関係箱(Beziehungskisten)
思わぬ連鎖反応の連続
人間関係というものは複雑である。友人の友人が、気が合うとは限らない。嫌いな人が嫌いな人は好きな人かもしれないし、好きな人が好きな人は、嫌いな人かもしれない。誰と誰の相性がいいのか、悪いのかをよく見て、人生を進めるレースゲーム。先日紹介したdbシュピーレで、リメイクされていない作品である。
登場人物は7人。手札からカードを出して、対応する人物を進める。ゲームの最初にゴールに早く着く人物を3人予想し、当たった得点の合計を競う。
最初に手札を見て、早くゴールしそうな人物を3人選び、それぞれ「×3」「×2」「×1」と書く。「×3」と書いた人が1位になれば7点×3で21点を得るが、7位だったら1点×3で3点にしかならない。
予想が終わったらレーススタート。カードを出して人物コマを進めるが、ほかの人物コマを同じマスになったときがこのゲームの特徴。ボードに表があって、何色と何色が同じマスになったら、どちらが何マス進み、どちらが何マス戻るか書いてある。
例えば赤のお姉さんは、黄色のモヒカンと同じマスになると3マス進み、モヒカンは1マス戻る。逆に白のサラリーマンと同じマスになると1マス戻り、サラリーマンが3マス進む。自分が応援している人物が進みやすいようにカードを選ばなければならない。
さらに、相性で移動した先にまた別のコマがあると、連鎖が起こる。2連鎖、3連鎖も当たり前で、動かしてみるまでどうなるか分からないほど。先頭集団から離れると、連鎖しにくいので逆転が難しい。置いていかれないようにしたい。
ゲームが進むにつれて、誰がどの人物に賭けているのか読めてくる。その人物を自分が応援していなければ、下位に沈むようコントロールしたいところだが、人間関係は難しいものでそう思い通りにはいかない。ほかの人も思い思いに進めるので運任せの部分が多いが、ここぞというときにはカードの選択が大事なゲームである。
Beziehungskisten
D.ヘン/dbシュピーレ(1994年)
3〜8人用/7歳以上/30分
絶版・入手難
シュピール’12新作情報:アミーゴ
ドイツゲーム界の最大のお祭りであるシュピール’12(エッセン国際ボードゲーム祭)が10月18日(木)から4日間にわたって行われます。
このページでは、新作情報を各メーカーのウェブサイト、ニュースサイトから翻訳し、どのような新作が出るかを見ていきたいと思います。日本に比較的入りやすく、よく知られているメーカーを中心に紹介しています。ゲーム名は直訳で、後に輸入販売されるときには別になるかもしれません。
例年1番最初に情報を出すアミーゴ社から。ダイスゲームを続々投入してきました。
★ダイスマニア(Würfelmania)
ザ・ヘイワイヤーグループ作、2〜6人用、12歳以上、30分。
マスの指示でカードを引き、カードに指示されたダイスの課題をクリアすると進めます。課題は「30秒以内に6つ積み上げる」「3つゾロを出す」「クイズに答える」など100枚。使用するダイスも、4面ダイスから20面ダイス、ポーカー、カラー、アルファベット、ダイスインダイスまで133個が同梱されています。最後のマスでマイスターチャレンジを成功させた人が勝者です。
★ナッツの上に(Auf die Nüsse!)
M.フェルトケッター作、2〜4人用、8歳以上、30分。
ダイスを振って、出た目を組み合わせ、その数字のマスにリスのコマを置きます。マスに指定された数だけ、リスが集まると、ナッツを取って巣に持ち帰ることができます。2匹いれば取れるところから、4匹必要なところまであって、ダイスの出目を見て早く取れそうなところを選ばなければなりません。たくさんのナッツを持ち帰った人が勝ちます。アライグマのマスにリスを置くと、ほかのプレイヤーの巣からナッツを盗むこともできます。
★スコットランドレース(Schotten Rennen)
T.レープマン作、2〜4人用、8歳以上、20分。
カードを並べてコースを作ります。2個のダイスを振って、自分のコマがいる前のカードの数字以上を出せば進むことができます。何回でも進めますが、カードの数字が出せないとバーストで、1マスも進めません。11や12など、難しい局面ではリスクコマを使って、リスクダイスを追加できます。上級ルールでは、順位によって数字が異なるマスや、大きい数字を出せば一気に進めるマスなどが登場します。
★私のだ!(Meins!)
A.ペリカン、A.プフィスター作、2〜4人用、8歳以上、30分。
高級クラブのメンバーが、展示品を持ち寄って自慢し合います。3×3マスに並んだ調達カードから縦横斜めに1列3枚取って、展示品カードに指示された組み合わせにします。展示品は早い者勝ちですので、ほかの人が狙っているものを考えながら調達カードを集めなければなりません。最後に、展示品カードのカテゴリー(玩具、芸術、文学、スポーツ、映画・音楽)別に多く集めた人に勝利点が入り、合計の多い人が勝ちます。
★ボーントゥビーワイルド(Bohn to Be Wild)
U.ローゼンベルク作、1〜7人用、12歳以上、60分。
タイトルはステッペンウルフの『ワイルドでいこう!(Born to Be Wild)』をもじったものです。9〜19まで11種類の豆が登場します。『ボーナンザ』と同じゲーム進行ですが、将来めくった豆を獲得できる権利を与える「交渉カード」、1つの畑に2種類の豆を植えたり、2枚分になったり、手札の順番を無視して植えたりできるワイルド豆が含まれています。ワイルド豆は強力な効果をもつ反面、畑で一番上にあると収穫しても収入がないというデメリットもあります。
★アンダーカバー(Heimlich & Co.)
W.クラマー作、2〜7人用、8歳以上、45分。
1986年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞したスパイゲームが復刻します。7人のスパイのうち、サイコロを振ってどのコマを進めてもかまいません。ただし自分のスパイはゲームのはじめに密かに指定されています。ほかの人が担当していそうなスパイを妨害しつつ、自分のスパイで高得点を集めます。2001年のリメイクと同様、カードでスパイを移動するバリアントと、他人のスパイを予想するバリアントが付いています。
★ゲオマグ(Geomag)
M.ネーダーガード作、2〜6人用、6歳以上、10分。
『ワードバスケット』の要領で、場にあるカードと同じ国旗があるカードを、その国名をいって出します。手札を早くなくすことを目指します。1枚のカードには8つの国旗が描かれており、どれを合わせてもかまいません。国名は国旗の下に(ドイツ語で)書かれています。
★ドラゴンズ(Dragons)
A.ルーニー作、2〜5人用、8歳以上、20分。
アメリカのルーニーラボが2011年に発売した『セブン・ドラゴン』のドイツ語版です。ドラゴンが描かれたカードを並べて、自分の色のドラゴンを7匹つなげることを目指します。
★シュパズル(Spuzzle)
ゲームブラザーズ作、1〜4人用、4歳以上、15分。
カードをめくって、カードに示されたパズルのタイルを取ったり、ほかの人から奪ったりします。タイルを集めて最初に動物を完成させた人が勝者です。
★ハリガリジュニア:カラスくつ下(Rabe Socke – Halli Galli Junior)
ゲームブラザーズ作、2〜4人用、4歳以上、15分。
絵本のキャラクターを使った子供用ハリガリです。