メドゥーサの敗北(The Defeat of Medusa)
動けないジェスチャーゲーム
人間を石に変える力を持つ恐るべき怪物メドゥーサに、石像になってしまった勇者と、後からやってきた勇者が協力して挑む、動けないジェスチャーゲーム。ゾーイモーイからゲームマーケット2021秋に発表された。みんなが固まったポーズで並んでいるのが笑える。
メドゥーサ役のプレイヤーはまず今回のテーマ(料理、職業、キャラクター、プレイヤーの嫌いなものなど)を発表する。他のプレイヤーはカードを引いて、1人が勇者、残りが石像役になる。石像役はテーマに沿ったものをメモに書き、メドゥーサも勇者も見ていないところでその中から1つをお題に決定。そのお題を表すポーズを取る。こうしてメドゥーサはお題と勇者役を知らず、勇者はお題を知らないという二重構造になる。
お題を知らない勇者は、他のプレイヤーのポーズを見て何かを予想し、自分もポーズを取って混ざる。ここでようやくメドゥーサが目を開けて、まず勇者が誰かを当てにいく。当てればメドゥーサの勝利。
しかし皆謎のポーズを取っていて、勇者も誰かの真似をしているわけだから当てるのは難しい。そこで勇者を当てられなかったら、メドゥーサと勇者が一斉にお題を当てにいく。メドゥーサが外れ、勇者が正解すれば、石像と勇者の勝利。どちらも当たり、どちらも外れ、メドゥーサだけ当たりだったらメドゥーサの勝利。
ということで、石像と勇者の作戦としては、石像がわかりやすいポーズを取って勇者にお題を伝え、勇者は紛らわしいポーズを取ってメドゥーサを撹乱するということになる。しかし紛らわしいポーズが過ぎて勇者であることが当てられてしまわないように、ほどほどにしなければならない。
そういう作戦は確かにあるが、実際にポーズをしてみるとわかりやすいポーズというはなかなか難しく、勇者の頭を悩ませた。ジェスチャーは動きがあるからこそ伝わるのであって、静止していると急にわからなくなる。メドゥーサが当てられないものを勇者が当てるのは、かなりのファインプレイではないだろうか。
しかしそこまでガチなものでもなく、目を開けると皆が謎のポーズで固まっている光景に思わず笑ってしまう。ポーズで固まっている方も「これじゃ伝わらないなあ」「もっとこうすればよかった」などとあれこれ思うところだが、もう動けないのがもどかしくも楽しい。
メドゥーサの敗北
ゲームデザイン・ゾーイモーイ/イラスト・なかむらゆき
ゾーイモーイ(2021年)
4~6人用/7歳以上/15~30分
ボードゲームカフェバー:2021年の新規開店は30件
2021年のボードゲームカフェバーの新規オープンは30件だったことが、当サイト調べでわかった。過去最高だった昨年の52件から4割以上の減少で、長引くコロナ禍の影響が如実に現れている。
今年は年明けすぐから第3~5波に見舞われ、感染者・重傷者・死者ともに昨年以上。国の緊急事態宣言も1月と4月に出され、オリンピック前後の急増を経て9月まで解除されなかった。このような状況下で過去最高の新規オープン件数となった昨年から、5年前の水準へと後戻り。ただし飲食を伴わないプレイスペースは昨年までの水準を維持している。
現在、日本国内で営業しているボードゲームカフェは240件、ボードゲームプレイスペースは149件(ボードゲームカフェバー/プレイスペースリンク集)。ボードゲームカフェバーの閉店件数は10件と、昨年の11件、一昨年の11件と同程度。現在は多くのお店が平常営業に戻っているが、すでに飽和状態になっている地域もあると見られ、新規開店数はここからV字回復するのか、落ち着きを見せるのかは見通せない。