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鈴木銀一郎氏逝去、『モンスターメーカー』のデザイナー

日本初のゲームデザイナーとして知られる鈴木銀一郎氏が本日、86歳で逝去したことを、ご子息で同じくゲームデザイナーのの鈴木一也氏が明らかにした。享年86歳。

1934年・東京上野出身。百科事典の編集者を経て1981年、ウォーゲームのデザイナー集団「レックカンパニー」を設立。エポック社と協力し「ワールドウォーゲームシリーズ」30タイトルをリリースする。1984年には有限会社翔企画を設立。1988年に大ヒット作『モンスターメーカー』を生み出し、カードゲームブームを巻き起こした。2012年に設立された翔エンタープライズでは最高顧問を務め、『ウルフレンド・クエスト』『シカゴ』『LONG SHOT競馬マフィア』『ユー・クライ・ウルフ 狼が来た!!』『セブンミッションズ』などの単独デザイン作品を精力的に発表してきた。

ゲームデザインだけでなく、『モンスターメーカー』から派生した『ドラゴンライダー』、任天堂のコンピュータゲームをノベライズした『ファイヤーエムブレム』シリーズなど著述でも活躍。将棋三段、囲碁五段の腕前を持つアナログゲーム一筋の人生を歩んだ。2013年に刊行された『ボードゲームワールド』では、一番好きなボードゲームはM.ウォレスの『オートモービル』と答えている。

告別式は1月9日12時半より東京・文京区の本法寺にて近親者のみで行われる。謹んでご冥福をお祈り致します。

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ポルト(Porto)

カラフルな家の窓には……

ポルトガル北西部の都市ポルトの、カラフルな家々が立ち並ぶリベイラ地区を舞台に、多層階の家を建てて契約を達成するタイル配置ゲーム。メボゲームズ(ポルトガル)から2019年に発売され、昨年の秋にサニーバードから日本語版が発売された。ミドルからライトぐらいのタクティカルなユーロゲーム。

手番には場からカードの合計が3以下になるようにカードを取るか、カードを2枚出して家を建てる。家を建てる時はプレイしたカードのうち1枚が色、1枚が数字となって、その色のタイルをその枚数だけ配置する。場札が全部2だったり、連続して3しか取れなかったりするとちょっと悲しい。色用には1のカード、数字用には2のカードを出せれば、2回に1回は家を建てられる。

得点は1階と最上階を配置した時にはタイルの点数が、それ以外では1枚1点のほかに、両脇にすでに家があれば得点が入る。また「青色の家を3階」などといったカードは手番で、「赤と青の家が隣接」などといったカードはゲーム終了時に満たすことでも得点が入る。ゲーム中に結構な得点が入ってくるのが小気味良い。

ゲーム終了時に満たすカードは各自に配られ、他のプレイヤーと両立するものもあれば矛盾するものもあるが、それは運次第。他のプレイヤーの条件は伏せられているので、あからさまな邪魔はできない。条件の早い者勝ち競争はあるものの、思い思いに得点を伸ばすことができ、手なりでも何とかなるのは物足りないと感じるか気持ちいいと感じるか人によって評価が分かれそうだ。

プレイ時間は公称50分とあるが、選択肢が限られていて長考しにくく30分ぐらいで終了。タイルやボードの描き込みがすごくて、「この家は洗濯物ばっかりだな」「こっちはネコばっかり」といった発見があると、異国に行ったように心躍らされる。

Porto
ゲームデザイン・O.サー/イラスト・L.L.リマ
メボゲームズ(ポルトガル、2019年)+サニーバード(2020年)
1~4人用/8歳以上/50分