ゲームマーケット2011春
今年で12回目となるゲームマーケットが12日、浅草の東京都立産業貿易センター(台東館)で行われた。2年間ぶりの参加となったが、その間に参加者は1200→1500→2200人と急増してきた。主催のアークライトの山上氏によれば今回、昨年の2200人を超えるのは確実だという。
今回も、企業・大型ブースの4階と同人・小型ブースの5階の2フロアである。開場の2時間前からどちらの階にも行列ができ、10時の開場時には100人ほどとなっていた。アナウンスがあり、出展者が拍手して開場。
4階で最も長い行列ができたのはワンドローである。新作の『7つの島』が70個限定という情報が伝わっていたため、売り切れを恐れたファンが真っ先に目指したようだ。約30分で売り切れ。次いでゲームストアバネストとホビージャパンの行列が長い。5階では、FLIPFLOPsの行列が最も長かった。ここではニンテンドーDSゲーム『世界樹の迷宮』のイラストを担当した日向悠二らが参加したデッキ構築ゲーム『ハートオブクラウン』が販売されていた。毎年おなじみのKing’s Court(『ワンダフル映画祭』)が次に長い。
行列に並んで限定品をゲットしたら、後は思い思いにブースを見て回る。今年は開場後にやってくる人が多く、どんどん人が増えていった。体験卓・フリー卓もいっぱい。
ゲームマーケットの主役はやはりショップ(クリックで拡大)
私はというと会場内の写真を撮りながら、久しぶりに会う方、初めて会う方との会話に夢中になった。昨日のエントリーを見て、話しかけてくださった方もいた。近況報告、今日の注目作品、市場の動向、ネット上の諸々など、同好の士と語ることが私にとってゲームマーケットの目的だったので、十分に達成できたことに満足している。
午後2時からは、日本ボードゲーム大賞の授賞式でゆうもあブースへ。投票部門で1位に選ばれた『キャット&チョコレート』の作者・川上亮氏に草場純氏から賞状が手渡された。川上さんは早速次の作品の構想を練っているが、なかなか形にならず焦っているとのこと。でも続編ではなく新作を作りたいという意気込みに、まだ見ぬ新作への期待が膨らんだ。
午後3時からは毎年恒例の公開オークション。オークショナーは皆さんおなじみ、『ワードバスケット』の作者でもある小林俊雄氏である。たくさん集まった人たちは、小林さんの絶妙な合いの手にときどき笑いながら、白熱したオークションを繰り広げていた。今年の結果は、価格順に以下の通り。
1.オール・ボール・コールゲーム(国産)22000
2.キャンディ工場(Drops & Co.) 21000
3.アクワイア(Acquire (3M))20000
4.王への請願(Um Krone und Kragen)15000
5.カタンの開拓者(Panasonic Edition)14500
6.古代ローマの新しいゲーム(Neue Spiele Im Alten Rom)13000
7.メンバーズオンリー(Members Only)12500
8.ピクショナリー日本語版12000
9.相性チェックどきどきワクワクゲーム7000
9.モダンアート(Modern Art)7000
11.カサブランカ(Casablanca)6800
12.アクワイア(Acquire (Avalon Hill))6700
13.アベ・カエサル(Ave Caesar)6500
13.スロット・ブラザース6500
15.ドラゴンマスター(Dragonmaster)6000
15.ミスター ダイヤモンド(Mister Diamond)6000
17.王と枢機卿(Kardinal & Konig)5500
17.市場のお店(Auf Heller und Pfennig)5500
19.利益 廃液(Muell + Money)5000
20.ドメモ(Domemo (Ravensburger))4000
21.ザ グレイト ガリア(Der Grosse Gallier)3500
公開オークションが終わると、すごろくやのセールの時間である。サンプルや箱潰れ品などを1人1個限定で大放出。中には0円などいう品も。実はここが本日、開場時のどこよりも長い列だった。
終了近くなり、今年の売れ行きを何人かに聞いて回った。皆が口を揃えるのは、価格に関してシビアになったということである。みずてんで買うことがなくなり、内容と価格を吟味して吟味して結局買わなかったり、中古ゲームは値下げして値下げして、ようやく買い手がついたりしたという。客層に20代が増えたことによるのかもしれないという見方もあった(4桁の外食はためらわれるという感覚、分かる分かる)。そのため、同人サークルで製作コストがかさんだところは苦戦したかもしれない。
ホビージャパンで発売された『花火』(A.ボザ/カクテルゲームズ)は超新作。何と、カクテルゲームズの社員がフランスから直接持ち込んできた。今回のゲームマーケットでは、カクテルゲームズのほかに、ムーンスターゲームズ、イスタリゲームズの人も来日。話を伺うと『キャット&チョコレート』『ヒットマンガ』『ひも電』で日本のボードゲームシーンが注目され、革新的なアイデアを求めているのだという。韓国ビジョナリーゲームズ、台湾スワンパナシアの出展に加えて、海外スカウトが来ているとは、ゲームマーケットの国際化に驚く。
予約していた分の購入を済ませると、あっという間の終了時刻。片付けを始めるブースの方々や、食事やお茶の相談をする知り合いを後にして、後ろ髪(ないけど)を引かれる思いで新幹線に向かった。
秋のゲームマーケットは11月27日(日)。もう今から楽しみにしている。
都内ゲーム会
ゲームマーケット前日のゲーム会。場所は今回初めてとなる「かりくら」である。R&Rステーションがあったビルの最上階で、メインは店名の通り、携帯ゲームの『モンスターハンター』だが、ボードゲームも遊べる。みんな黙々と遊んでいたらどうしようかと思ったが、適度に会話もあり、また店内にはBGMも流れているのでちょうどよかった。椅子の背もたれが高いのと、ほかの人が携帯ゲーム機を見つめているので、周囲のテーブルが気にならず、プレイに集中できた。値段は5時間で1人1000円。R&Rステーションやイエローサブマリンと比べれば割高だが、無線LAN・コンセント完備なのと23時まで開いていることで使い勝手がよい。
今回は、ふうかさんとkarokuさんと共に、日本語ルールのないゲームを原文直読みでプレイした。
海底二万里(20.000 Meilen unter dem Meer)
ノーチラス号に乗って、チップを集めるオランダのセットコレクション。ノーチラス号は立体のギミックで、回転したり、潜水したりできるようになっている。手に入れたチップは順番に並べ、縦横に揃っていれば得点になるという仕組みで、ほしいチップを手に入れるには、手番順まで考えていかなければならない。横列を見事に揃えたふうかさんの勝利。(Arthur Tebbe/University Games, 2009/2〜5人用//60分)
ロンドン大火1666年(The Great Fire of London 1666)
ロンドン市内にどんどん広がる火事の中で、自分の家を守り、消防で手柄を立てるゲーム。自分の家を守るというよりは、ひたすら他人の家に火を向けるという強烈なゲームだった。それでも、火元を消火すると、そこから先が燃えにくくなるなど、戦略的な要素があって考えさせられる。最後まで家が残ったらボーナスというエリアは全てなくなり、かろうじて家を多く残したふうかさんの勝利。(Richard Denning/Medusa Games, 2010/3〜6人用/12歳以上/80-120分)
明日はゲームマーケット。何年かぶりの参加となる。前売りのパンフレット、荷物を入れる大きめの袋、多めの千円札を用意して気合十分。あと昼食を食べに行く時間がもったいないので、カロリーメイトとペットボトルを持参する予定だ。会場で、メガネをかけた黒バンダナを見かけたら声をおかけ下さい。
・ふうかのボードゲーム日記:秋葉原ゲーム会