バベルの塔フランス語訳
ハンス・イム・グリュックのサイトに新作『バベルの塔』のフランス語訳がアップされた。これがニュースになるとは、なんだかまるでこれまでのハンス社の作品がローカライズされたものを除きフランスに紹介されていなかったかのような感じだ。
大人ゲーマーならば、アレアと並んで全作品を注目したくなる天下のハンスがもし隣国フランスにそれほど入っていないとしたら、フランスはアメリカや日本以下のボードゲーム後進国と揶揄されても仕方がないのではないか。それほどハンスの作品は、ボードゲーム文化の成熟をはかる物差しになりえると思う。
フランスといえばデカルト(オイロゲームズ)、それを買収したアスモデー、あとはシュミレーション系のティルスィット、アブストラクト系のギガミック、そして『ピッチカー』のフェルティ、『イス』のイスタリぐらいしか国外に知られたメーカーがない。デザイナーではB.フェドゥッティ、B.カタラ、P.パリエールがたくさんゲームを出しているが、実は結構ハズレが多い(私の好きなR.フラガは別)。オイロゲームズもそうだったが、アスモデーも当たり外れが大きいような気がする。フランスで大ヒットしたという『羊牧場』はドイツでもアメリカでも日本でもたいした話題を呼ばなかった。
これらのことをどう分析するか。フランス人はゲームに面白さを感じるポイントがずれているのか、ゲームのことをあまり知らないため後れているのか。タイトル数は出ているらしいフランスゲーム事情、ちょっと気になる。
キャロムの神シャンカラ((シャンカラはシヴァ神の異名。同じ名前の哲学者もいる。))に会う
新聞記事から訳出。
ムンバイ発:R.M.シャンカラが『私の夢の女神』(インド歌謡曲)を口ずさんでいたら,それはきっとキャロムのクイーンのことにちがいない。
シャンカラはバンガロール出身でインディアン・エアラインズ代表選手、28才の屈強な男だ。キャロムのランキング1位、世界チャンピオンである。この度はアンデーリ・スポーツコンプレックスで開かれた第34回ムンバイ大会・全国大会でムンバイに来ていた。彼は2000年デリーで行われた世界選手権を制覇し、2004年のスリランカ大会も優勝している。
「兄がキャロムプレイヤーで、プレイしているのを見てキャロムを好きになりました。」シャンカラは語る。「それからマリア・イルダヤムに憧れ始めました。彼のような世界チャンピオンになりたかったのです。タイトル獲得でやっと望みが叶いました。」
キャロムの国際大会が東南アジア諸国だけで行われていると思ったら間違いだ。アメリカ合衆国、フランス、イギリス、ドイツも参加している。シャンカラ自身もヨーロッパやアメリカ、マレーシアでプレイしたことがある。
「マレーシアは初めて行った外国でした」とシャンカラ。大会ではストライカーを3つ持ち歩く。「大会の前に10日間合宿をしました。旅行は心配でしたが、役員たちが安心させてくれました。」
バンガロールで彼はインディアン・エアラインズの交通管制官をしているが、コーチのR.S.サリム・アーメドと毎日8時間練習する。「白でも黒でもスラムを狙いますよ。」スラムとは、いずれかの色をクイーンと共に全て落とすことで達成される。
集中力を高めるため、シャンカラは朝に1時間ヨーガを行う。また、チェスを観戦して静かながら激しい戦いに感心したり、プレイヤーの精神力に驚いたりすると言う。額を指差して「マインドゲームですね。ちょっとキャロムに似ています。プレイはしませんけど。」
シャンカラはほかに趣味がない。結婚もしていない。「時間がないんです。」(The Times of India 2005/4/6)