クウィックス(Qwixx)
苦しくなるほど気合が入る
サイコロの出た目で、できるだけたくさんX印をつけるダイスゲーム。小箱ながら今年のドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品に選ばれた。1人が振ったサイコロの目を全員が使えるので、他人の手番にもやることがあり、待ち時間をなくしたところが新しい。
ゲームの雰囲気は、『ストリームス』に似ている。『ストリームス』ではカードを引くところがサイコロに変わったことで、自ずと気合が入る。
手番には、白いサイコロ2個と4色のサイコロ4個を一度に振る。このうちまず、白いサイコロ2個の合計は、全員が利用できる。各自に配られた記録用紙で、その数字のところにX印。列は4色あるが、どの列にX印をつけてもよい。
次に、手番の人のみ、色のついたサイコロ1個と白いサイコロ1個を組み合わせて、その色のその数字にX印をつけることができる。こうして、手番ならば2つまで、手番以外ならば1つまでX印が加えられていく。
しかしここで制約がある。どの列も、左から右にX印をつけていかなければいけないというルール。赤の列は2,3,4,5,6,・・・10,11,12という数字が並んでいるが、例えばいきなり赤の6にX印をつけたら、赤の2~5にはもうX印をつけられなくなる。この制約がだんだんきつくなってくる。
都合があまりよくないと思ったら、X印をつけなくてもよい。しかし手番プレイヤーの場合、2つともX印をパスすると、失敗で-5点となってしまう。また、欲張り過ぎてパスしまくっていると、ろくにX印がつかないままゲームが終わってしまうかもしれない。
というのも、1つの列で5つX印をつけた人は一番右の数字と、さらに一番右のカギマークにもX印をつけることができ、これを誰かが行うと、その列が閉鎖(もう誰もX印をつけられなくなる)されてしまうのである。のんびりしていてはいけない。ときには数字をいくつか飛ばしても、X印の数をふやしたほうがよい。
2列が閉鎖されるか、誰かが4回失敗したらゲーム終了。列ごとに、X印の数に応じて得点し、合計得点を競う。
序盤はどこにでもX印をつけられるから余裕だが、次第にX印をつけられるところが減ってくる。強制パスで失敗ということもしばしば。そんな中、どの列も順調に増やしたまあさんが1位。待ちすぎた鴉さんは、列がどんどん閉鎖して終わっていた。「ここで12が出れば!」というような場面が増えていくので、サイコロを振るにも気合が入る。同じサイコロの目でも、「よし、きた!」と喜ぶ人、「そこじゃない~」と嘆く人に分かれるのが面白い。
Qwixx
S.ベンドルフ/ニュルンベルガー・シュピールカルテン出版(2012年)
2~5人用/8歳以上/15分
ゲームストア・バネストから発売予定
ドイツ年間ゲーム大賞2013ノミネート
ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)選考委員会は本日、各部門のノミネート作品と推薦リストを発表した。赤いポーンの年間ゲーム大賞、青いポーンの年間キッズゲーム大賞、灰色のポーンの年間エキスパートゲーム大賞の3部門について各3タイトル、合計9タイトルがノミネートされた。ノミネート作品の中から、赤と灰色のポーンは7月8日にベルリンで、青いポーンは6月10日にハンブルクで大賞を決定する。
メインである年間大賞(赤)にノミネートされたのは、手軽なダイスゲーム『クウィックス』、ローマがテーマの『アウグストゥス』、協力カードゲームの『花火』。小箱が2タイトルも選ばれている。
選考委員のT.フェルバー氏は、今年は箱が小さくても面白いゲームが多かったことを挙げ、3タイトルに共通して待ち時間が少ないゲームを選んだとコメントしている。推薦リストには9タイトルが挙げられた。
3年目となるエキスパートゲーム大賞(灰色)のノミネートは、ファンタジーをテーマにした『アンドールの伝説』、建設ゲーム『カッラーラ』、商人たちの権力争い『ブルージュ』が選ばれた。ゲームの舞台を地理学的に考慮に入れたという。また、戦略性と難易度においてこの賞の範疇を超える2タイトルを推薦リストに入れたとしている。
年間ゲーム大賞から半ば独立しているキッズゲーム大賞(青)は、動物の絵合わせ『ムッカ・パッツァ』、カギを探し出してお姫様を助ける『お姫様を助けるのは誰だ』、動く丸太で川を渡る『オリノコの黄金』がノミネートされ、推薦リストには10タイトルが挙げられた。
【年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)ノミネート】
アウグストゥス(Augustus / P.モリ / ハリケーン)
花火(Hanabi / A.ボザ / アバクスシュピーレ)
クウィックス(Qwixx / S.ベンドルフ / ニュルンベルガーシュピールカルテン出版)
推薦リスト:ゆらゆら海賊船、ロンド、ヤイ(Yay!)、ラ・ボカ、エスケープ、ミクストゥア(Mixtour)、手を胸に(Hand aufs Herz)、ディヴィナーレ~倫敦の霊媒師、リベルタリア
・Kategorie: Spiel des Jahres 2013
【年間エキスパートゲーム大賞(Kennerspiel des Jahres)ノミネート】
ブルージュ(Brügge / S.フェルト / ハンス・イム・グリュック出版)
アンドールの伝説(Die Legenden von Andor / M.メンツェル / コスモス)
カッラーラ(Die Paläste von Carrara / W.クラマー、M.キースリング / ハンス・イム・グリュック出版)
推薦リスト:テラ・ミスティカ、ツォルキン~マヤ神聖暦
・Kategorie: Kennerspiel des Jahres 2013
【年間キッズゲーム大賞(Kinderspiel des Jahres)ノミネート】
お姫様を助けるのは誰だ(Der verzauberte Turm / ブラント夫妻 / ドライマギア)
オリノコの黄金(Gold am Orinoko / B.ヴェーバー / ハバ)
ムッカパッツァ(Mucca Pazza / I.ロスバッハ / ツォッホ出版)
推薦リスト:小さな魔法使いリヌス、ゴキブリコイコイ、クーデルムーデル(Kuddelmuddel)、ムーヴ&ツイスト(Move & Twist)、ピンギ・ポンゴ(Pingi Pongo)、ビンバン(Bim Bamm!)、バオバブ(Baobab)、マダガスカル・カタンジュニア、ミックス・フィックス(Mix Fix)、レゴ・スターウォーズ(Star Wars – Battle of Hoth)