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ダチョウサーカス(Ostrich Circus)

やりたくないけど「俺がやるよ!」
ダチョウサーカス
6種類のサーカス演目を、競りで3枚以上取らないように集めるカードゲーム。今年の春のゲームマーケットで発売された。クニツィアのバーストゲーム『ノミのサーカス』に勝るとも劣らない緊張感と笑いがつまっている。
出てくる芸はファイヤーリンボー、バス落下、熱々おでん、わさび寿司、粉まみれ、バンジージャンプとバラエティー番組にはおなじみ(?)のものばかり。5枚の場札から2枚がめくられ、順番にその芸をやるかどうか宣言する。やりたいときは「俺がやるよ」、降りたいときは「どうぞどうぞ」。
2人以上やりたいときは、もう1枚めくって2周目。こうして誰か1人になるまでカードを増やしていく。最後に残った1人は、場札を引きとって自分の前に並べる。
自分の前に並んだカードは、1種類につき2枚までは得点になるが、3枚以上取ると客に飽きられてしまったことになって失点になってしまう。ある程度は取りたいが、どのカードも満遍なくくるとは限らない。むしろ取りたくない場面のほうが多い。
しかし、降りたら降りたでチキンチップを取らされる。やらぬも損のチキンレースである。チキンチップを取らないで降りるには、誰かが我慢しきれずに降りて場のチップがなくなったところで降りるのがよい。でもみんながそう考えているから、チキンレースは一層激しくなる。ほかの人がどの芸ならOKで、どの芸はアウトなのか見極めておかないと痛い目にあうだろう。
競りのシステムが、ゲームとして面白いだけでなく、ゲーム中の笑いも取れるようになっているのが素晴らしい。もう1枚くらい大丈夫かなと思って「俺がやるよ」と言ったら、今まで「俺がやるよ」と頑張っていたみんなが全員「どうぞどうぞ」と降りてしまったり。そんなときはもちろん、「聞いてないよ〜!」。
ダチョウサーカス
川崎晋/カワサキファクトリー(2011年)
3〜4人用/6歳以上/20〜30分
絶版・入手難

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砂漠のトラック(Der Wüstentruck)

みるみるうちにガス欠
砂漠のトラック
12面ダイスを積んだトラックがゴールを目指して激走するレースゲーム。作者のコンラート(『ナゲット』『ヴィーノ』)は最近新作を発表していないが、シュピールボックス(spielbox、ドイツのボードゲーム専門誌)誌でバリアントルールの提案を行ったりしている。
手札3枚からカードを1枚出して自分のトラックを進める。ダイスは燃料になっており、1マス進むたびに1減らし、0になったらスタートに戻らなければならない。
砂漠だからだろうか、コースは『アベカエサル』のように狭く、同じマスには止まれない。ほかのトラックを追い越すには、そのトラックより残り燃料が少なくなければならない。ほかにも、追加の燃料が必要なマスがあり、気がつけば、あっという間に燃料がなくなっている。
カードには、進む/戻るのほかに、ダイスを反転させるカードがある。12面ダイスも上下の面の合計は全て13(6面ダイスは7)なので、2だったら10、3だったら9に戻せる。また、ほかのトラックから燃料を奪うというえげつないカードもある。これと途中の給油所マスに止まって満タンにすることで命をつなぐ。
燃料を奪えるカードがあるということは当然、トップが狙われる。私は序盤順調にいっていたなと思ったら、燃料を奪われて進めなくなり、スタートに戻る羽目になった。再スタートでは、同じく戻っていたtomokさんとバッティングしてまたガス欠。2回戻ったのは私だけで、当然最下位であった。
優勝は、激しいトップ叩きをかわしたcarlさん。みんなが次々とスタートに戻る展開になるとだれるが、誰かが叩かれているうちに力を貯めて、一気に抜き去るが戦略よさそうだ。5〜6人だと1人1台なので、スタートに戻された時点で脱落同然だが、4人以下だと、1人2台うけもつので勝機があるかもしれない。
Der Wüstentruck
C.コンラート/ブレイントラストゲームズ(1995年)
2〜6人用/8歳上/45分
絶版・入手難