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ブラフーンズ(Bluffoons)

ブラフゲームのデパート

ドイツのボードゲームメッセで見つけてきたイギリスのボードゲーム。出版社はパンツ・オン・ファイヤーゲームズ。英語で、子供の野次”Liar Liar Pants On Fire(ウソつき、ウソつき、パンツ火がつき)”から取っている。メッセのブースでは、下から光と風が当てて火に模した布(スーパーによくあるアレ)の上にパンツを下げて目立っていた。

そのパンツ・オン・ファイヤーゲームズが今年発表した作品がこの『ブラフーンズ』だ。5つのブラフゲームを制して、最初にゴールに着くことを目指すという、まさにウソつきゲーム。


コインを何枚握ってる?

手番プレイヤーのコマが止まっているマスのゲームを行い、勝者がコマを進める。ゲームのカテゴリーはコイン、カード、ダイス、ジレンマ、じゃんけんの5種類だ。

  1. コイン:各自コインを0~2枚握り、プレイヤー全体で何枚握られているかを予想する。ほかの人の予想から、多めに握っているか少なめに握っているかを予想するが、あべこべを言っている人がいるかもしれない。
  2. カード:1~15の数字が書かれたカードを混ぜて1枚ずつ配り、順番に1からカウントアップ。配られたカードより大きな数字を言っていると思ったらチャレンジする。平気な顔で数字を上げるチキンレースが楽しい。
  3. ダイス:4つのダイスを振って出た役を宣言。次の人はチャレンジするか、パスするか、レイズして振り直す。役はワンペア、ツーペア、スリーカード、フォーカードの4つしかないのでレイズは難しいが、その分、奇跡的に高い役が出たときの興奮は異常。
  4. ジレンマ:有名な囚人のジレンマを実体験。1人を指名し。自分とその人が「協力」か「裏切り」かのカードを同時に出す。2人とも協力なら1マスずつ進め、2人とも裏切りなら3マスずつ戻る。片方が協力で片方が裏切りなら裏切りを出したほうが3マス進める。
  5. じゃんけん:最初に何を出すか宣言してからじゃんけんする。当然うそをついてもよい。「グーを出します」「じゃあ私はパーを出しますよ」「じゃんけん、ポン!」

さらに、1対1で戦うデュエル、カードやダイスを見ないで宣言しなければならない「ブラインド」があって変化に富む。ブラインドのカードかダイスで勝つとブラフーンカードがもらえ、じゃんけんをやり直すなどの特殊能力が得られる。

じゃんけんの読みが冴えて私が最初にリーチをかけたが、その得意としていたじゃんけんで塚本さんに負けてからはずるずる後退。ゴール前での一進一退の攻防を制した塚本さんがウソつき王者となった。

Bluffoons
R.マックラッキー、S.M.ウォーカー/パンツ・オン・ファイヤーゲームズ(2012年)
3~6人用/8歳以上/45分
国内未発売

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氷河わたり(Schollenhüpfen)

ずれていく氷河

動く氷河の上で魚を集める記憶ゲーム。『ラリー・ファリー(Rally Fally)』と共に、磁石専門のボードゲーム出版社の製品として注目していたものだ。ドイツ教育ゲーム賞2010受賞(3歳以上部門)。木製の氷河の裏には穴があって、そこに磁石が埋め込まれている。そこに金属製のアザラシチップや魚チップがぴたりとくっついて、氷河を持ち上げても落ちないようになっている。

氷河わたり
魚の入った氷河はどれだったか・・・

手番にはカードを引き、その指示に従って氷河を差し込む、自分の色のシロクマを移動する、移動先の氷河をめくるといったアクションができる。氷河をめくって魚がいれば見事ゲット。このときには、磁石のついた棒でくっつけて穴から取り出す。こういう細かい仕掛けが嬉しい。このときアザラシが出ると、前にとった魚を1匹奪われる。

氷河は大小さまざまなかたちをしており、わきから差し込むと全体的にずれる。このさまが流氷を見るかのようで美しいが、覚えていた並び方が変わるので混乱する。その結果、もう魚をとった氷河をまためくってしまったり、アザラシが出たり。反対から落ちた氷河はそのままにしておいて、また次の機会に差し込むことになる。

もうひとつのお楽しみがイヌイット。これが出ると、イヌイットを移動して、その下にいる魚の数をみんなで当てる(上級ルール)。当たれば魚をゲットできるというものだ。これまた覚えていたつもりでもなかなか当たらない。

誰かが合計10匹の魚を捕まえたら勝ち。リーチになるとつい油断してアザラシをめくってしまい、接戦になったのがエキサイティングで楽しかった。

Schollenhüpfen
M.グートマイヤー、H.マスホルダー/オーバーシュヴェービッシェ・マグネットシュピーレ(2010年)
2~4人用/5歳以上/20分
国内未発売