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ドット付きひらがなタイル

普段のゲーム会ではなかなか遊べないワードゲームを、妻が育児休暇のうちに遊んでもらっている。これまでに『ヤーゴ』、『ワードウィツ』、『クイビックス』、『バイワード』を遊んだ。
どれもそれなりには楽しめたが、英語のボキャブラリーの少なさにがっかりするし、正しい単語かどうか判定するのにいちいち辞書を引いているとテンポが悪い。以前、『スクラブル』を遊んだとき、DO→DOES→DOESNTぐらいしかできなくてつまらなかったのを思い出す。
そこで、同じゲームを日本語でできるドット付きひらがなタイルがあればいいなと思う。使用頻度によって枚数を変えると共に、「ぬ」は3点、「あ」は1点というようにタイルにドットをつける。そのほかにジョーカータイル。
これで『クイビックス』と『バイワード』は遊べる。また『ワードラミィキューブ』(英語版はある)や『スクラブル』もできるだろう。ほかに自分でゲームを考えてもよい。
もちろん、アルファベットよりひろがなの種類が多いので、同じルールで遊べるかどうかは慎重なテストプレイが必要だろう。日本語タイルの『メイクワード』というゲームが50年ほど前に出ていたらしいが、濁音・半濁音のタイルもあって出しづらかったという。
日本語ワードゲームは、カードゲームでは『ワードバスケット』や『もじぴったん』、タイルゲームでは『あいうえおプラス』や『日本語スペラ』が販売されているが、いずれもドットはついていない。

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ほんのきもちです(Only a Token of My Gratitude)

背徳の指ざわり
ほんのきもちです
熨斗袋をもらって、目の前で中身を透かしたり、厚さを指で確かめるようなことをするのはタブーである。子供だってお年玉をもらってそんなことをすれば親に怒られるだろう。大人ななおさらできない。でも、気になる。中身はいくらなのだろうかと。そんなお行儀の悪い行為を堂々とやってしまうのがこのゲームだ。
まず各自手持ちのお金を3枚の熨斗袋に自由に振り分けて入れる。千円、5千円、1万円札があり、千円札はたくさんあるので、熨斗袋が厚ければ高いというわけではない。
手番には、誰でもよいので熨斗袋を1つ選び、となりの人に「ほんのきもちです」と言って渡す。相手はすぐ中身を透かしたり、厚さを指で確かめたりして、受け取るかどうかを決める。ただし中を開けてはならない。いらなかったらさらにとなりの人へ。こうして熨斗袋は誰かが受け取るまで回り、誰も受け取らないと自分が強制的に引き取ることになる。
3枚の熨斗袋を受け取った人はもう受け取れない。こうして全員3枚受け取った時点でゲーム終了。受け取った熨斗袋を開けて合計金額の多い人が勝ち。実に洗練されたルールである。
透かしてみると、1枚目が何円札かは分かる。指で触ると厚さも分かる。でも1万円札の下は全部千円札かもしれない。逆に薄くて1枚目が千円札でも、あとは全部1万円かもしれない。悩みながら何度も透かしたり厚さを触ったりしている姿を見るのは笑えてたまらない(特に私のような職業柄だと)。
持ち主の顔色が大きな推理材料になる。「これいっぱい入ってますか?」「いえいえ、ほんの些少です」「こっちはだいぶ薄いですね」「でも1万円札ばかりですよ」その時どんな顔をするか。
千円札5枚という自分で仕込んだ貧乏くじを誰も引き取ってくれず、一方1万円札もはいった厚い熨斗袋は素直に引き取られてダメダメ。でもくさのまさんの仕込んだ4千円というのに神尾さんが引っかかっていた。1位は厚さで素直に集めたくさのまさん。勝敗はともかく、最後に開けて喜びと失望で盛り上がった。本物のお金じゃないのに。
このゲームは4年前のゲームマーケットで販売された。遊んでみたい方は、作者であるHammerさんのページでルールが公開されているので、熨斗袋と子供銀行のお金でどうぞ。でもくれぐれも現金では遊ばないように。
ほんのきもちです(同人ゲーム)
Hammer / Hammer Works(2006年)
4〜6人用/10歳以上/45分