オーマイガー!(Aargh!)
そんなルールがあったような
自分たちでルールを決めてカードを出していくオランダのゲーム。カードには円、三角、四角が1〜2個、白黒で描かれており、背景の絵は3色あって、半分白いものもある。手札のカードを全部なくすことが目標だ。山札から1枚めくってスタート。
スタートプレイヤーは、「三角の上に四角を出せます」というように「○○の上に○○を出せる」というルールを言って、そのルールに沿って手札を出す。次の人もそのルールが守れれば手札を出せる。出せなければ山札から1枚引いて、「青の上に紫を出せます」などの新しいルールを作る。
問題は、前のルールも全て有効という点。誰かが出せないたびに新しいルールが追加されていくから、ルールはそのうち10以上にもなる。前に決められたルールを覚えておけるか……そう、これは記憶ゲームなのである。存在しないルールでカードを出すと、ペナルティがある。
盛り上がったので2ゲーム続けてプレイ。1ゲーム目はゆるくて分かりやすいルールが多かったが、2ゲーム目になると「白い三角の上には赤白のカードが置ける」など、2度と使えないようなややこしいルールが続々。しかも1ゲーム目で作ったルールと紛らわしくて混乱しまくった。カードが少なくなるにつれて、適用できるルールが少なくなるから厳しい。そんな中でかろうじて覚えていた最後の1枚を出せて勝利。
「こんなルールがあったような、なかったような」という微妙な判断に悩むのが楽しい。『フラックス』のような先の読めない面白さと、自分でルールを作れる創造性の兼ね合いが面白かった。
Aargh!
R.デ・リーク/レルム・オブ・ファンタジー(2005)
2〜6人用/10〜15分
インクハート・ダイスゲーム(Tintenherz – Das Würfelspiel)
取られる前に取るか
ドイツの児童文学作品に基づく映画のダイスゲーム。原作”Tintenherz”(インクの心)は2003年に出版され、23ヶ国語に翻訳された。日本でも『魔法の声』(リンク:アマゾン)というタイトルで発売されている。国際的な人気を受けて、2005年に続編”Tintenblut”(インクの血・邦題『魔法の文字』)が、2007年に”Tintentod”(インクの死)が出版され、この3つをあわせて「インク三部作」と呼ぶらしい。
映画(リンク:公式サイト)はB.フレイザー主演で2008年に独米英で公開されているが、日本では公開されていない。『ロード・オブ・ザ・リング』『ライラの冒険』のニューラインシネマが製作元である。
ドイツのコスモス社はこれまで4タイトルのゲームを発売している。小説をもとにしたK.トイバー作のボードゲームと、映画をもとにしたカードゲーム・ボードゲーム・ダイスゲームである。いずれも国内では発売されていない。今回遊んだのはダイスゲームで、デザインはM.シャハト。
2個のダイスを振って、そのいずれかか、合計の数に一致するカードを場札から取る。ほかの人から奪ってもよい。取ったら、奪われる前に、またその数字を出して確保しよう。新しいカードを取るか、確保して取られないようにするかの選択が悩ましい手軽なゲームだ。
中にはマイナスのカードもあり、ほかに取れるものがなければ取るしかない。得点計算は、カードの数字の合計に、ハートマークをかけるが、ハートマークを1つ減らせば、マイナスのカードを帳消しにすることもできる。
最も出やすい2〜6のカードは攻防が激しく、速攻で確保する動きが見られた。一方、数字の大きいカードは取られにくいが確保もしづらい。映画ファンというだけの人にも遊べるミニマムなルールで、エキサイティングに仕上げているのはさすがシャハトだ。
トイバーのボードゲームの気になっているが、その前に原作を読んでみるかな。
Tintenherz – Das Würfelspiel zum Film
M.シャハト/コスモス(2008)
2〜4人用