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クアックスと仲間たち(Quacks & Co.)

あのチップさえ引ければ……!

袋から引いたチップでさまざまなアクションを行いつつ、自分の動物を先にゴールさせるバッグビルド&レースゲーム。『クアックザルバー』のキッズ版として今年シュミットシュピーレ(ドイツ)から発売され、ドイツ年間キッズゲーム大賞にノミネートされた(大賞は『魔法の山』)。

最初はみんな同じ構成のチップを袋に入れてスタート。手番には袋の中身を見ないでチップを1枚引き、エサチップだったらその数字だけ進めた上に、アクションを行う。エサの種類ごとのアクションは、基本ルールと発展ルールがあり、効果が異なる。

基本ルール(プラムとニンジンはオプション)
リンゴ:ルビーを獲得
コーン:ダイスを振ってお楽しみ
キャベツ:前に引いたチップを袋に戻す
ベリー:ワープ
(プラム:ルビーの数だけ進む)
(ニンジン:クローバーを獲得)

発展ルール(プラムとニンジンはオプション)
リンゴ:ルビーを獲得
コーン:ダイスを振ってお楽しみ
キャベツ:もう1枚引く
ベリー:チップのグレードアップ
(プラム:チップ獲得)
(ニンジン:クローバーを獲得)

チップの効果はタイルで表示されており、難易度はそれほど違わない。

袋から引いたのが黒チップだったら残念ながら進めず1回休み。そして黒チップが3枚たまったとき、それまでに獲得したルビーで新しいチップを買える。ルビーの持ち越しはできず、連続で黒3枚出てしまうとルビーがなくて何も変えないというシビアなルールである(最下位だと買い物のとき1ルビーもらえるという救済策がある)。

チップは予算内で同じ種類でなければどんな組み合わせも可能で、ここにバッグビルドの楽しさがある。リンゴを多めに買ってルビーを増やす作戦もあれば、キャベツとベリーのコンボで先に進むことを最優先してもよい。コーンでダイス運にかける手もあるだろう。プラムとニンジンは4ルビーで買える高級エサチップ。これだけでも進みやすくなるが、累積型の効果があって終盤に向けて強くなっていく。

ゲームは誰かがゴール(クウェードリンブルクの市場)にたどり着いた瞬間に終了で、そのプレイヤーが勝者となる。終盤はたくさん進めるチップがどんどん出てくるので誰が勝つかわからない。

袋の中身を絶対に見ないで引くことや、コマを進めるのとアクションを行うのを両方忘れないこと、黒チップが次々と出て全然進めなくてもいじけないことはあまりキッズ向けではないように感じたが、勝敗がはっきりするレースゲームでは終盤のデッドヒートが大人も燃える。「あのチップさえ引ければ勝てる、あのチップさえ……よし、引けたー!」

Mit Quacks & Co. nach Quedlinburg
ゲームデザイン:W.ヴァルシュ/イラスト:M.メンツェル
シュミットシュピーレ(2022年)
2~4人用/6歳以上/25分

Posted in 日本語版リリース

めくって一致したらリアクション『タコス』日本語版、8月26日発売

ジーピーは8月26日、『タコス(Taco Cat Goat Cheese Pizza)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・D.キャンプベル、イラスト・不詳、2~8人用、6歳以上、10分、1760円(税込)。

ドルフィンハットゲームズがキックスターターを経て2018年に発売した作品。世界で累計160万部売り上げるヒット作品となった。昨年、アークライト社から発売された『タコ ネコ ヤギ チーズ ピザ』と同一の作品で、版権を移行しての発売となる。

各自自分の前に山札を置いてスタート。「タコス」「ネコ」「ヤギ」「チーズ」「ピザ」の順番で声をかけながら、『ジャングルスピード』の要領で自分の山札から1枚めくって出していく。そのうちに宣言したものと出したカードが一致していれば、場札を素早く叩いて、一番遅かった人が場札をすべて引き取る。こうして自分の前の山札を全てなくしたプレイヤーが勝者となる。

中にはスペシャルカードが混じっており、「ゴリラ」なら両手で胸を叩き、「イッカク」なら長い角のポーズをしてから場札を立たなかければならない。アクションを間違えたら引き取らなければならなくなる。

次は何のカードでリアクションするか次々と変わっていき、カードからは一時も目が離せないスリル溢れる作品だ。

内容物:カード 64枚、ルール説明シート 1冊