エルファーラウス・ボードゲーム(Elfer raus! – Das Brettspiel)
止めといてプレゼント
世界的ボードゲームデザイナー、R.クニツィア博士の初来日が3日後に迫っている。水道橋のボードゲーム専門店メビウスゲームズが、オープン20周年を記念して招聘を実現したものである。23日の講演会で通訳を務めるけがわ氏は、ポッドキャスト「ボードゲーム大学」で氏の作品を熱く語っている。いやが上にも盛り上がってきた。
博士の来日に合わせて、メビウスゲームズが輸入販売するゲームがこの作品。七並べのようなカードゲームに、ちょっとした味付けをして変化に富んだゲームに仕上げている。
ボードには4色で各20番までのタイル置き場がある。手番には、手持ちのタイルから3枚まで、ボードに置き、袋から補充する。
ボードにおけるのは基本的に11(タイトルは「11番から」という意味)と、そこからつながっているタイルのみ。1枚も出せなかった場合でも袋から補充する。小さい数字、大きい数字は序盤に置くことができないから苦しい。
4つの列は途中でリンクしており、どこかが止められてもほかのルートからつなげて出すことができる。だんだん楽になってくるけれども、伸びない方面をどうするかが問題だ。
2枚連続でタイルを置けると、1枚を左どなりの人にプレゼントできる。これが伸びていない方面のタイルを処理する手っ取り早い方法だ。「いらないっすよ!」 でもその人もまたプレゼントしているうちに、自分のところに返ってくるかもしれない。
誰かが手持ちのタイルを置ききったら勝ち。置けなかったタイルは、数字の数だけ失点になる。だから数字の大きい方を優先的に出しておきたい。
能勢さん、けがわさんと3人でプレイ。緑の大きい数字が伸びず、20番や18番がプレゼントで回る展開。そのうちほかの色の20番が置かれたので一気に開通したので、どんどん置けるなと思っていたらもう能勢さんの手札がなくなっていた。
置けるけれども戦略的に置かないという7並べの基本に、2枚置きボーナス狙いが加わり、早く置いたほうがよいのか、もう少し我慢したらよいのか、一層悩ましくなった。
Elfer raus! – Das Brettspiel
R.クニツィア/ラベンスバーガー(2012年)
2~4人用/8歳以上/30分
貧乏陶芸家(Poor Potter)
3グラムで1点
陶芸家たちが粘土を使って陶芸の企画を競り合う同人ゲーム。昨年秋のゲームマーケットとで発表された作品で、今年のゲームマーケット大阪でも発売されている。油粘土と電子はかり付き(ボタン電池LR-2032は別売)。
順番に手札から1枚競りにかける。ほかの人は自分の粘土をちぎって出し、重さを測って、一番重い人が競り落とす。粘土はカードを出した人にもとに行き、3グラムで1点。競り落としたカードの得点と合計して一番多い人が勝つ。
粘土をたくさん出すと相手の点数が増えてしまうので、できるだけ少なく出したい。でも少なすぎるとほかの人のほうが多くて競り落とせない。だんだん相場というものができてくるので、その相場なりの粘土を、手の感覚で測れるかがポイントだ。
もうひとつのポイントはカード。「1」のカード1枚~「8」のカード8枚があり、ゲーム終了時に種類ごとに何枚場に出ていたかによって価値が変わる。多く出るほど価値が上がるものと、逆に下がるものがあるのが面白い(『じゅうたん商人』を彷彿とさせる)。価値が下がるものは、当然ビッドされる粘土も小さくなる。手に入る粘土が小さくなるが、それを集めているほかの人がそれ以上に損するならば、下げにいってもよい。
山札から終了カードが出たらゲーム終了となる。山札に残るカード、手札に残るカードがあるので、値段がどこまで上がる(下がる)か、楽しみにして待とう。
4人プレイで20分。序盤はだいたい12g前後で落札されていたので、13gあたりを狙って作っていく流れ。その中で思い切って神尾さんが16gあたりを突っ込んできてどんどん落札する。残った自分の粘土は得点にならないので、大盤振る舞いしたほうがよかったみたいだ。落札したカードの得点で神尾さんの1位。最後は、見ただけでもう何グラムか分かるくらいにみんな上達していたのが笑えた(じゃあ、中に空洞を作って重く見せるかとか)。
貧乏陶芸家
新澤大樹/倦怠期(2012年)
3~4人用/10歳以上/40~60分