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アジト番号を推理『スパイを追え!』日本語版、1月30日発売

fungiveJ.jpgアークライトゲームズは1月30日、2人用推理ゲーム『スパイを追え!(Fugitive)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・T.フォワーズ、イラスト・、2人用、10歳以上、10~20分、3200円(税別)。
オリジナルはフォワーズゲームズ(アメリカ)から2017年に発売され、ゴールデンギーク賞でカードゲーム部門と2人用ゲーム部門にノミネートされた作品。ひとりがスパイとなってアジトを転々として逃げ切ることを目指し、もうひとりがスパイを追う捜査官となってアジトを暴き出して逮捕することを目指す。
0~42番のアジトカードがあり、スパイは0番からスタートして、手札から裏向きに出して42番を目指す。数字は3つまでしか飛ばせず、それ以上飛ばしたいときは別のカードをスプリントとして加えなければならない(加えた分も捜査官へのヒントになる)。捜査官は山札からカードを引いて消去法で絞り込みつつ、裏になっているカードの番号を当てる。こうしてスパイが42番までたどり着けばスパイの勝ち、その前に捜査官が裏になっているアジトの番号を全て当てれば捜査官の勝ちとなる。
スパイは捜査官の目をかいくぐって逃げ切れるか、それとも捜査官がスパイを追い詰め、逮捕するのか。短時間ゲームながら、だまし、だまされる楽しさがしっかり詰まったハラハラドキドキのカードゲーム。イベントカードを加えて変化をもたせることもできる。
内容物:ゲーム盤 1枚、捜査メモ 1枚、ペン 1本、役割カード 2枚、アジトカード 43枚、イベント発生カード 6枚、イベントカード 17枚、ルール説明書 1冊(※カードサイズ 63mm×89mm)
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サン・ドニ(Porte Saint Denis)

奥のアクションスペースへ
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パリには実は凱旋門がいくつもあり、一般に知られているのはエトワール門だが、その他にもカルーセル門、サン・マルタン門、サン・ドニ門などがある。これらの門にワーカーを送り込み、有名な建造物を建設していくワーカープレイスメントゲーム。ゲームマーケット2019秋に四等星から発表された。ゲームマーケットでは貴重な中重量級ゲームで遊びごたえがある。
メインは順番に各門にワーカーを配置するワーカープレイスメント。ここで3種類の資源とお金を集める。各門には6つのアクションスペースがあり、空いていればどこにでも置けるが、ポイントは「アクションのコスト変動」と「帰還条件」である。
アクションをするには、アクションスペースに記されたお金を支払わなければならない。コストは「自分が配置するアクションスペースのコスト」と「自分が配置するアクションスペースより手前のアクションスペースのうち、ワーカーがまだ置かれていない場所のコスト」の合計である。すなわち、誰も置いていない状態では、奥のアクションスペース(効果が強い)ほどコストが累積し、なかなか置くことができないが、手前(効果が弱い)からだんだん置かれていくと、奥のアクションスペースのコストが下がって置きやすくなる。誰も置かないうちに高いコストを払って奥を使うか、踏み台にされるのを承知で手前を使うかが悩ましい。
配置されたワーカーは、ラウンド終了時に自動的に帰ってくるのではなく、一番奥のアクションスペースが置かれた門のみから解放される。まんべんなく資源を集めようとしてあちこちにワーカーを置くと、なかなか帰ってこれない。しかしいろいろな資源がほしいので、うまく他の人に相乗りしてもらうことが必要となる。誰がどの資源をほしがっているかも考えておきたい。
一番奥のアクションスペースに置かれていたワーカーは得点化され、ワーカーとしてはもう使えなくなる。しかし各門で先に3人のワーカーを得点化したプレイヤーには特殊能力が与えられるので疎かにできない。
こうして集めた資源で、ワーカーの配置をパスした順番に(先にパスすると資源をもらうなどの特権もある)、建物の建設を行う。建物は早いもの勝ちで、さまざまな効果をもち、以降のゲーム展開を有利にしてくれる。また得点だけの城壁を建てることもできる。建物によって必要な資源の種類が異なるので、他の人に先を越されないようにしよう。
ゲームの中盤には、4つの門のほかに「モダンエイジ」が解放され、より強力なアクションができるようになる。特定のカードがなくなったラウンドでゲーム終了で、建物・城壁、得点化したワーカー、余ったお金の得点で勝敗を決める。
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4人プレイで90分。自分のワーカーがいる門にまたワーカーを置くと1金もらえる「サン・マルタン門」で資金力を付け、「ラ・ヴィレットのロタンダ」でアクションフェイズ中に城壁を作り、「ガルニエ宮」で城壁の得点を増やすという最強のコンボだと思ったが、最後に蓋を開けてみると3位。序盤から城壁に注力し、最後に「ノートルダム大聖堂」を建設したcarlさん、青の資源を最大活用したすきやきさんに敵わず。
18種類の建物はゲームごとにランダムに抜かれて使わないものがあるので、そのときの組み合わせによって戦略も変わりそうだ。ゲームバランスもよく練られ、最後まで勝敗が分からない白熱したゲームとなった。建物が全て実在で、イラストまで入っているところが建てた満足感を上げる。
サン・ドニ
ゲームデザイン・りかち/イラスト・mor!
四等星(2019年)
4人用/10歳以上/60~90分