空気を読んで出す
以心伝心でカードを昇順にプレイする協力ゲーム。今年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされている話題作である。ゲーム中に発言できないゲームとしては昨年のノミネート作『マジックメイズ』以上の集中力が求められ、神経が衰弱する。
ゲームはレベル1から始まる。レベル1は、各プレイヤーにカードが1枚ずつ配られる。全員集中したらゲームスタート。
カードは1から100の数字があり、数字の低い順にプレイしなければならない。手札より数字の高いカードを誰かがプレイしてしまったらライフを1失い、ゲームを続行する(プレイされたカードより低い数字のカードは全て捨て札にする)。
こうして全員が手札を出し切ったらレベル1クリア。手札を2枚にしてレベル2に進む。こうしてプレイ人数に応じたレベルを全てクリアできれば全員の勝利となる。
どうやって発言もジェスチャーもシてはいけない中で順番に出せるかというと「間」である。1のカードはスタートしたらすかさず出すのは分かるだろう。2~5のカードはちょっとだけ待って、6~10は一息おいて出すという感じだ。通しサインは不可だが、数字の大きいカードしかなければ一旦テーブルに伏せたり、よそ見をしたりして、今自分に出すつもりがないことをアピールする。
とはいえ1番違いを「間」だけで判断するのは非常に難しい。そこでお助けが手裏剣カード。ゲームが膠着したとき、一旦中断して協議し、全員が同意すればこのカードを投入する。すると各自手札の一番低いカードを1枚、表にして捨て、そのカードをヒントにできる。
レベルごとにライフや手裏剣がクリアボーナスとして入ることもあるが、最終レベルをクリアする前にライフが尽きれば全員の敗北。私の経験で勝率は3~4割といったところか。
しかしその上に、カードを伏せて出していく(プレイされたカードを次に出すヒントにできない)上級ルールがあり、もっとマゾヒスティックにプレイすることもできる。ゲーム中の苦しさは、クリアできたときの歓喜に変わる。その感動を味わいたくてまた遊んでしまうのだ。
The Mind
ゲームデザイン・W.ヴァルシュ/イラスト・O.フロンデンライヒ
ニュルンベルガー・シュピールカルテン出版(2018年)
2~4人用/8歳以上/15分
ゲームストア・バネスト:ザ・マインド
アークライト社より日本語版発売予定