ニュルンベルク国際玩具見本市2011
第62回目となるニュルンベルク国際玩具見本市(Spielwarenmesse)が2月3日から6日間にわたって開かれ、出展者・来場者ともに昨年を上回った。
出展者は63カ国から2,683社が出展し、来場者は昨年を3%上回る79000人。イタリア、フランス、オランダ、スペイン、イギリスなど、ドイツ国外からが増え、54%に達している。一方の出展者にいたっては、69%がドイツ国外から。出展者は「業者の国際性がニュルンベルクではたいへん高い。主にアメリカとカナダの来場者がほとんどのニューヨークトイフェアと異なり、ここでは世界中の顧客と会える」と述べている。
今年は”Toys Go Green”と題して、環境に配慮した材料や梱包や、環境教育に役立つ玩具の特集も行われた。エルランゲン大学の市場調査によると、60%の親が、長持ちする玩具ならば価格が1割増でも買うと答えたという。
2010年も4億ユーロ(450億円)の売上を堅持しているボードゲームの分野では、トレーディングカードゲームが激減した分を、ドイツ年間ゲーム大賞作『ディクシット』(30万セット)や、ラベンスバーガー社で昨年最も売れた『ラープを倒せ』(20万セット)、レゴ社が新たに発売したボードゲームシリーズが補って売上増につながった。新作は、短時間で遊べるライトゲーム傾向が強まっている。
革新的な玩具に対して2004年から贈られているトイ・イノベーション賞は、今年から年齢別のトイ・アワードに変わったが、デジタル玩具で占められ、ボードゲームはノミネートもされていない。
・TGW:ニュルンベルク2011新作情報
・Spielwarenmesse Nürnberg:Schlussbericht
私の世界の見方:新世界(Neue Welten)
まだ見ぬ世界へ
スイスのワード系コミュニケーションゲーム『私の世界の見方』の拡張セット。単独で遊ぶこともできるし、カードのサイズは同じなので基本セットに混ぜて遊ぶこともできる。昨年のエッセンで発売されたものを、年末年始にかけて翻訳し、お正月のゲーム会に間に合わせた。
遊び方は前回と同じで、親がお題カードを読んで、空いている部分に入る回答カードを全員が出す。それに山札から引いたダミーカードと一緒に混ぜて、1枚ずつ発表。親は主観でベストと思うものを1点選ぶ。選ばれたカードを出した人がポイントで次の親に。ダミーカードを選んでしまったら減点。規定ポイントを最初に取った人が勝ち。とっても簡単である。
今回、お題カードも回答カードもさらに癖の強いものが入っていて破壊力抜群。回答カードを3枚要求するお題など、新機軸にも注目される。
写真のお題はミツバチの大量死の原因を問うもの。「催眠術」「こむらがえり」「なめめるような視線」などに打ち勝ったのは「退屈な日常」だった。そりゃみんな死ぬわ。
ほかにも、えさをやってはいけない動物園で動物たちを喜ばせるには―お金、南極の地下14kmで地球を操っているもの―エノキダケなど、今回も見事な回答が相次いだ。
『私の世界の見方』はヘビーローテーションで、ほとんどのお題を遊び終えてしまった今(毎回、回答は違うので楽しいことは変わりないが、「ああそれね」みたいな反応で少々盛り下がる)、こんな拡張が出てくれたことが嬉しい。
Neue Welten
U.ホシュテトラー/ファタ・モルガーナ(2010年)
2〜5人用/8歳以上/30分
国内未発売、テンデイズゲームズで発売予定