロ相当)はwww.gleam.ioの賞品として提供されることになっている。
最後に、ボードゲーム出版社協会がボードゲーム市場を報告。前年比4%増、5年前と比べると4割増となっており、ファミリーゲーム、大人向けゲームが14%増と高い伸びを見せている。ジャンルとしては脳トレ&論理ゲーム、脱出ゲーム、カードゲーム、ダイスゲーム、ワードゲームが人気で、コンポーネントが豪華な50ユーロ(国内価格7000円)前後の高価なボードゲームもよく売れている。一方キッズゲーム、未就学児向けゲームははやや減少傾向であるという。