ワード・ウィツ(Word-Whiz)
できるだけ長い単語で母音稼ぎ
カードで指示された3つの子音で単語を作るワードゲーム。1996年のドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品。
各プレイヤーは母音(A,I,U,E,O)のコマが乗ったボードをもつ。目標はこれらのコマを一番奥まで進めること。場には3枚の子音カードがあり、山札から1枚めくって1つだけ変える。この3つの子音を含む単語を考えて、思いついたら中央の「マイクロフォン」(赤い棒)をいち早く取る。正しい単語がいえたら、その単語に含まれる母音の分だけ、コマを進める。ルールはこれだけ。
例えば写真ではB,S,Vの子音が出ているが、volleyballsという答えが出た。Oを1マス、Eを1マス、Aを1マス進められる。単数形、複数形、過去形、現在進行形などのかたちは問わないが、辞書に載っていないもの、2単語以上のものはNG。
できるだけ長い単語を出せば、母音も多く含まれるからたくさん進める。でも、最終的な目標は全部の母音をゴールさせることなので、あまり進んでいない母音を意識して使わなければならない。英語だとUが難しい。
妻とサシで1戦。F,Q,Cという子音に対して妻がfrequency(頻度)でスタートしたときは、勝てないかなと思ったが、S,M,Dでseemed(見えた)、T,H,Kでthank(感謝する)などの短い単語を出して勝利。怪しいときは辞書を引いたが、ブラウザーがbrowserという綴りだとは知らなかった。
このゲームは、ワードゲームには珍しく日本語でも遊ぶことができる。VやQやCなどのローマ字表記で使わない子音を予め取り除けばよい。3文字では簡単すぎるなら、4文字にしてもよいだろう。
Word-Whiz
H.ビュッケン/egシュピーレ(1996年)
2〜4人用/10歳以上/30分
パーフェクトアリバイ(Das perfekte Alibi )
ジャングルに行った目的は散歩です
『ブラフパーティ』と同じフランス人のデザイナーが作った多人数ゲーム。20人までプレイ可能ということになっているが、このゲームの主人公は共犯者2人と、裁判長1人で、あとは全員裁判員である。
まずカードには犯行現場の場所が書いてあり、まず1枚引いて実際の犯行現場を決める。しかし実際どこであったかはゲームに関係がない、単なる雰囲気付けに過ぎない。次にもう1枚引いた場所で、共犯者はアリバイ工作をする。
2人は別室に移り、3分間でその場所に関するアリバイ工作をする。「歯医者」だったら、それがどこにあって、何階建てで、行った時間はいつで、どれくらい混んでいて、先生や受付の性別は何でといったことについて口裏を合わせておく。
時間になったら1人目が呼ばれる。もう1人は尋問が聞こえないように別室で待機。そして裁判員から8〜10問くらいの質問を受ける。裁判長は、その場所に関係のない質問や、片方しか知りえない質問をしないようにチェックする。口裏を合わせていないことを聞かれたときに、どう答えるかが見所だ。
続いて2人目が呼ばれ、1人目と同じ尋問を受ける。1人目は同席して、アイコンタクトなどせずに黙って聞いていなければならない。でもその表情がおかしい。ポーカーフェイスをどこまで貫き通せるか。
この尋問の結果を聞いて、裁判長が有罪か無罪かを言い渡す。有罪なら裁判員チームの勝ち、無罪なら共犯者の勝ち。
1回目のアリバイは歯医者。くさのまさんもtomokさんも動画で撮りたいような演技派だったが、混み具合と診察室の広さについて食い違いがあったため有罪。2回目はなんとジャングル。carlさんと私は綿密に打ち合わせをしていったが、ジャングルがあった国名で(口裏合わせでは「南米」としか決めていなかった)、carlさんが「ブラジル」と答えていたにもかかわらず、私が「ブラジル」を言いかけて撤回したのが怪しまれてやはり有罪。
共犯者が、口裏を合わせた通りになるかどうかのスリルを味わえるだけでなく、裁判員にもアリバイを崩すような鋭い質問力が求められ、とても盛り上がった。
Das perfekte Alibi
C.ルメイ、P.ルーセル/ハイデルベルガー(2008年)
5〜20人用/10歳以上/15分