Posted in 国産

テラフォーマー(Terraformers)

宇宙開拓にはまってらぁ
テラフォーマー
カードの特殊効果をうまく使いこなすことで、惑星の環境を整え、優れた第2の地球を作り上げるゲーム。鋭いボードゲーム評論や『ドミニオンレシピ』で知られるてらしまさんの初作品となる。カードの組み合わせで展開が全く変わるのが魅力で、ゲームマーケットの体験卓では、繰り返し遊ぶ姿も見られたという。
さまざまな効果を持つカードは22枚入っているが、1ゲームで使うのはたった8枚だけ。「推奨のシナリオ」として4つの組み合わせがあるが、ランダムに選んでもよい。基本的には惑星レベルを上げるものと、得点を上げるものがあり、カードの組み合わせによって、どこに重点を入れて惑星を成長させればよいかが変わるようになっている。
惑星レベルは7種類あり、プレイヤーシートで表される。アクションポイントを増やす「都市レベル」、都市に酸素を供給する「緑化レベル」と「酸素」、アクションのパワーを上げる「科学レベル」、汎用性の高い「コスモレベル」、軍事力を上げる「戦争」、得点を増やす「カーニバル」。このうち「○○レベル」と付くものは一度上げればもう下がらない恒久的なもので、ゲームを通してより高いレベルをめざす。
手番にはカードか惑星レベルを1つ選んで、パワーコマを好きなだけ置く。カードは早い者勝ちのワーカープレイスメントだが、惑星レベルを上げてからカードに置いたほうが効果が大きい。どちらを優先するかで駆け引きがある。
パワーコマは都市レベルの数だけあり、さらに科学レベルの分だけパワーが付加される。つまり科学レベルが高ければ、置くコマの数が少なくても、コマをたくさん置いたのと同じになる。科学レベル重要。
全員パスするまで何周でも行い、最後に酸素チェック(都市レベルに酸素が追いついているかのチェック)、戦争(戦争に置いたパワーコマが多い人に得点)、カーニバル(カーニバルに置いたパワーコマの分だけ得点)がある。戦争はいくらたくさん置いても、ほかの人より少なければ得点にならないから、アクションポイントを節約して後手番に選択できるようにしたいところだ。
6ラウンドでゲーム終了、得点の高い人の勝ち。
「最初のゲーム」というシナリオでプレイ。喜び勇んで「巨人族(持っている限り科学レベルが上がる)」を取りにいったが、最初のラウンドでは全く役に立たないまま次のラウンドで取られてしまい、大幅に出遅れる。遅れを取り戻すべく都市・科学レベルを上げるのに集中しているうち、戦争やカーニバルの得点が取れなかったこともあり、1位のかゆかゆさんと倍スコア。かゆかゆさんは戦争で毎ラウンド得点を重ね、最後の「移民船」を取って切り抜けた。大量得点できる「移民船」を取るべく、そのために先手番を取れる「四次元人」の争いが熾烈で面白かった。
複数のシナリオ、アクションポイント、ワーカープレイスメント、さらにフードサプライ※という、現代ボードゲームで最も愛されているシステムを詰め込んだ作品だから面白くないはずはなかったが、カードが8枚しかないことから、効果を確認するのに手間もかからず、プレイアビリティが高い。1ゲーム終わるとまた遊びたくなり、はまる人が多そうだなと思った。
※フードサプライ…定期的にワーカー分だけ食料があるかをチェックし、足りないとペナルティがあるという悶絶のシステム。『アグリコラ』『ルアーブル』など。
テラフォーマー
寺島由人/遊星からのフリーキック(2010年)
2〜4人/30〜60分
萬印堂:テラフォーマー
遊星からのフリーキック:テラフォーマー

Posted in 国産

レインボー(Rainbow)

虹の出しどころ
今回のゲームマーケットで運営団体に入ったグランペールは、一挙に3タイトルのカードゲームをリリースした。どれもよい出来だったが、特に面白かったのがこのゲームである。順番にカードを出し、強い順に場札を取って点数にするというだけのシンプルなゲームなのに、実際に遊んでみると、ルールを聞いたときには想像もつかなかったような手番のアヤと駆け引きがものすごく熱い。
場札を人数分並べてスタート。スタートプレイヤーから時計回りに手札を出す。出し方は1枚だけ(ソロ)か、同じ数字を数枚(セット)か、連番で何枚か(ラン)。セットが出たら、次のプレイヤーからはセットかソロ、ランが出たらランかソロしか出せない。前の人より強いカードを出さなくともよい。場札と手札を見比べて、今回はそんなに頑張らなくていいと思ったらソロで降りよう。
というのも、手札の補充はないからである。ここがこのゲーム1つ目のポイント。手札がなくなったらゲームから抜ける(そして2人抜けたらゲーム終了)。だから場札があまりよくないときに、カードをたくさん出してしまうと、後で何も取れなくなってしまう。手札をどこまでセーブしていくかがカギになる。
セットでもランでも、枚数が多いほど強く、同じ枚数なら数字の大きいほうが強い。全員が出したら、自動的に強さの順番が決まる。強い順に、数字の大きい場札を取る。これは点数として手札とは別にしておく。
そして、全員が出した手札を、数字ごとに分けて次のラウンドの場札にする。ここが2つ目のポイント。数字の大きいカードを出すと、次のラウンドの得点がはね上がる。しかしそれを取るために、手札に数字の大きいカードを温存しておかなければならない。手札をセーブしながら、いつ強いカードを出すか。セーブしすぎると、カードを出す前にゲームが終わってしまう。
そのタイミングはほかのプレイヤーが出すカードによっても大きく左右される。とっておきのカードを出してもほかの人と競合してしまえば、あまりよい場札をもらえない。手番順に応じたスマートなカードの出し方が求められ、駆け引きも生まれる。
序盤は小さい数字のカードで様子を見るみんな。やがて大きいカードが少しずつ出てくると、一気に場が熱くなる。私はセーブ気味にいって、最後にとっておきのカードを出すことができたものの及ばず。どんどん手札が少なくなっていく中で、毎回毎回どこまでカードを出したらいいか悩みまくった。
ちなみに数字は6までしかないが、スウェーデンの虹は6色である。
レインボー
沙月みと/グランペール(2010年)
2〜6人用/8歳以上/20分
グランペール:レインボーの遊び方
レインボー