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スタンピード(Stampede)

支払額にビックリーオークション

「最高入札者が支払う額は、2番目に高い入札額」という2位入札オークション(ヴィックリーオークション)はこれまで、ボードゲームで用いられることはほとんどなかった(『ゲームメカニクス大全』)。そこにダイスという不確実性を加えることで、「実際には安く手に入るだろう」という期待をもちつつ強気に入札するという心理を生み出し、結果としてインフレの高揚感を誘導している。

競り落とすのは切手カードで、種類ごとに一番多く持っている人が得点できるもの、逆に一番多く持っていると捨てなければいけないもの、単独で得点になるもの、マジョリティを取れそうにないなどの理由で獲得時に裏返してアルファベット連番にするものがある。手番プレイヤーは山札から切手カードを4枚までめくってオークションを開始する。4枚までめくると入札価格が高騰しやすいので、自分がほしいカードが来たらそこで止めるのも一手である。

それから全員、好きな個数のダイスを握り、一斉に振る。各プレイヤーのダイスは21個もあり、出し惜しみしていては落札できない。出目の運はあるが、個数が多いほど有利なのは確かだ。出た目を合計し、一番大きかった人が落札。二番目に大きかった額を支払うが、支払いに使うのは手持ちのダイスで、1個6金として扱う。たくさんダイスを振ると計算が手間取るが、全員の結果が出るまでワクワクして楽しめる。

切手カードの山札から終了カードが出たら即終了(誰かがダイスを使い果たして破産しても終了)。獲得した切手カードと、残ったダイスの勝利点の合計で勝敗を決める。

切手カードの効果で、全員の使ったダイスが再配分されるイベントもあり、振るダイス個数の相場はどんどん上昇する。理想を言えば自分だけたくさんダイスを振って、ほかの人が少なければ支払いが減ってお得なのだが、皆が同じことを考えている。お祭り騒ぎのようにダイス個数が増える中盤、そしてゲーム終了間際で破産を回避しつつ僅差のマジョリティ争いを繰り広げる終盤と、どの時点で勝負をかけるかも悩ましい。落札できるのは嬉しいことだが、僅差で2位になっても1位に一泡吹かせた嬉しさがある。そして何より、手から溢れんばかりのダイスを振ること自体が楽しい。

Stampede
ゲームデザイン&アートワーク:mor!(森晋太郎)
四等星(2021年)
3~4人用/10歳以上/40~60分

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ダイソーからサンリオコラボのボードゲーム3タイトル発売

大創出版は今月上旬より、100円ショップDAISOにてサンリオコラボの新作3タイトルを順次販売開始する。いずれもゲームマーケットで活躍しているゲームデザイナーがデザインを担当し、かわいらしいキャラクターたちからは想像もつかないような、大人でも本気で楽しめる仕上がりとなっている。各110円(税込)。店頭によっては取扱いのない場合あり。

『エカルタ』(ゲームデザイン・木村陽介 / 編集H1R0)はカードを12枚並べて、お題カードと同じ組み合わせを探すパターン認識ゲーム。カードは4分割になってサンリオのキャラクターが描かれており、パターンによっては2~4枚にまたがってるときもあって簡単には見つからない。真っ先に見つけた人は該当するカードを1枚取り、お題カードを代わりに入れることでパターンが変わっていく。2~6人用、6歳以上、15分。

『パタパタくるりん』(ゲームデザイン・オカベニアス / GOTTA2 )は4×4マスに手札からキャラクターカードを配置し、矢印の向きのカードをひっくり返していき、最後に自分にひそかに割り当てられたキャラクターが最も多く表になっている人が勝つ。自分のキャラクターは最後に公開するため、ブラフをかけることもできる。2~4人用、6歳以上、15分。

『スポーツフェスタ』(ゲームデザイン・尾根ギア)は何とトリックテイキング。親が出した競技カードと同じスートを出して、数字が一番大きいカードを出したら獲得できる。これに加えて中央の場には条件(「2位」など)を満たしたらもらえる特別賞があり、獲得トリックとの合計で勝敗を決める。3~5人用、6歳以上、10分。