ドイツゲーム界、任天堂DSに進出
ドイツでボードゲームデザイナーの手によるDSソフトが相次いで発売されることが分かった。
まず国内のボードゲーム愛好者にも高い評価を得ているドイツのゲームデザイナー、R.クニツィア氏による任天堂DSソフトでタイトルは『クニツィア博士の論理コーチ(Dr. Reiner Knizias Logik-Coach)』。世界を旅しながら、それぞれの都市でさまざまなゲームに挑むという。リオのカーニバルでダンサーを揃えるゲーム、シドニーのオペラハウスでメロディーを記憶するゲーム、ケープタウンで海の生き物をすばやく数えるゲーム、アステカ遺跡で石を集めるゲームなどが入っている。
日本でも川島隆太教授の「脳を鍛える」シリーズがDSソフトでヒットしたが、クニツィア氏のゲームは勉強よりも遊び心を重視した作りのようだ。
もうひとつは『原始スープ』でおなじみの夫婦デザイナー、D.マテウスとF.ネステルによる『ハリネズミ怒る(Igel Ärgern)』。上に乗ったり乗られたりしながらゴールを目指す双六ボードゲームで、初版は1990年に発売された。多彩なバリエーションルールもそのままにDSソフトに移植。子どもから大人まで遊べるゲームだ。
いずれも国内への輸入見込みは不明だが、国内でもDS版『人生ゲーム』が発売されており、アナログとデジタルの越境は今後も広がるものと見られる。
・Amazon.de:Dr. Reiner Knizias Logik-Coach
・Amazon.de:Igel Ärgern
・Spielen von Doris & Frank:Hurry Up Hedgehog for Nintendo DS
デザイナーたちがライセンスのない販売に抗議
(2007年6月20日、シュピールボックス・オンライン)
フーゴ・カストナー作『大フンボルト・エンサイクロペディア・ダイスゲーム』については以前の記事で紹介した。この本は数え切れないほどの古典ダイスゲームとデザイナー考案のダイスゲームが掲載されている。中にはとても詳細に説明されているため、読むだけでルールが分かって遊べるものもある。このため何人かのデザイナーが、了解なしに発売されたとして著作権侵害を訴え、法的手段を取っている。
ゲームデザイナー連盟(SAZ)の内部紙によると、訴えられた出版社は、「当該のゲームは十分な創作基準に達していない」というドイツ書籍取引協会の判断で争おうとしていることが明らかになった。多数のゲームは既発売のゲームのシステムやアイデアを用いているため、デザイナーの承諾なしにゲームのルールを公表する将来の先例になってしまうという恐れがSAZにはあるようだ。訴訟の結果が非常に注目される。
・Spielbox-online:Autoren wehren sich gegen nicht autorisierte Veröffentlichung